南野陽子@コットンクラブ2021/12/11 23:59



2021.12.11 コットンクラブ (東京)
To Love Again 〜SNOWFLAKES〜 YOKO MINAMINO
南野陽子 (vo)
エルトン永田 (p), 加藤JOE (vln), 角田順 (g)
長岡道夫 (b), 島村英二 (ds), 田代修二 (key)
増渕東 (manipulator), 萩田光雄 (sound producer)

コットンクラブに来るのは4年半ぶりです。南野陽子さんはバリバリの現役アイドル時代に特に追っかけていたわけではないものの、10年ほど前にきっかけは忘れましたがYouTubeで新旧の動画を探しては観るのが突如マイブームになってしまい、40代(当時)になっても驚異的な美貌とアイドル時代から変わらぬ愛嬌にすっかり魅せられてしまいました。しかしながら、ライブのコンサートはほとんどやってないようなので、実物を見れる機会が来ようとは夢にも思いませんでした。というわけで、10月に広告を見て、こいつだけは逃すまいと、発売日は出先にも関わらず気合を入れて何とかチケットをゲット。まあ取れたから良かったものの、コットンクラブはただでさえ座席数が少ないうえに、コロナ対策で間隔を開けた配席になっているので、12時からの販売開始で5分後には4公演全席完売という予想通りの超激戦でした。同じコットンクラブで5年前の原田知世のコンサートが、同じく瞬殺でチケット取れずだいぶ落胆したのですが、今回はリベンジです。

以前と違い、コロナ対策でフロアテーブル席も全席指定になっているので開場前に早くから並ぶ必要はなくなりました。チケットを取る際は通信環境のせいで売り切れギリギリの攻防だったので、最終的な配席が心配だったのですが、非常に至近距離の席だったのでラッキーです。待ちに待った生ナンノは、エレガントなロングドレスに身を包み、54歳になってもアイドルの瞳がキラキラ光ってます!さすがに40代のころからはイメチェンして、「半沢直樹」シーズン2のIT会社副社長(悪役)のごとく歳相応の貫禄がついたのが(スタイルは変わらず完璧なプロポーションでしたが)、目の前のリアルでした。初日なので見るからに緊張している様子で、声が上ずるなどちょっと失敗した後に見せる苦笑いがむしろ愛嬌だったりするわけですが、1曲目から早速歌詞を飛ばす事故で「ごめんなさ〜い」。MCで本人も「この後も多分何度もやらかします」と予告していた通り、自分の持ち歌でも何回も歌詞を飛ばし、それでも温かく見守ってもらえる天性の愛嬌は、まさに昭和アイドルのオーラでした。

前半の曲は「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」「幸せの黄色いリボン」「真珠の首飾り」といった幼少期に慣れ親しんだというスタンダードナンバー中心。本人が歌いたいものを歌う趣旨で全くかまわないのですが、正直なところ歌唱力はアイドル時代からあまり変わってないので、この路線で最後まで行くのはちとつらいかなと思っていたら、後半には16年ぶりのオリジナル新曲「大切な人」と、「秋のIndication」「メリー・クリスマス」「楽園のDoor」(ボサノバ風アレンジがとっても良かった)といったバリバリアイドル時代のナンバーを披露し、観衆は皆ほっとした様子でした。アンコールでは超速で自身のプリントTシャツとジーンズに着替え、もう1曲の新曲「空を見上げて」に続いて最後は「はいからさんが通る」で大いに盛り上がりました。個人的には「話しかけたかった」で髪をはねたり、「吐息でネット」でくるりと回るのも見たかったところですが、多分コロナ対策もあり、合いの手系やサビ歌わせ系の曲は意図的に外したんだろうと思いました。

サウンドプロデューサー萩田光雄が集めてきたバックバンドは、皆さん70代のベテランを超えたレジェンドのスタジオミュージシャンばかりで安定感は抜群。MCでは「サンタのおじいさんたち」と茶化されてましたが。1万円のチケットはちょっと高めではありましたが、たいへん贅沢なコンサートでした。


今月新発売の、新曲2曲を含むコンピレーションCDのチラシ。各席に置いてありました。

古内東子の弾き語りライブ2013/11/20 23:59

2013.11.20 コットンクラブ (東京)
古内東子 -秘密の調べ-
古内東子 (vocal, piano), 草間信一 (keyboard)

丸の内のコットン・クラブで古内東子のライブがあるというチラシをたまたま見つけ、こんな近場でやってるなら是非見たいものだと、ふらっと行ってみました。古内東子は小松秀行がプロデュースをしていた全盛期のころまではよく聴いていましたが、1998年だから、もう全盛期ならぬ前世紀の話なんですねえ…。

古内東子と中原めいこと松任谷由実にはいろいろと語り尽くせない思い出がまとわりついていて、客観的な評価はなかなかできないのですが、古内東子についてはずっと思っているのが、オーラが全く感じられないこと。デビューのころのビジュアルは拗ねた女子大生風だし、売れたころも、そのへんにいつも歩いていそうなOL風の域を出ない。決して美人とは言えないし、歌が飛び抜けて上手いわけでもない(個性的ではありますが)。ひとえに楽曲の良さで売れてきた人でしょう。前世紀末に恋愛教祖としてブレークしたのは、本人のカリスマ性のなさがかえって好まれたのかとも思っています。

コットンクラブは初めて来ましたが、2005年開業だから日本にいなかったので、知らなくてあたり前か。ブルーノート東京より一回り小さい、アダルトな雰囲気の洒落た箱です。こんな空間が、こんな近くにあったとは。早めに行ったので運良くかぶりつきのテーブルに座れました。念のため持ってきたオペラグラスを使うまでもなくよく見えましたが、そういえばジャズクラブでオペラグラスを使ってる人は、見たことないな…。

公式HPなんかで見る最近のプロモ写真が昔とずいぶん違うので(笑)、もしやお顔がすっかり「変身」してしまったのかと思っていましたら、登場した古内東子はかつての人がそのまま普通に年を召したような、全くの想定内だったので安心しました。相変わらず、オーラはない。昼間は丸の内でOLやってます、と言っても違和感ありません。ステージは、ピアノ弾き語りにキーボードのサポートを付けた、1時間強のこじんまりとしたものでした。アンコールの「ピーチ・メルバ」を除き、バラード中心のまったりとした構成。長い間追っかけてなかったので半分くらい知らない曲でしたが、私のカラオケレパートリーである「逢いたいから」や「うそつき」をモノホンで聴けたのは感動しました。カバー曲コーナーでは、ちょうど来日中のポール・マッカートニー「My Love」なんかも歌っていました。最近はこういう弾き語りのスタイルが多いそうですが、古内東子と言えば血の通ったソウルフルなバンドサウンドも聴きたいもの。今年2月にブルーノート東京でやったデビュー20周年記念ライブでは佐野康夫がドラムを叩いていたようで、帰国前だったから無い物ねだりとは言え、これは見たかったです。ということで、次にフルバンドでやるのはいつの日かと、公式ページのNEWSを追いかける毎日なのでした。