ヴロツワフ(ポーランド)2012/03/01 23:59


9年ぶり、2度目のポーランドです。以前ハンガリーに赴任して一番最初の出張がここ、ヴロツワフでした。それ以降、ポーランドには機会があればまた行きたいと思いつつなかなか縁がなく、当時とは居住地も業務も全く変わってしまって、ついに巡ってきた2度目のポーランドが再びヴロツワフというのは、因縁めいたものを感じます。

ヴロツワフは現地語で「Wrocław」と書きます。これが最初読めなくて、当時ハンガリー人同僚に「ロックローに出張に行く」と言ったら一瞬怪訝な顔をされ、スペルを教えると「あー、ブレスラウのことだね、それはヴロツワフと読むんだ」と言うので今度はこちらがちんぷんかんぷん。ヴロツワフは千年の歴史がある古都ですが、ドイツ、チェコとの国境に近く、14世紀以降第二次大戦終わりまでの長い間、ブレスラウ(Breslau)という名でドイツ人の支配下にありました。今でもドイツ語ではそう呼ぶのですが、以前ブダペストから行くのにミュンヘンで飛行機を乗り継ぐ際、タイムテーブルの「W」の欄を探してもフライトが全然見つからないので焦りました。そう言えば、と思い出して「B」の欄を見るとちゃんとあったのでほっとしましたが。

さて、今回は多少フリータイムがありましたので、あいにくの曇天でしたが町を散策に出ました。9年前に来たときはまだデジカメを買う前だったので写真が残っておらず、リベンジです。


町の中心、旧市庁舎はヴロツワフのシンボル。いろんな様式をミックスしたようなユニークな建築物です。



このあたりの建物はパステル調の色に塗り分けられ、メルヘンチックな雰囲気です。ここもポーランドの他の都市同様、第二次大戦では壊滅的な被害を受け、戦後、オリジナルの図面を元に、ポーランド人の執念によって町が再建されたそうです。


中に入ったことはありませんがオペラ座。以前来たときは、こんなちっぽけな町でさえ立派なオペラ座を持っているとは、やっぱりヨーロッパは凄い、と感心したのですが、実はヴロツワフはポーランド第4の都市にして、国で一番所得の高い都市だそうで、全然「ちっぽけな町」ではありませんでした。

9年前も感じたのですが、歩いていてアジア人に出くわすことが全くと言っていいほどありません。ここは近くに某日系最大手自動車メーカの工場があるので日本人居住者や出張者はそれなりにいてもおかしくないですが、夕食のレストランで一組だけ日本人らしき人を含むグループを見かけた以外は、白人ばっかりの町です。



メルヘンな町並みを象徴するかのように、こびとさんの像が町中至る所に置かれ、時間があれば探して歩くのもまた一興かと。他にもちょっとヘンなオブジェがいろいろありまして、


舌を出した熊さんの水飲み場。


美術館前にあった蛇男のモニュメント。


足下では人魚が悶えております。


大聖堂に向かって歩いていると駅舎のような特徴的な建物を発見。あれは市場に違いない。旅先で市場を見るのが趣味の私は、当然突入。


中に入ると、やっぱり市場でした。中くらいの規模です。いろんな種類のトマトがあり、美味しそう。ハンガリーでよく売っていた黒大根も久々に見ました。


旧市庁舎前広場の近辺も十分にヨーロッパの旧市街の雰囲気を持っていますが、ヴロツワフの本当の旧市街は大聖堂のあるOstrów Tumski(カテドラル・アイランド)で、その歴史は10世紀まで遡れます。かつてはオドラ川の支流に挟まれた中島だったそうですが、一方の支流が埋まってしまったので現在は島ではありません。


川を渡る橋にはびっしりと錠前が。永遠の愛を誓ってカップルが錠前をかける流行は、パリやローマにもありましたね。場所は忘れましたが、もちろん日本でも。


聖ヤン(ヨハネ)大聖堂はゴシック調の厳かな建物。極彩色のステンドグラスは精巧で見応えがありました。すっかり忘れていましたが、ここは9年前にもガイドツアーで確か見たはず。


同じく千年の古都であるブダペストのブダ側旧市街と裏通りなどはたいへんよく似ていますが、こちらのほうはずっと静かです。


ラツワヴィツェ・パノラマ美術館に閉館間際に飛び込みました。19世紀からある古いパノラマだそうで、ロシアの圧政に対して農民が蜂起し、ロシア軍に大勝した「ラツワヴィツェの戦い」を記念して設立されました。




360度のパノラマを真ん中の展望台から眺めるわけですが、台と絵の間には本物の土が盛られ、草木が植えてあり、木製の台車が置いてあって、どこまでが現実でどこからが絵画か、よくわからなくなるよう上手く作られています。一番下の写真も、右から2本目の細い木は本物です。オーディオガイドは日本語なんかないだろうと思って英語でお願いしたのですが、いろいろいじっていると結局日本語もありました。オススメです。


夕食は以前も行った旧市庁舎下のレストランを目指したのですが、回線の故障でクレジットカードが使えないとのことで、近くのPod Fredraというお店に急きょ変更。外からは見えなかったのですが、なかなか雰囲気の良い内装です。


前菜のヘリング(鰊)盛り合わせ。ポーランドは酢漬けのヘリングをよく食べるそうです。デンマークやスウェーデンのヘリングはどれもこれも味付けが甘いのであまり好きではないんですが、こちらのヘリングはしめ鯖に近く、気に入りました。


メインはダックのロースト。これはまあ、あっと驚く仕掛けもなく、普通でした。


ポーランドのプラムブランデーSliwowice、70度です。強いお酒が好きな私も、これには喉が焼けました。チェコにもハンガリーにも同様の蒸留酒はありますが、市販されてるのはせいぜい50度止まりです。さすが、95%のウォッカ(ほとんど純メタノール)があるポーランド。


これはポーランドの白ビール。チェコビールほどのコクはありませんが、ポーリッシュビールもなかなか美味しいものがあります。

9年ぶりのヴロツワフはあまり変わっておらず、短い時間でしたが懐かしく満喫できました。これで天気が良ければ、なおよかったんですがねえ。

ブダペスト祝祭管/フィッシャー/カピュソン(vn):ヴァイオリン三昧の夕べ2012/03/04 23:59


2012.03.04 Royal Festival Hall (London)
Iván Fischer / Budapest Festival Orchestra
Renaud Capuçon (Vn-2)
1. Brahms: Tragic Overture
2. Lalo: Symphonie espagnole
3. Rimsky-Korsakov: Sheherazade

昨年1月と9月のプロムスにもロンドンに来ているブダペスト祝祭管。来年4月にもRFHでコンサートが予定されており、欧州内ツアーを精力的に行っている様子です。昨年1月のRFHはハンガリーの大統領が聴きに来ていたり、地元のハンガリー人コミュニティによるボランティアが多数動員されていたりで、ハンガリー語がそこかしこで聞かれ、たいへん盛況だったのですが、それに比べると今年はせいぜい6〜7割程度の客入りで、ちょっと寂しいものでした。チケットも大幅に値上げしましたし、何もやらなかったらこんなものなんでしょうか。来年は気合を入れて集客しないといけませんね。

奏者のほうはそんなことお構いなしで、いつものように気合の入った濃密な演奏でした。指揮者が登場し(さらに頭が薄くなったかな?)、おもむろに始まった「悲劇的序曲」は、統率のよく取れたオケをフィッシャー色でぐいぐいと引っ張る、期待通りのクオリティの演奏。このオケの音はやっぱりロンドンのオケとは全然違って、何とも言えない滋味で統一感が取れています。今日のフィッシャーさんは一段とエグいドライブで、最後のほうでは「うがー」と大きなうなり声を上げながらラストスパートを畳み掛けていました。極めて真面目に取り組んでいながらも非常に個性的な、面白い演奏でした。

続くスペイン交響曲は一昨年テツラフのソロで聴いて以来です。カピュソンを聴くのは初めてでしたが、テツラフも凄かったけどこの人も天然でマジ上手いので、一時も目が放せませんでした。濃いアゴーギグを入れたり歌にコブシが入ったりするようなことはほとんどなく、まるで普通に息をするように、難しいパッセージをいともさらっと弾きこなしています。アクがないのは物足りないにせよ、透明感と気品を備えたたいへん良質のヴァイオリン。テツラフを超えるものはそうそうないだろうとあまり期待してなかったのですが、あにはからんや、全く別世界で至高の演奏を聴かせてもらい、お気に入りのヴァイオリニストがまた一人増えました。これだから演奏会通いは止められませんね。バックのオケも別段スペイン色を協調せず、ヴァイオリンに合わせた清涼感でソリストを上手に際立たせていました。

メインの「シェヘラザード」は、何故このオケのロンドン公演でこの選曲、という疑問もないではありませんが、相変わらず丁寧に作り込み、積み上げられた演奏。実はこの曲、私には鬼門で、毎回どうしても夢心地の世界に誘い込まれてしまいます。今日も途中から所々意識が飛んでいるのですが、それは差し引いても、コンマスのソロ、木管、ホルンがどれも音程が合わずピリッとしない場面が見られました。どんなコンマス(女性なのでコンミス)でもカピュソンの後でソロを弾かねばならないのは、ちと気の毒でしょう。聞けば前々日にベルギーのブルージュで演奏会、前日の昼までブルージュに留まりリハーサル、夕方ロンドンに移動して、日曜日の昼はまたリハーサルというけっこう詰まったスケジュールだったそうで、ツアーの疲れが出たんでしょうか。フィッシャーの加速にオケがついていけてない箇所もありました。本日の仕掛けはハープを指揮者の真横に置いたことくらいでしたが、ヴァイオリンとのバランスが良くてこれはなかなか効果的。アンコールはエルンスト・フォン・ドホナーニ(クリストフのじいちゃん)の小曲で軽く締めました。


手前がハープのポローニ・アーグネシュさん。


左はコンミスのエッカルト・ヴィオレッタさん。

麺屋一点張(ラーメン)2012/03/08 23:59

先週オープンしたばかりのラーメン専門店。ラーメン不毛地帯のロンドンにもようやくまともなお店が出来るのか、と高まる期待の中、すでにほうぼうで噂になっているようです。

ITTENBARI Japanese Fine Ramen and Sushi Bar
84 Brewer Street, London W1F 9UB
Tel: 020 7287 1318
http://www.ittenbari.co.uk/

急に思い立って娘を引き連れ行ってきました。混むかと思って夕方早い時間帯に行けば、まだけっこう空いてました。

現在、ラーメンの味は塩と醤油の2種類。そのうち味噌も加わるみたいです。料金は各々レギュラー£8.90、デラックス(チャーシュー・味玉増量)£10.90。餃子、唐揚げは各々£5.00でした。


塩のレギュラー。


こちらは醤油のレギュラー。

見た通り、至ってシンプルなラーメンです。具はチェーシュー、味玉(半個)、刻み青ネギ、メンマ、揚げ玉ねぎに、最初から胡椒が降り掛かっています。鶏ガラベースのあっさりとしたスープは、病み付きになるような麻薬力はありませんが、真面目に作ってある滋味深いスープです。この店の基本は塩だそうですが、多少濃厚な醤油のほうが私には好みかな。

ちょっと残念だったのは麺。柔いし、質も普通です。麺にはこだわりを感じることは全くできませんでした。とは言え、ロンドンの他のラーメン(とも呼べないシロモノ)に比べたら十分及第点はあげられるジャパニーズ・ラーメンです。柔いのは、もしかしたら現地人の好みに合わせているんでしょうか。

ロンドンに出店してきてくれた勇気と決断には大賛辞を送りたいです。ただ、もしデュッセルドルフの匠がロンドン市内に支店を出してきたら、麺の点でもスープの点でも、やっぱり匠のほうに通ってしまうかな。一点張の進化(特に麺)に期待したいところです。

OLIVO(イタリアン・サルディーニャ料理)2012/03/13 23:59


ヴィクトリア駅近くのイタメシ屋。イタリアンの中でも特にサルディーニャ料理専門ということで、海産物を中心に独特のメニューです。


40席くらいのそんなに広くない店内はずいぶんとカジュアルな雰囲気。


パパドゥみたいに平べったいパンはサルディーニャローカルのCarasauというパンだそうです。他のパンも、どれも美味でした。

食前酒はオススメに従いVernaccia di Oristanoというサルディーニャ産のワインを。独特の香りはたいへん懐かしく、これはハンガリーのTokaji Szamorodni szárazと同系統のワインですね。味もそっくりでした。


本日はこれを食べるために来たと言ってよい、ボッタルガ(カラスミ)のパスタ。サルディーニャ産のカラスミをクリーム仕立てのソースにして、削ったカラスミを散らして、さらにスライスまで乗っています。期待した以上にカラスミがふんだんに使ってあり、細麺のスパゲッティーニはきっちりアルデンテでゆで上がっていて、たいへん満足のいく一皿でした。


このカラスミパスタ、私は前菜として取りましたが、妻がメインディッシュとしてオーダーしたのが上の写真。大きい皿に盛り、ほんの少し量が増えていますが、茹で加減はちょっと甘かった(アルデンテをちょっと過ぎていた)とのこと。こいつは前菜で取るのが吉のようです。


バッファローモツァレラと炭火焼パプリカのマリネの前菜。普通はトマトやプロシュート(生ハム)と合わせますが、この取り合わせもあっさりとしていて良いです。


仔牛レバーの炭火焼、インゲン添え。イタリアンらしく素材の味そのままに、レモンでさっぱりといただきます。本来はコテコテとしたソースのほうが合うかもしれませんが、仔牛なのでレバーの臭みがなく、1枚くらい軽くペロっといけます。


デザートで取ったサルディーニャ産チーズの盛り合わせ。ペコリーノのクリームおよびハードチーズ、リコッタ、ブルーチーズが乗ってます。どれも美味しいのですが、私的にはもっとクセの強いチーズも一つは混ぜて欲しいところ。


ティラミスはボリュームがありました。あまりリキュールがきいていません。妻曰く、ベストのティラミスではない、とのこと。悪くはなかったです。

食後酒にはMirtoという強いリキュールをオーダーしてみました。これは、ハンガリーの養命酒、ウニクム(Unicum)によく似てますね。マートル(日本語では銀梅花)の実から作るそうですが、いろんなハーブが一緒につけ込んであります。

私はサルディーニャに行ったことはありませんが、シチリアはあります。同じ南の島ですので、シチリアのローカル料理とよく似ているよう感じました。ディナーのメニューを見るとウニのパスタもあり、今度は是非夜に来てみたいと思います。

さてお会計ですが、ランチは2コースで£23.5、3コースで£28と少々高めです。MayfairやKnightsbridgeの高級イタリアン並みですが、ぶっきらぼうな店の内装からするとずいぶん強気の値段でしょう。水、ワイン、コーヒーなども頼んでいると、結局二人で100ポンド、贅沢なランチになってしまいました。あまり頻繁に来れるところではありませんが、日本人の口に合うロンドンの美味しいイタリアンとして、ここはオススメできると思いました。

Olivo
21 Eccleston Street, London SW1W 9LX
Tel: 020 7730 2505
www.olivorestaurants.com


フィルハーモニア管/サロネン/ハーグナー(vn):カラッと明るい「英雄」2012/03/15 23:59

2012.03.15 Royal Festival Hall (London)
Esa-Pekka Salonen / The Philharmonia Orchestra
Viviane Hagner (Vn-2)
1. Beethoven: Symphony No. 1
2. Unsuk Chin: Violin Concerto
3. Beethoven: Symphony No. 3 (Eroica)

ベートーヴェンの交響曲は「第九」以外、わざわざそれを目当てにチケットを買うことがないので、2003年に「備忘録」を書き始めて以降、未だに聴いてない番号がいくつもあります。中でも「英雄」は元々苦手中の苦手であるため、前に実演で聴いたのはそれこそ30年ではきかない遥か昔、朝比奈/大阪フィルの演奏会で聴いたっきり、ずっと避けてきました。しかし、苦手な曲もトッププロの演奏で聴いたら印象が変わるかもしれないなー、とふと思い立ち、急きょ行くことにしました。まあ一番の理由は、ブダペスト祝祭管の後、珍しく3週間も演奏会の予定が入ってなかったので、こりゃーいかん禁断症状が出る、と思ったことなんですけどね。

ストールB列の席を買ったので前から2列目と思っていたら、A列が撤去されており、最前列で見ることになってしまいました。うーむ、ここだと第1ヴァイオリン以外は奏者がほとんど見えないなあ…。会場では内田光子さんが聴きにいらしてました。サロネン/フィルハーモニア管のベートーヴェンシリーズでは先日共演もしてましたし、ヴィヴィアン・ハーグナーはデュオのパートナーなんですね。


まずはチン・ウンスク。ロンドンに来るまでは全く知らない名前でしたが、ロンドンでは名前と顔写真を見る機会がやたらと多い女性作曲家です。2001年作のヴァイオリン協奏曲はハーグナー(この人は独韓ハーフなんですね)の独奏で初演の後、世界各国で再演され、テツラフなども取り上げているそう。最初、何だかよくわからない打楽器群が所狭しと並べてあったのが、俄然興味を引きました。チェレスタ、チェンバロがある上にさらに木琴、マリンバ、グロッケン、ヴィブラフォンといった鍵盤打楽器勢揃い、加えてオケには珍しいスチールドラム、鉄板(サンダーシート)、ドラム缶などが見え、相当賑やかなことになってました。後で調べたら、他にもリソフォン(石琴)、サンザ、ギロなどのエスニック打楽器もあったようで(気付かなかった…)、もはや無国籍を超えて無節操。曲は4楽章構成ながらも緩徐楽章のないハイカロリーの熱い曲でした。第1楽章はポリリズムのダイナミックな曲で、何かがもぞもぞと蠢くような生理に訴えるイメージです。変拍子、不協和音、無調のいわゆる「現代音楽」ではありますが、全編通して何かしらヴィジュアルなイメージを喚起するので、耳にすんなりと入ってきやすい曲調でした。そのヴィジュアルイメージは決してヨーロッパのそれではなく、アジア的なものを強烈に感じました。もっと言うと、自然の景観ではなくて、鈴木清順の映画のように人工的に着色された東洋の風景のイメージ。このわかりやすい個性はチン・ウンスクの不可換な魅力でしょう。ヨーロッパで人気が高いのもうなづけます。終演後にサロネンに呼ばれてステージに出てきたウンスクさん、50歳には見えない、写真通りのかわいらしい女性でした。ハーグナーと手を繋いで出て来た女子ぶりが微笑ましかったです。

さて本題のベートーヴェン。古楽畑の人は言うに及ばず、ラトルみたいにモダンな指揮者もこぞってピリオド風の奏法を取り入れたりして、かつての巨匠の時代から比べると演奏様式がずいぶんと変わりました。若くてモダンで理屈をこねる人ほど、ベートーヴェンでは古楽器系アプローチにこだわったりするというある意味逆説的な流行になっているようにも思えますが、そこで私のイメージでは超モダンな指揮者、サロネンがいったいどんなベートーヴェン像を見せてくれるのか興味津々でした。まずオケはフル編成の現代オーケストラ、楽器も見たところ通常の現代のものでした。ティンパニがいつもと違う手回し式の小型のものでしたが、これとて見た目ピカピカで、バロック楽器とは言えないような。弦楽器の並び方もチェロを右に置くモダン配置で、奏者は普段の通りヴィブラートをかけまくって演奏していました。つまり、ピリオド系アプローチなどほとんど気にしない、あくまで普段着の自然体演奏だったのでちょっと拍子抜けしました。テンポも最近の傾向であるせかせかした速さではなく、速すぎず遅すぎずの中庸路線。「英雄」の第2楽章、有名な葬送行進曲などはバーンスタイン並みに遅いテンポでじっくりと歩みますが(このかったるさがこの曲の特に苦手な部分なんですが)、全体的な印象はカラッと明るい、スカッと晴れやか、後腐れのないベートーヴェン。サロネンならもっと理詰めで窮屈な演奏に持ってくるかと想像していたのですが、どういうベートーヴェン像を描き出したかったのか、拘り所がよくわからなかったです。意外とあまり深い考えはなく、ただ朗々と気持ちの良いベートーベンをやってみたかっただけなのかも。それはそれで十分納得できる話です。これで「英雄」の印象が変わったかというと…。演奏し甲斐のある難曲で、さすがにファンが多いだけあってなかなかかっこいい部分もある曲だというのはわかりました。好きになれるまでには、もっと修行を積まないといけませんねー。

今年最初のフィルハーモニア管でしたので、久々に見たフィオナちゃんは相変わらずのツンデレ系(デレのほうは見たことないので単なる想像ですが)。ホルンのケイティちゃんはメンバー表にはありましたが姿は見えず、残念。今日の発見は、ライブラリアンの女性がなかなかの美人だったこと。やっぱりこのオケは見応えがありますね!(何が?)いい味系ティンパニの大御所アンディ・スミスさん、今日はベートーベンでは手回しの旧式小型楽器を使用。ピリオド系で硬質な音を出すためかと思いきや、LSOのトーマスさんほどの突き抜けた固さはなく、もう一つ中途半端な印象で、本領が発揮できてませんでした。この演奏だったらいつものモダン楽器でいつもの通りガツンとやったほうがよかったのではないでしょうかねえ。

キングス・クロス駅から2012/03/19 23:59


珍しくイングランドへの出張でした。キングス・クロス駅から列車に乗るのは初めてですが、何となくハリー・ポッターを想像して気分がハイになります。


この駅はリニューアル新装開店、なんだそうですが、その前を知らないのであまり感慨深いものは感じませんでした。私がロンドンに来たときにはこの駅はすでにそこら中で工事だらけでしたので。9 3/4ホームもへんぴな場所に移設されてましたし。


行き先はヨークシャーでした。泊まったホテルは上のようにレンガ造りの趣きのある建物。屋内も古い伝統的なスタイルだったので(要は穴だらけ)、夜中にネズミが出て来ないか、気が気ではありませんでした。

我が家は家族旅行というと「飲み食い」がメインイベントになるので、イギリス国内は検討の対象に上ることも実はほとんど皆無。泊まりの出張もまず無いので、イギリス国内でホテルに泊まるのは昨年夏のエディンバラ以来。朝食でキッパーを頼んでみると、キッパーだけが2切れポポンと皿に乗って出てきたのは、ちょっとたじろぎました。


帰りの列車を待つプラットフォームから見た風景。夕方にも見えますが、実は朝です。


高いビルもなく、本当にのどかなんですよねえ。

NAGOMI(和食・ラーメン)2012/03/20 23:59

先日開店したばかりの麺屋一点張は、再度行ってみましたら、麺が少し硬めに茹でてあったので、まあこれなら許せる範囲かな、あまり贅沢勝手なことばかり言っていてはいけないのかな、と思い直しました。あらためて思いましたがスープはよく出来ているので、皆様もまずはお試しください。

さて、ロンドンで他にラーメンはないものかと思って評判を探り、見つけたのがNAGOMI。時間があったのでちょっと行ってみました。12時ちょっと過ぎに入ったのですが、店内はすでにほぼ満席、人気のお店のようです。ラーメンは醤油と豚骨から選べます。豚骨を頼むと、麺は細麺か太麺かと聞くので、豚骨と言ったら細麺に決まっとるばい、と細麺を選択。お昼のラーメンセットは他にお茶と揚げ餃子がついてきます。〆て12ポンド也。


豚骨ラーメン、英語メニューでは“soup made from pork and chicken”と書いてあったのでそんなに期待はしてなかったのですが、見た目は白濁スープながら、豚骨臭さは一切なく、何のスープか実際よくわからず。最初から胡麻と胡椒をたっぷり入れてあるので、正直、味がごまかされています。量は、桂花のこたろうめんよりも少ないくらいの少量でした。麺は一応博多風の細い麺でしたが、カタメン、バリカタ、など、茹で加減なんかここで議論してもしょうがないかな、と最初から諦めモード。

別に、こんなもんはラーメンじゃねえ、とちゃぶ台ひっくり返すようなものではありません。しっかり最後までいただきました。ロンドンというラーメン不毛地帯の環境の中では、何とかマトモなモノを作っていると言えるかもしれません。SetoやWagamamaよりははるかにましです。しかし、スープも麺も、課題に正面から向き合わない逃げの姿勢があからさまに感じられて、私は好感を持てませんでした。ここはあくまで和食がメイン、ラーメン屋さんではないから、それもいたしかたなしかな、と。

サンクトペテルブルグフィル/テミルカーノフ/ヴェンゲーロフ(vn):名手、復活!2012/03/24 23:59


2012.03.24 Barbican Hall (London)
Yuri Temirkanov / St Petersburg Philharmonic Orchestra
Maxim Vengerov (Vn-1)
1. Prokofiev: Violin Concerto No. 1
2. Shostakovich: Symphony No. 7 ‘Leningrad’

ロシアの名門、私の年代だったら「レニングラード・フィル」と呼ぶほうがしっくりときますが、生演を聴くのは初めてです。ロシアのオケを劇場ではなく演奏会で聴くのも、よく考えたら初めてかも。当初はアルゲリッチがソリストの予定でしたが、曲目がずっとTBCになっていたのでこりゃー今回も危ないなと思っていたら(彼女には過去2回キャンセルを食らっていて未だ聴けず)、1ヶ月前になってようやく想定通りソリスト変更と曲目のお知らせが。ところが代役のソリストは大方の人の想定を超え、マキシム・ヴェンゲーロフというサプライズでした。10代から類い稀なる技巧派ヴァイオリニストとして一世を風靡していたものの、肩の故障が原因で2008年に34歳の若さでヴァイオリン演奏活動からの引退を表明。以後は指揮と教育活動に専念していましたが、待望の声に応えてか昨年から徐々に演奏活動を再開し始め、この日がイギリスでの本格的復帰コンサートということになりました。ヴェンゲーロフはブダペストに住んでた頃に一度来たのですがチケットが買えず、結局聴けずじまいだったんです。アルゲリッチのキャンセルは残念ですが(もう演奏活動は期待できないんでしょうか)、ヴェンゲーロフは思わぬ拾い物でした。

颯爽と登場したヴェンゲローフは、意外と小男。昔の写真からはだいぶふっくらとしました。プロコフィエフのコンチェルト第1番、私は霧の中からヴィーナスがしなりしなりと現れて心かき乱すかのように、幻想的、女性的なイメージがあるのですが、ヴェンゲーロフは男らしくすぱっと切れ味の良い演奏。のっけから流麗ながらも線の太いヴァイオリンは、ただの技巧派ではないことをありありと感じさせます。ずっと目を閉じながら、あまり身体を揺さぶらずに、ほとんど右手の動きのみでダイナミクスを出すタイプのようです。実際演奏中に切れた弓の毛を何度も引きちぎっていましたし、右手の圧力は相当なもので、右肩を痛めてしまったのはこのせいかなあと。途中ちょっとチューニングが狂ったりもしましたが、透き通るハイトーン、鋭く切り込むフレーズ、正確無比な高速パッセージはさすがヴェンゲーロフの名に恥じないもので、懐の深さを顕示していました。痛める前を知らないのでアレなのですが、全盛期はさぞ凄かったのだろうと確信持って想像できますね。おそらく肩はもう完治はしていて、後は無理のないペースで力をセーブしながら、指揮者との両立でやっていくつもりなんでしょう。鳴り止まない拍手に応え、アンコールはバッハのサラバンド。叙情的表現力も衰えていないところを見せつけました。


メインの「レニングラード」は冗長なのであまり好んでは聴かない曲なのですが、最近予習も兼ねて車や電車の中で繰り返し聴いていると、バルトークも茶化して自作に引用した第1楽章の「ちちんぷいぷい」行進曲が耳から離れなくなり、その麻薬性にヤラれてしまいました。ここを筆頭にロシアのオケはどこもソ連崩壊後に実力が著しく劣化したとまことしやかに言われます。私の経験でもロシアの劇場付きオケはどこもひどいのばっかりで、今日もどうなることやらと不安半分だったのですが、どうしてどうして、腐ってもレニフィル、いたって優れた楽団でした。弦楽器、特に第1ヴァイオリンは素晴らしく統制が取れており、音がめちゃめちゃ奇麗。低弦も一体となってずっしりと下支えをします。ホルン8本、トランペット6本、トロンボーン6本+チューバと揃った強力ブラス部隊はちょっと反応が重く、引きずる傾向があったものの、北の大地で鍛えられた馬力と体力はさすがでした。向かって右端に金管、左端に低弦とすっぱり分けた音響効果も功を奏していました。欲を言えば木管の音にもうちょっとデリカシーがあれば良かったかなと。第1楽章の要である小太鼓はだいぶ苦しそうで、音符を落とさないだけでせいいっぱい、リズムの牽引車となるまでは至りませんでした。そりゃーそうですわ、私だって自分が楽団員だったら「ボレロ」以上に苦行のようなこの曲は絶対にやりたくないですもん。

テミルカーノフは指揮棒を使わず両手両腕を駆使して即物的に音楽をまとめていきます。無愛想加減がいかにもソ連、東欧の指揮者という感じ。恣意的な色付け肉付け一切なしの質実剛健な演奏は、巨大な建造物を描き出すには適していましたが、無駄に長いというこの曲の特徴というか弱点もさらけ出していました。途中の退屈を何とか抜け切り、コーダはもちろん爆音でこれでもかと盛り上がって、終ってみればやんやの大喝采、お義理じゃない本当のブラヴォーの嵐でした。アンコールはエニグマ変奏曲の「ニムロッド」。ロイヤルフィルの首席指揮者も勤めていたテミルカーノフはさすがにロンドンの聴衆の心の掴み方を知っていますね。


翌日25日は久々のフリューベック・デ・ブルゴス指揮でLSOの演奏会が入っていましたが、ソリストのユジャ・ワンが病気のためキャンセル。代役はアリーナ・イブラギモヴァという、まさにこの日と同じくピアノ→ヴァイオリンへの変更だったため、曲目もバルトークのピアノ協奏曲2番からメンデルスゾーンのVn協奏曲に変更となりました。この演奏会、私はバルトークが聴きたかっただけなので、まだ聴いたことがないアリーナにも後ろ髪は引かれましたが、このところ仕事が立て込んでいることもあり、連チャンはやめとけという天の声だろうと、チケットリターンしました。ちょっと残念。

ロイヤルバレエ:不思議の国のアリスの冒険2012/03/26 23:59


2012.03.26 Royal Opera House (London)
Royal Ballet: Alice’s Adventures in Wonderland
Barry Wordsworth / Orchestra of the Royal Opera House
Christopher Wheeldon (Choreography)
Lauren Cuthbertson (Alice)
Federico Bonelli (Jack/The Knave of Hearts)
Edward Watson (Lewis Carroll/The White Rabbit)
Laura Morera (Mother/The Queen of Hearts)
Christopher Saunders (Father/The King of Hearts)
Steven McRae (Magician/The Mad Hatter)
Eric Underwood (Rajah/The Caterpillar)
Philip Mosley (The Duchess)
Ricardo Cervera (Vicar/The March Hare)
James Wilkie (Verger/The Dormouse)
Kristen McNally (The Cook)
Ludovic Ondiviela (Footman/Fish)
Kenta Kura (Footman/Frog)
Leanne Cope, Samantha Raine (Alice's Sisters)
Michael Stojko (Butler/Excutioner)
James Hay, Dawid Trzensimiech, Valentino Zucchetti (The Three Gardeners)
1. Joby Talbot: Alice’s Adventures in Wonderland

今週から夏時間になり、「日の長いヨーロッパ」がまだやってきました。

昨年見れなかったロイヤルバレエの新作「不思議の国のアリスの冒険」、実は来月の公演のチケットを取っていたのですが、出張が入ってしまったので急遽他の日はないかとチケットを探し、全公演ほぼソールドアウトの中、運良くポコッと出てきた1枚をゲットすることができました。隣席のおじさんがリターンをしたそうで、「君はラッキーだ」としきりに言われました。

ディズニーの前まではアニメ化すら不可能と言われた原作の摩訶不思議な世界を、どう舞台に乗せるのかが肝だと思いますが、前半は半透明のスクリーンに映し出す映像を多用して、不思議の国に落ちていく場面(落ちていくアリスはマリオネットで表現)、ドリンクを飲んで大きくなったり小さくなったりする場面は、なかなかよく練られてうまくできていると感心しました。肝心の振り付けは、うーん、昨年のプレミエではコアなバレエファンからの評判があまり芳しくなかったようですが、私はそんなに深く踊りを見ているわけではない(その素養もない)ので、パフォーマンスとしては十分楽しめました。アリスもマッドハッターもハートの女王も、やっぱりただの演技やマイムだけだったら楽しさ半減で、ダンスがあってこその舞台だった、とも言えますし。

初めて見るアリス役のカスバートソンは初演のAキャストで、DVDでも踊っているので、誇りを持って自信たっぷりに演じ尽くしています。顔はちょっとオバン臭い(失礼!)ですが、体格がよく、一つ一つの仕草が上手くて存在感あるダンサーだと思いました。第1幕のかけっこする場面、追い抜かれていく様子をポワントの後ずさりで表現したのは「おー、ムーンウォークの原点はこのワザだったか」と慧眼しました(笑)。マクレーのマッドハッターは、昨年の評判を聞いてか、さすがの大人気。生で見る彼のタップダンスは確かにかっこいい!ただDVDで見た印象と比べると意外とハジケてなく、マッドさが足りなかったような。ちょっとお疲れ気味かな、と思ってしまいました。


第2幕が終ったところの幕間では、巨大な斧に「INTERVAL」の文字が。第3幕開演前にはちゃんと「ACT III」と表示が変わっていました。

展開の速い第1幕に比べて、第2幕と第3幕の後半はちょっとダレる気がします。第3幕の「眠れる森の美女」のパロディには大笑い。ハートの女王はここまでほとんど踊りがなく、満を持してのステップです。モレラはこういうコミカルでアブノーマルな踊りが真骨頂(と言ったら失礼かな)で、本当に上手かったのですが、やはり背が低いのが残念でした。ここの場面はヤノウスキくらい長身の人のほうが絶対に映えるのは、仕方がないところ。

脇役、その他大勢にも知った顔がたくさんあり、ダンサー大動員、正に総力を挙げて取り組んでいる気合が伝わります。大人も子供も楽しめる良質のプロダクションだと思います。是非定期的に舞台に乗せ、進化させて行って欲しいですね。


クレジットはされていませんでしたが、6番は小林ひかるさん、7番はチェ・ユフィちゃんですね。あらたまって見ると、頭の上の数字は間抜けだ…。


大人気、マクレーさんのマッドハッター。


ボネッリのジャックも初々しくて良かったです。

デュッセルドルフのラーメン「なにわ」2012/03/28 23:59

先月も行ったばかりですが、今月もデュッセルドルフへ出張。デュッセルと言えば、ラーメンのために出張していると言っても過言ではありません(おいおい)。それは冗談としても、今回ちょっと当てが外れて空き時間がいっぱいできてしまったので、ここぞとばかりにレッツゴーです。

いつもの「」は当然行くとして、今回は久しぶりに老舗の「なにわ」にも足を伸ばしてみました。過去に一度だけ行ったことがあり、そのときは「ローカライズが進んでいる」という印象があったので、それ以降どちらかというと「匠」をひいきにしていました。また、私は何故かデュッセルの出張は火曜日に行くことが多く、生憎なにわは火曜が定休日なのでなかなか行く機会がなかったというのが足が遠のいていた本当の理由です。

なにわはいつも混んでいます。外のベンチシートに順序よく座って待っているのが、ヨーロッパでは新鮮です。ここはラーメン屋というよりは「日本の中華食堂」といったほうが店のイメージを掴みやすいです。定食や丼ものが豊富にあり、運ばれてる皿を見たところどれも美味しそう。しかし私のターゲットはラーメン。ここは涙を飲んでラーメンを注文。


普通の醤油ラーメンに味玉、ワカメのトッピングです。見た目は正直イマイチなんですが、スープが匠とはまた系統の違う美味しさで、絶品。麺は中太のストレートで、しっかり腰があってこれまたポイント高。この麺、日本でも食べたことがある気がするんですが、どこだか思い出せません。何にせよロンドンでは望めるべくもないホンモノのラーメンに、降参するしかありませんでした。


別の日に特選醤油ラーメンも試してみました。何が特選かというと、メンマの代わりに白菜豚バラ炒めが乗っているわけですが、これなら普通のラーメンで十分かなと。あと、この日は味が薄めだったので、日によってスープのバラツキがけっこう大きいのかもしれません。

日本人ももちろん多いですが、ローカルのドイツ人もカウンターに座って黙々とラーメンを食べていて、地域にすっかり定着しているのがわかります。定食、一品ものが充実していて、ラーメンは塩・醤油・味噌以外にも担々麺とか「タイカレーラーメン」とか「マーボーラーメン」などの変化球も多数メニューに載せていることが、ある意味ラーメン屋としての「格」を落としめている気がしてならないですが、ここはいわゆる「ラーメン屋」というカテゴリーとは違うのかもしれませんね。

味の系統が全然違うので、その日の気分によって「匠」か「なにわ」か選べるこの環境は、掛け値なしにうらやましいです。加えて匠は餃子も美味しいですし、なにわは定食、丼が充実している。もし単身赴任だったら毎日でも通いそう。


デュッセルの一日のシメは、いつものごとくシューマッハーのアルトビアで。気を抜くとどんどんおかわりを持ってくるので、油断なりません。前に小銭が足りなかったとき、負けてもらった借りがあるので、ここに来るとつい飲み過ぎてしまいますが…。