ロスキレ(デンマーク)2011/05/02 23:59


1ヶ月ほど前になりますが、出張でデンマークのロスキレ(Roskidle)という街に行きました。滅多に行く場所ではないので、メモを兼ねて記録しときます。コペンハーゲンの西25kmくらいに位置するロスキレはデンマーク最古の都市の一つで、15世紀まではデンマーク王国の首都でした。首都圏のベッドタウンとなっているほか、今では別段何もない地方都市ですが、ロスキレ・フェスティヴァルという欧州最大級の野外音楽祭で有名です。また、ロスキレ・フィヨルドというフィヨルドが広がっており、夏は観光客でにぎわうらしい。


フィヨルドというものを見たことがなかったので、夕方、日没する前に大急ぎで見に行きましたが、オフシーズンの上に天気が悪かったせいもあって、人気は全くなく、海藻の腐乱臭が少し漂う汚い海岸、という印象でした。夏の晴天のときに来ないとやっぱりダメですね。


町の中心にはユネスコ世界遺産のロスキレ大聖堂がありました。残念ながら中を見る時間なし。夕食はこの近くのレストランでランプフィッシュの卵とエイヒレのグリルを食しました。味は…。私は北欧の食事と相性が悪いのか、美味しいものに巡り当たったことがほとんどありません。


食後のシメは、地ビールと地スピリット(ハーブ入り)。ビールはドイツの白ビール系、スピリットは独特のハーブが入ったAquavit系でした。

ハノーファー2011/05/03 23:59

先月出張でちょっとだけ行ってました。2回目のハノーファー。


中央駅前のアウグスト像。ハノーファー公国の初代君主です。この人の息子ゲオルク1世は、ジョージ1世としてイギリス国王も兼務することになります。


中央駅のすぐ近くにあるオペラ座。美しいオペラハウスとして有名だそうですが、残念ながら中に入るチャンスはありませんでした。


街のシンボル、マルクト教会。入り口両脇のエグい像が目を引きました。いくつになっても子供のように、こういった妖怪・骸骨系の造形に心奪われてしまいますね。



以上、オチがなくてすんません。

フィルハーモニア管/マゼール:マーラー5番、角笛歌曲集2011/05/05 23:59

2011.05.05 Royal Festival Hall (London)
Lorin Maazel / The Philharmonia Orchestra
Sarah Connolly (Ms-1), Matthias Goerne (Br-1)
1. Mahler: 6 songs from "Des Knaben Wunderhorn"
2. Mahler: Symphony No. 5

「マゼールのマーラー・チクルスを厳選して聴きに行く」シリーズ第5弾。最初は歌曲集「子供の不思議な角笛」から以下の6曲の抜粋です。

 1. Wo die schönen Trompeten blasen(トランペットが美しく鳴り響くところ)
 2. Rheinlegendchen(ラインの伝説)
 3. Das irdische Leben(この世の営み)
 4. Urlicht(原光)
 5. Revelge(死せる鼓手)
 6. Der Tamboursg'sell(少年鼓手)

前半3曲をコノリー、後半3曲をゲルネという歌いわけでした。二人ともこのマゼールシリーズでは初登場です。

コノリーは一昨年のプロムス・ラストナイトで見て以来です。美形というよりは個性的で、ある種男性的でもある顔立ちですが、佇まいに気品があって、無駄に顔を振ったり手を広げたりしないのがたいへん好ましかったです。歌がまた、節度ありながらも起伏に富んだ感情表現で実に素晴らしい。今までこのシリーズに出てきたどの歌手と比べても、ワンランク上の歌唱でした。

間髪入れず後半のゲルネにバトンタッチしましたが、特筆すべきは4曲目の「原光」。「復活」の第4楽章とまるまる同じ曲ですが、これをバリトンが歌うのはたいへん珍しく(しかも、この曲を得意レパートリーにしているコノリーを差し置いて!)、私も初めて聴きました。ところがこれが意外とイケるので驚き。切々と叙情的に歌うバリトンの「原光」は、まさにプリミティブでモノクロームな光を思い起こさせ、伴奏のオケも先日の「復活」のときよりさらに充実していた感じでした。続く少年鼓手の歌2曲は一転してドラマチックな表現になり、ノリノリのオケと相まって、こちらもたいへん良かったです。オペラ向きの人だなあと思っていると、実はどちらかというとリート歌手だと後で知って、二度びっくり。

とにかく今日は初っ端からハイレベルの「角笛」を聴かせてもらい、これだけでもう元が取れた気分です。ところで素朴な疑問。先日の4番ではリュッケルト歌曲集が、今日の5番では角笛が前座でしたが、作曲順からも、内容の関連性からも、曲の長さからも、カップリングは逆にすべきではなかったでしょうか。まあ、歌手のスケジュールとか、いろんな要因もあるのでしょうが。

さてメインの5番が、これまた非常に素晴らしい快演でした。先日の6番ではヘロヘロだったトランペット、本日は冒頭のソロを含めてほぼ完璧な出来。全曲通じて絶好調に見えました。主題提示部では旋律をじっくりコテコテに弾かせ、今にも止まりそうなくらいテンポを落としますが、反復まで終わったら振り落とされんばかりの急アクセルをかけたりして、マゼール先生のイロモノ的演奏は相変わらず。我が道を行くティンパニのスミスさんは本日も説得力のある音をバシバシ叩き出していました。叩き方もさることながら、微妙に張力のバランスを崩したチューニングにその独特の音の秘密があると思います。ただ、1楽章中間部のファンファーレをソロティンパニが弱音でなぞるところではバランス悪いチューニングが裏目に出ていました。スミスさん、弱音が弱点かも?

三部構成というマーラーの構想通り、1〜2楽章は切れ目なく続けます。ここでもスミスさんの「物言う」ティンパニは大活躍。こんだけ好き放題叩かせてもらって、他のオケ、他の奏者ではなかなかありえないことですね。ちょっと休止をはさみ、マゼール先生は水を一杯飲んで呼吸を整えました。そうそう、御大は今日も暗譜でした、若い〜。結局6番だけ暗譜じゃなかったのは、何だったのでしょう?

続く3楽章ではトランペットに負けじとホルンもよくがんばっていました(1音だけ外しちゃったのが痛恨)。4楽章アダージェットは、丁寧に彫り深く、これでもかというくらい歌わせます。非常に芝居がかった演奏ではありますが、今日の5番はそれが逐一うまくハマっていました。アダージェットの最後の音が消え入らないうちに終楽章の開始を告げるホルンが鳴り、怒濤のフィナーレに突入します。ここまで来るとマゼールが別段ヘンなことを仕込まなくても、よくできたフーガなので音楽の力だけで十分に推進力になります。最後の金管コラール以降はまさに圧巻の音の洪水で、たたみかけるようにアチェレランドをかけてジャンと終るや否や、一部の人はもうフライングで「ブラヴォー」連発、満場のスタンディングオベーションとなりました。先の「復活」のときも凄かったですが、今日はそれ以上に充実した内容の演奏会でした。唯一の問題点は、席のせいで「俺のFionaちゃん」がよく見えなかったこと…。

ここでニュース。シリーズ第6弾である日曜日のマーラー3番、独唱のストーティンが喉の感染症のため降板し、代役がコノリーという連絡が。朗報といってはストーティンには気の毒でしょうが、正直今までよい印象がなかったし、コノリーのほうが断然嬉しいです。楽しみが一つ増えました。

PROMS 2011 ブッキング2011/05/07 09:30

本日はBBC PROMSのチケット発売日。今年は土曜日だったので出勤時間を気にせず朝8時前からパソコン前でスタンバっておりました。

昨年から始まったProms Plannerという買いたいチケットリストをあらかじめ設定しておくシステムに、希望のカテゴリと枚数はすでに昨夜のうちに最終入力済み。サイトオープンの朝9時前からカチカチとアクセスを試みるも、昨年同様、Waiting Roomにすらなかなか入れません。何度もカチカチやっていると、昨年よりもちょっとだけ遅く、9時4分にWaiting Roomに入れました。この時点で820人待ち。999人待ちだった昨年よりはベターだし、昨年と違って今年はみんなが狙うであろう目玉のPROMも特にないので、まあ余裕で待っていました。20分くらい待って本サイトに入り、9時30分には全ての購入が完了。このシステムでは席の番号までは自分で選べませんが、早かったのでなかなか良さげな席が取れていました。

ということで、今年もPROMSチケット購入はつつがなく完了。あとは何事もなければ、またこの夏、Royal Albert Hallでお会いしましょう。

ストーンヘンジとソールズベリ2011/05/07 23:59

ロイヤルウェディングの連休はバレエ(マノン)鑑賞もあったりして、旅行には出かけず自宅でおとなしくしておりましたが、せっかく天気もよいので、思い立ってまだ見ていないストーンヘンジまでドライブしてきました。


おー、本物だ。5000年も前に、誰がどうやって何のために作ったのか。実物の大きさを目の当たりにすると、便利な道具も機械も一切ない時代でもこれをやり遂げたとは、人間の問題解決能力はたいしたものだ、としみじみ感じます。

しかし、朝のロンドンは快晴だったのに、着いたら曇り空。でもこれくらいなら、英国的にはfine weatherですよね。


ちなみに、復元完成予想図はこんなのでした。


無事目的のものを見た後は、一番近い町のソールズベリでランチがてら少しぶらぶらしました。


町の見所は、イングランドで最も背の高いソールズベリ大聖堂。ミサをやっていたようなので中には入りませんでしたが、中には立派な回廊と中庭があって、なかなか見応えのある教会です。ショップも充実していました。


いかにも、といった古い家が建ち並んでます。手元にあった「地球の歩き方」には「思わず住んでみたくなるような古くて素敵な家々」と書いてありましたが、ロンドンのボロ古い家にずっと泣かされている我々は、別の意見を持っております。


帰り際、小川沿いをふと見ると、白鳥が雑草をついばんでいました。あんまりヘンなもん食べるなよ…。野生の白鳥をこの距離で見ることもなかなかないので、娘は興奮していました。後で調べるとこのコブハクチョウは図体が大きい上にけっこう獰猛らしいので、娘が思わず抱きつきに行ったりしなくて良かったです。

フィルハーモニア管/マゼール:マーラー3番2011/05/08 23:59


2011.05.08 Royal Festival Hall (London)
Lorin Maazel / The Philharmonia Orchestra
Sarah Connolly (Ms)
Philharmonia Voices (Ladies), Tiffin Boys' Choir
1. Mahler: Symphony No. 3

「マゼールのマーラー・チクルスを厳選して聴きに行く」シリーズ第6弾。週末なので家族連れで聴きに行きました。前回の5番が良かっただけに、その前に良かった2番の次の6番がヘロヘロだったのを思い出し、ちょっぴり不安がよぎります。

本日はマゼール先生、暗譜じゃなくて楽譜を置いていました。冒頭のホルンのユニゾンから気合い十分の迫力ある音色で、おおっ、と身を乗り出しましたが、その後のテンポ設定がとにかく遅い。例によって緩急付けて怪しくゆさぶる場面もあったものの、特に第1楽章の芯となっているマーチングが全然快活じゃない。私はこの楽章がマーラーの音楽の中でも特に好きで、晴れ渡るチロルの山を朗らかに歩いて行く自分をいつも思い浮かべるのですが、これでは足取りが重過ぎて、歩くという感覚がまるでない。これを作曲したときのマーラーはまだウィーンに出る前で、もちろんアルマとも出会う前で、もっと若々しさがあったはず。オケは非常によく鳴っていて、本日もティンパニの衝撃は凄まじいものがありましたが、エネルギーは前に向いておらず後ろ向きの感じがしました。コンマスのジョルト氏のヴァイオリンソロは先のベルリンフィルのブラウンシュタインと比べるといかにも線が細く、今日のテンポでは押しつぶされていまにも止まってしまいそうなソロでした。再現部の前で突如叩かれるマーチング小太鼓は舞台裏から叩いていましたが、複数台で叩いていたように聴こえました(スコアを見ると確かにそのような指示があります)。コーダではまだまともなテンポになって、これぞ爆演という感じで盛り上がって終りました。

第2楽章はほとんど仕掛けもなく、ヴァイオリンが甘いメロディーを奏でるところなどもっと表情を付けるかと思ったら、意外と淡々と進みました。第3楽章の舞台裏ポストホルンソロは、トランペットで代用ではなく本当にポストホルンを吹いていたようでした。音色では判別できませんでしたが、ソロが終ったあと、明らかに形の違う楽器を抱えて舞台に戻って来ていましたので。1カ所くらいはミスっていましたがほぼ完璧なソロで、吹きにくいポストホルンでこのレベルは会心の出来と言っていいでしょう。

第4楽章、のどの感染症で降板したストーティンの代役で、先日「角笛」で素晴らしい歌唱を聴かせてくれたコノリーが登場。この人、衣装の趣味が悪いと評判だそうですが、今日はシックな黒のドレスでした。急な代役で歌うくらいだからてっきり十八番なのかと思ったら、この曲の独唱者としては珍しく、楽譜を見ながら歌っていました。先日のベルリンフィルで歌ったシュトゥッツマンはいかにもアルトの低周波に厚い声でしたが、コノリーはやっぱりメゾソプラノ、ずいぶんと軽い声質です。決して悪くはなかったしたいへん美しい声なのですが、歌い慣れてない緊張が随所に出ていたように思います。視線が楽譜からなかなか離れないし、次の第5楽章では歌い出しをミスった箇所もありました。話を4楽章に戻すと、あとは先日のラトルと同じくオーボエが強烈なポルタメントをかけていたのが特徴的でした。

間髪入れず第5楽章に突入。少年合唱団は見かけちょっとトウが立っている(失礼!)ようでしたが、声はずっと幼く繊細で、女声とオケに負けていました。まあ、歌詞がほとんどビム〜バム〜だけで声量を出しようもないのでしょうがないですが、ここの少年合唱は実演ではいつも物足りなく感じてしまうところです。

終楽章は再びスローなテンポで、抑制ききまくりの黙示録的演奏でした。2番では音楽の力自体に任せてナチュラルな起伏を作って行ったマゼールさんが、3番ではあえて音楽自体の推進力を利用せず、膨大な静電エネルギーを鉄球に貯めていくかのような演奏になったのはどういう解釈があってのことなのか、なかなか理解は難しいです。本日、オケの迫力には圧倒されましたが、私が聴きたかった3番ではありませんでした。小学生の娘には、全体的に明るい曲だから楽しめる箇所はあるだろうと最初は思ったのですが、この長丁場はちときつかったようです。大人しく座って聴くのはもう慣れているので、真後ろに座っていた常連のおじいさん(RFHでよく顔を見ます)から「very good behaviour」と褒められてはいましたが。

しかし、コーダのティンパニはまさにやりたい放題。指揮者がそれを許しているとはいえ、スミスさん、回を追うごとに爆演がエスカレートしてますぞ。是非、もっとやってください。


本日のフィオナちゃんです。今日もちょっと見にくい席だったのが残念ですが、相変わらずかわいいので許します。


あっ、こら、おっさんおっさん、俺のフィオナちゃんの前に立つんじゃない!

リュブリャナ(スロヴェニア)2011/05/11 23:59

出張で行ってました。この季節、ミーティングが5時に終ってもまだまだ日が高いので歩き回れる余裕があって、よいです。


リュブリャナに来たのは初めてなので、やはりまず目指すは一番高いところ。ということで、リュブリャナ城を目指します。


城には徒歩でも行けますが、時間がないのでケーブルカーで。乗り場に行く途中、町の中心地、プレシェーレン広場と三本橋を通過します。


さらに進むとこれまたリュブリャナのシンボルである「竜の橋」というのがあります。このような竜の像が橋の四隅に配置されています。なかなかステキな造形です。


非常にモダンなケーブルカーに乗り、ようやく城の展望台へたどり着きました。ちょっと逆光気味なのが残念ですが、いかにも東欧らしい風景が懐かしいです。リュブリャナはスロヴェニアの首都ですが、人口は国全体で200万人、首都で30万人ですから、たいへんコンパクトな町でした。


日のあるうちに町に下り、1786年創業の老舗レストラン、ゴスティナ・フィゴヴェツに行ってみました。古いだけあって、壁もボロボロです。


スロヴェニアの名物料理の一つ、生ハム(プロシュート)。料理は隣国であるイタリアとオーストリアの影響が濃いです。このプロシュートも、イタリアのプロシュートとドイツの生ハムの中間のような味わいで、スモークが強く少しクセがあります。

前回スロヴェニアに来たのは2004年12月、ブダペストからブレッド湖までドライブしました。当時ブダペストに住んでいた日本人駐在員の間では何故かブレッド湖が非常にメジャーな観光地で、しかも元はチトー大統領の別荘だったというオールスイートのホテルに泊まるのがトレンドでしたので、うちも負けじと(ただし高いのでシーズンオフに)行きました。冬は寒くてお店もレストランもほとんど開いていませんでしたが、目前に広がる「絵になる風景」は、さすがに噂通りでした。当時の写真を少し紹介します。


ブレッド湖の真ん中にぽつりと浮かぶ聖マリア教会。17世紀からすでに絵葉書を通してヨーロッパ中に名勝としての名を轟かせていたそうです。


晴れた日に望むユリアン・アルプスは本当に絶景でした。寒かったけど。

バルセロナ2011/05/12 23:59

出張の続き。2005年4月以来、2回目のバルセロナです。スペインはあまり縁がなく、バルセロナ以外の都市にはまだ全然行ってません。

朝5時にタクシーを呼んでリュブリャナ空港に行き、ミュンヘン経由でバルセロナまで移動しました。昼過ぎにホテルに着いてすぐ、2時ごろからビジネスランチ開始。前菜はアサリとマテ貝のワイン蒸し、アンチョビ、ハモンセラーノなどをシェアして、メインにはオラータ(ヘダイ)の塩竈焼きを選びましたが、どれもこれも美味!久々に美味しいシーフードにありつけました。


ランチを食べたレストランBarcelona。日本語メニューもありました。私はエビ・カニ・イカ・タコ類は食べないのですが、水槽にはロブスターの他、日本で言う伊勢エビも泳いでいました。オススメレストランです。

デザートも食べて、コーヒーを飲みながら、まだまだ仕事の話は続き、気がつけば7時を過ぎている!まーよーしゃべる人達です。ディナーは8時半で予約をしているというので(スペインのレストランは夜8時以降でないと開店しません)、海岸を少し散歩して時間をつぶしました。



砂浜では若者がビーチバレーに興じていたり、上のように鉄球を放り投げて相手の鉄球を陣地から追い出す、カーリングのような遊びをやっていました。もう早、泳いでいる人もおりました。


夕食はBar Mutという人気のバルでタパス料理を。スペインは日本の居酒屋ように小皿料理をみんなでシェアする文化があるので、親しみがわきます。私は前述のようにエビ・イカ類は食べないのでスペイン料理は今まで大の苦手だったのですが、それらを避けてもなお美味しい料理がたくさんあるということを今回発見できたのが収穫でした。

しかしこのあとお洒落な老舗カクテルバーに移動してワサビ入りやシソ入りのけったいなカクテルを飲み(特に日本びいきのお店というではなく、ハーブの種類として使っているのです)、さらに同僚のデンマーク人と別のバーで飲み直し、ホテルに戻ったのがもう午前2時。バルセロナに着いてからほとんど飲み食いしかしていませんが、長い一日でした。


翌朝、ホテル近くにあったガウディ建築をかろうじて見て来ました。これは海をイメージしたカサ・バトリョ。


カサ・ミラ。こちらは山がテーマだそうです。

ところで、バルセロナの空港はちょっとイケてない。セキュリティチェックでラップトップ、携帯、小銭入れ、脱いだ上着やベルトなどはトレイに入れてX線を通しますが、普通はトレイを横に滑らせるだけであとはベルトコンベアが検査装置に運んでくれますよね?ところがここの空港では各々がトレイをかついだまま順番を待たないといけない!普通トレイを2つくらいは使うし、さらにバッグまで抱えて移動するのは非常に不便、何とかならんもんかと思いました。さらに、セキュリティを超えてゲートDまたはEのほうに進むとパスポートコントロールがあり、それを通ってしまったが最後、眼下に広がる広大なショッピングエリアに一切アクセスできなくなくなるのには、ヤラレました。正解は、DEはこちらという指示を無視してABCの方向に従って下階に下り、ショッピングを済ませたあとに、その下階からDEゲートに入るべきなのでした。そんなこと、慣れてない人には絶対わからんわ!ゆっくり買い物でもしようと早めに空港にいったのに、シースルーで階下に広がる広大なショッピングモールがありながら、申し訳程度に開いている小さい免税店にしか行けないこのもどかしさ。ヤラレたのは私だけではないようで、もの凄い勢いで職員に食ってかかっている老夫婦もおりました。ともあれ、この空港は要注意です。改善してもらいたいものです。

バルセロナ、次は休暇で来てみたいものですが、それだとバルセロナばっかりになってしまうので、アンダルシアあたりをゆっくりドライブできたらなあと。

ロンドンフィル:ファンハーモニクス・ファミリーコンサート「チック・タック」2011/05/15 17:00

2011.05.15 Royal Festival Hall (London)
FUNharmonics family concert "Tick Tock"
Stuart Stratford / London Philharmonic Orchestra
Chris Jarvis (Presenter)
1. Kodály: The Viennese Musical Clock from 'Háry János' Suite
2. Prokofiev: Waltz and Midnight from 'Cinderella' Suite No. 1
3. Haydn: Symphony No. 101 (The Clock): 2nd movement
4. McNeff: Suite for Orchestra from the opera 'Clockwork'
5. Beethoven: Symphony No. 8: 2nd movement
6. Grainer/Gold: Doctor Who Theme (arr. McEwan)
7. Johann Strauss II: Perpetuum mobile
8. Ponchielli: Dance of the Hours from 'La Gioconda'

久々のファミリーコンサート。ロンドンフィルのはこれで2回目です。娘はもう大人の演奏会に普通に連れて行ってますし、ファミリーコンサートの子供向けイベントにも興味がなくなってきた様子なので、もう卒業してもよいかと思っていましたが、今回は選曲がなかなか面白かったので、これを最後のつもりで行ってみました。

会場はほぼ満員。子供の年齢層は乳児から小学校低学年までが多いです。もちろんほとんどの子供は1時間の演奏会にじっとしていられるはずもなく、立ったり座ったり終始落ち着かない子供、途中でトレイに行きたいとせがむ子供、子供用クッションをバンバン叩く子供、ぐずって泣き出す子供等々、会場は絶えず騒がしいです。それは織り込み済みですが、見ていると子供をなすがままに放置している親が多く、演奏会でのマナーを子供に教える絶好の機会と捉えている人は少数派の様子。子供に少しでもクラシック音楽に興味を持ってもらう機会、という意義もありますので捉え方は人それぞれですが、イギリスのたいていの子供は知っている「ドクター・フーのテーマ」になるとみんなとたんに静かになって耳を傾けたのを見るに、クラシックリスナーの裾野を広げるにはあまり成功していないのかな、とも感じました。何にせよ、ファミリーコンサートの常連になって、あのざわざわを普通のものだと思い込んでしまう子供が大量生産されたら、その弊害がむしろ大きいんじゃないかと思ってしまいます。

オケは見る限り通常のLPOのメンバーで、演奏はたいへんしっかりしたものでした。コンマスはVesselin Gellevさんですね。この人、顔立ちからてっきりイタリア人かと思っていたら、意外にもブルガリア人でした。今日は席が遠かったので、美人奏者探しは不発に終りました。フィオナちゃんクラスの人はやっぱりそうそういませんなー。第2ヴァイオリンとパーカッションに良い感じの人を見つけましたが、もうちょっと近くで観察しないと何とも言えません。(何をしに行ってるんだか)

ランラン・イン・コンチェルト:サンバ良ければ全て良し2011/05/21 23:59


2011.05.21 Royal Festival Hall (London)
Lang Lang Inspires: Lang Lang in Concerto
Ilyich Rivas / Youth Orchestra of Bahia
Lang Lang (P-2,4)
1. Respighi: Fountains of Rome
2. Chopin: Piano Concerto No.2
3. Stravinsky: The Firebird, Suite (1919)
4. Gershwin: Rhapsody in Blue

日本人にはどうしてもパンダの名前か「恋のインディアン人形」に見えてしまうラン・ラン。漢字では「郎朗」と書くそうですね。4年前5年前にブダペストで見て以来の3回目になります。今回は“Lang Lang Inspires”と題したシリーズでソロ、室内楽、コンチェルトの演奏会を連続開催しますが、今日のコンチェルトはSouthbank CentreのWebサイトでClassical Music/Orchestralをブラウズしても出て来なかったので、しばらく存在に気付きませんでした(普段めったに見ないClassical Music/Chamberのほうに出ていたのです)。見つけたときにはピアノがよく見える席はすでに売り切れだったのですが、ほどなくリターンが出て、幸い3列目の良いチケットをゲットできました。選曲も「ファンタジア2000」で娘がお気に入りの「火の鳥」と「ラプソディ・イン・ブルー」が入っており、家族イベントとしては最適です。実際、夜にしてはずいぶん子供が来ていました。あとは中国系の人が多く、普段とは聴衆の様相がちょっと異なる感じでした。

1曲目は「ローマの噴水」。レスピーギのローマ3部作は全て、打楽器奏者の端くれとしては何歳になっても心が躍る、最高に好きな曲なのですが、なかなか実演で聴く機会に恵まれないのが残念でした。「噴水」は、もしかしたら実演は初めてじゃないかしらん。オケはブラジルのバーイア・ユース管弦楽団。ベネズエラのエル・システマ(貧困層の子供に無料で楽器と音楽教育を与え健全な成長を図る社会政策)に触発されて2007年に結成されたそうで、年齢層は12〜25歳とたいへん若いです。指揮者のリーバスも弱冠18歳のベネズエラ人で(この人はエル・システマ出身ではないそうですが)、言ってみれば子供が指揮する子供のオーケストラという図式です。プログラムの解説によると、リーバスは未成年とは言えすでにアトランタ響、シュトゥットガルト放送響、グラインドボーンやルツェルンの音楽祭でプロデビューを果たした新進気鋭ですし、オケもセミプロみたいなものでしょうが、やっぱりアマチュアの域を出てないかなと感じざるを得ない線の細さでした。技術やパワーが追いつかないというより、勢いがないのが一番問題に思えました。若いんだからppでもpppでも全部fでぶつける、くらいの勢いが多少はあったほうが音楽が生きると思いますが、まるで破綻しないことを第一に教えられているかのようでした。まあ、この難曲を破綻しないでやり通せるというのは、それはそれでたいしたものですが。

次のショパンでラン・ラン登場。28歳だからまだまだ若いですが、このメンバーに入るとキャリアでも知名度でもダントツですから自分が牽引せねばならず、普段ウィーンフィルやベルリンフィルと共演するのとはだいぶ勝手が違うでしょう。ラン・ランはやんちゃな若造という風貌はあまり変わっていませんが、期待していた顔芸がずいぶんと減って、やけにすました顔で風格たっぷりに弾いていました。前聴いたときはまるで演奏を補完するかのように音楽に入り切った表情を見ているだけで楽しかったのですが、時おり恍惚の表情を浮かべながらも、客席を見渡しながらクールな顔で大見得を切ったりして、「ええカッコしい」度がさらに増したなあという印象です。マネージメントが狙っている市場は普通のクラシックピアニストの枠を超えたところにあるでしょうし、本人もそれに乗ってスーパースターを演じるのが楽しい様子です。で、肝心の演奏のほうは、ショパンは正直、普段聴くことが最も少ない作曲家の一人ですので細かいところはわかりませんが、掛け値なしにめちゃめちゃ上手いピアノであったことは間違いありません。今日の演奏会は自分がリードするという自覚の現れでしょうか、木管や第2ヴァイオリンに向けて弾き振りみたいな動作までしていたのには驚きました。パンチに欠けてオケと指揮者の影が薄い分、ラン・ランの独演会のような様相を呈していました。何となく予感はありましたが、案の定、楽章が終るたびに盛大な拍手が起こり、ラストも思いっきりなフライング拍手&ブラヴォー。やはり、あまり普段演奏会に足を運ばない客層のようでした。

休憩を挟んで「火の鳥」。あらためてオケをじっくり聴くと、弦楽器はなかなか繊細な音が出せるし、管楽器も個々のプレイヤーはそれなりに技量を持っていることがわかります。それが全体となるとパワー不足、勢い不足に感じられてしまうのはアンサンブルが弱いせいですね。「ふわっと花が開くような」とか「突然目の前に現れるように」などの表情付けをきっちり表現できるというのは、普段プロの演奏に慣れているとあたり前のことのように思ってしまいますが、楽譜通り音を出せばそうなるものではもちろんないんですね。それでも1曲目とは違ってこれはバレエですから、「火の鳥の踊り」や「魔王カスチェイの踊り」ではみんな一斉に大きく身体を揺らしながら演奏して、ようやく本来のノリが出てきたようでした。それにしても、若者らしからぬたいへん品の良い「火の鳥」でした。

最後は再びラン・ラン登場。「ラプソディ・イン・ブルー」は得意曲と見えて、オケが一番リラックスして演奏していました。ラン・ランのピアノもやりたい放題に弾きまくっていましたが、ジャジーな雰囲気はあまり感じられず、いろいろやってもこの人の本質はガチガチのクラシックピアニストなのだなと思いました。ガンガン叩きつけるように弾いたかと思うと、第2主題の後半で4拍子と3拍子が重なりあってリズミカルになる箇所ではわざとしっとりと弾いてみたり、ちょっと変わったことをやりたいお年頃ですかね。さすがにこの曲では途中で拍手はありませんでしたが、最後はやっぱり音にかぶさるように沸き起こる拍手と聴衆総立ちの喝采が待っていました。

アンコールはオケにラン・ランも加わってのサンバのポピュラー曲(すいません、タイトルが出てきません)。メンバーが途中で立ったり座ったり、踊り出したり、何かやらかす雰囲気になってきたら、突如ホルン(♂)とクラリネット(♀)の奏者が楽器を置いてステージ前方に踊り出て、巧みなステップでサンバダンス。演奏がグダグダだったのは、まあご愛嬌ですが、南米のオケって最近はみんなこんなノリなんでしょうか?最後は、ブラスと打楽器が叩き出すサンバのリズムに乗りながら、メンバーが順次踊りつつ退場して行きました。聴衆は大ウケで、皆笑顔で帰路についていました。こういう理屈抜きに楽しい演奏会もたまには良いものですね。

今日は後席に座っていた女性にいきなり声をかけられ、写真を後でメールで送って欲しいと頼まれました。自分もカメラを持っているのに、私のほうがカメラが良さそうで写真がシャープに見えたから、だそうです。別にこだわりのカメラではなく、キャノンの普通のコンパクトデジカメなんですけどね。写真については本当にずぶの素人ですのでクオリティは保証できません。


終演後のリーバスとラン・ラン。リーバスは18歳にしては老け顔ですね。


ユースオケは若いおねえちゃんがたくさん見れるので、オジサン的には目の保養になって良いですね。私的にはセカンドヴァイオリンの色白美人がイチオシでした。


お、チェロにもクールなかわい子ちゃんが。


ファーストヴァイオリンにはセクシーなラテン美女が二人も。


最後はノリノリのサンバに乗ってメンバーが退場して行きました。左のホルンのにいちゃんは華麗なステップも見せておりました。