BBC響/ビエロフラーヴェク/ピエモンテージ(p):マーラー「復活」ほか ― 2012/12/01 23:59
2012.12.01 Barbican Hall (London)
Jiří Bělohlávek / BBC Symphony Orchestra
Guildhall Symphony Chorus
Francesco Piemontesi (piano-1)
Chen Reiss (soprano-2)
Katarina Karnéus (mezzo-soprano-2)
1. Schumann: Piano Concerto in A minor
2. Mahler: Symphony No. 2 in C minor (‘Resurrection’)
今シーズンからチェコフィルの首席指揮者に返り咲いた御大ビエロフラーヴェクは、BBC響のほうは桂冠指揮者(Conductor Laureate)に退きましたが、この6年で築いたオケおよび聴衆との信頼関係が何ものにも代え難い成果でしょうか、BBC響にしては珍しくソールドアウトの人気でした。
今日はシューマンのピアノ協奏曲とマーラー「復活」というヘビーなプログラム。いつも思うのですが、「復活」やる時はそれ1曲だけで十分じゃないのかなあと。それはともかく、今日のソリストはスイス人の若手ピアニスト、ピエモンテージ。まだ20代のわりにはずいぶんと落ち着いた佇まいです。ピアノも余裕のある演奏で、完成されたスタイルをすでに持っている様子。柔らかいタッチがちょっとルプーのようかなと思いました。ただし、上手いけどパンチがありません。曲によっては深い演奏を聴かせてくれそうだし、そういうのが好みの人もたくさんいるでしょうけど、私は若いなら何が飛び出すかわからない感じのピアニストのほうが好みですかね。あと気になった懸念は、オケが冒頭の木管からして音がくたびれていたことです。オケがハードスケジュールでお疲れなのか、それともビエロフラーヴェクがプラハとの行き来で忙しく、じっくり積み上げる時間がなかったか。
Jiří Bělohlávek / BBC Symphony Orchestra
Guildhall Symphony Chorus
Francesco Piemontesi (piano-1)
Chen Reiss (soprano-2)
Katarina Karnéus (mezzo-soprano-2)
1. Schumann: Piano Concerto in A minor
2. Mahler: Symphony No. 2 in C minor (‘Resurrection’)
今シーズンからチェコフィルの首席指揮者に返り咲いた御大ビエロフラーヴェクは、BBC響のほうは桂冠指揮者(Conductor Laureate)に退きましたが、この6年で築いたオケおよび聴衆との信頼関係が何ものにも代え難い成果でしょうか、BBC響にしては珍しくソールドアウトの人気でした。
今日はシューマンのピアノ協奏曲とマーラー「復活」というヘビーなプログラム。いつも思うのですが、「復活」やる時はそれ1曲だけで十分じゃないのかなあと。それはともかく、今日のソリストはスイス人の若手ピアニスト、ピエモンテージ。まだ20代のわりにはずいぶんと落ち着いた佇まいです。ピアノも余裕のある演奏で、完成されたスタイルをすでに持っている様子。柔らかいタッチがちょっとルプーのようかなと思いました。ただし、上手いけどパンチがありません。曲によっては深い演奏を聴かせてくれそうだし、そういうのが好みの人もたくさんいるでしょうけど、私は若いなら何が飛び出すかわからない感じのピアニストのほうが好みですかね。あと気になった懸念は、オケが冒頭の木管からして音がくたびれていたことです。オケがハードスケジュールでお疲れなのか、それともビエロフラーヴェクがプラハとの行き来で忙しく、じっくり積み上げる時間がなかったか。
うーむ、ピンボケしかありませんでした…。
続く「復活」はロンドンで聴くのがこれで4度目ですが、過去3回はなぜか全てフィルハーモニア管(インバル、マゼール、サロネン)でした。ビエロフラーヴェク/BBC響のマーラーは昨年2月の第6番がたいへん良かったので期待していたのですが、ちょっと期待度が大きすぎたようです。冒頭から、予想通りゆったりとしたテンポで丁寧な進行でしたが、先ほどの懸念が的中、やっぱり各楽器の音に伸びがない。あえて朗々と弾かせず、ぶっきらぼうとも取れる表現に終始している印象でした。前の第6番のときは、何も足さない、何も引かない、あくまでスコアを丁寧に、忠実に、集中力を持って再現して行った結果、最後はまるで天からマーラーが降臨したような感動を覚えたのですが、第2番で同じようなアプローチだと結局曲の冗長さが際立ってしまってました。ぎくしゃくした進行に聴こえたのは、元々そういう曲だからであって、やはりそこは6番と比べては円熟度が違うんでしょうね。オケはうるさいくらいによく鳴っていましたが、ともかくテンポが遅かった。オケは途中で力尽き、終楽章では管楽器のピッチがずれてしまって痛々しかったので、もう早く終ってくれと思いながら聴いていました。
メゾのカルネウスは今年のプロムスの「グレの歌」にも出ていましたが、あまり印象に残ってません。音程が不安定であまり関心はしませんでした。ソプラノのレイスはイスラエル出身の若手で、すらっとした細身の美人系。終楽章のデュエットはカルネウスの調子も上がってきて、普通に良かったです。
コーラスはギルドホール音楽院の学生合唱団でしたが、これがなかなか侮れない完成度。コーラスの奮闘が救いとなり、後半はしっかり盛り上がりました。まあ、最後の一音はティンパニが飛び出しちゃいましたけど。それにしてもこの学生合唱団、ソプラノ、テナー、バス、アルトという並びでしたが、男女の境で接している若者達は例外なく舞台上でもおかまいなしにリラックスして談笑。うーむ、オジサンはうらやましいぞ。あと気になったのは、ソプラノに一人どう見ても男性が混じっていて、見た限りテナーがたまたまソプラノに混じって座っていたのではなくて、歌もソプラノパートを歌っているようでした。確かに、「ソプラノは女性に限る」という法律はないので、ソプラニスタとかカウンターテナーというのもあることですし、声さえ出れば男性がいても問題はないんでしょうけど、こんなのは初めて見ました。ソプラノでは、終楽章の途中で気分が悪くなったのか座り込んでしまってその後最後まで歌えなかった人がいたかと思えば、出番が来ても起立せず座ったままずっと歌い続けていた人もいて、プロの合唱団ではあり得ない光景が新鮮でした。
うーむ、ビエロさんの顔がまともに撮れてない…。カメラ代えようかな…。
コメント
_ feliz ― 2012/12/09 23:41
_ Miklos ― 2012/12/12 00:20
そうですね、前のほうに座っているとコーラス隊の顔は逆に見えないかも。やっぱりソプラノの若いおねえちゃんに一人ヒゲ面の男が混じっていると、目を引きますよ。コーラス自体は良かったので、それが救いでした。
女王観覧のLSOとか、BBC響の「復活」に呼応した「シンフォニア」とか、また書き物が溜まってきてます・・・。(今もまだ出張中、外は大雪です)
女王観覧のLSOとか、BBC響の「復活」に呼応した「シンフォニア」とか、また書き物が溜まってきてます・・・。(今もまだ出張中、外は大雪です)
_ 守屋 ― 2016/08/20 22:26
こんばんは。台風で、通勤が大変なのかなと。
チェコと言えばこちら。監督さんの所でも書き込んだことで、昨晩、プロムスでビエロフラーヴェク(と発音するんですね)さんの容貌に驚きました。彼の史記を見たのはおそらく初めてなので、評価のしようがないです。が、本編終了後、カリタ・マッティラが熱く彼とハグしたので、思う所があるのかなと感じた彼の姿でした。
チェコと言えばこちら。監督さんの所でも書き込んだことで、昨晩、プロムスでビエロフラーヴェク(と発音するんですね)さんの容貌に驚きました。彼の史記を見たのはおそらく初めてなので、評価のしようがないです。が、本編終了後、カリタ・マッティラが熱く彼とハグしたので、思う所があるのかなと感じた彼の姿でした。
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_ *クラシック*音楽生活@イギリス - 2012/12/09 23:36
Saturday, 1 December 2012 / 19:30 @Barbican Hall
Schumann Piano Concerto
Mahler Symphony No 2 in C minor ‘Resurrection'
BBC Symphony Orchestra
Jiri Belohlávek conductor
Chen Reiss sopra...
Schumann Piano Concerto
Mahler Symphony No 2 in C minor ‘Resurrection'
BBC Symphony Orchestra
Jiri Belohlávek conductor
Chen Reiss sopra...
合唱、そうでしたか。鋭いですね。私は前の方に座っていたのですが全く気づきませんでした。復活に関しては私も同じような感想でした。