ロイヤルバレエ:不思議の国のアリスの冒険2013/03/15 23:59

2013.03.15 Royal Opera House (London)
Royal Ballet: Alice’s Adventures in Wonderland
David Briskin / Orchestra of the Royal Opera House
Christopher Wheeldon (Choreography)
Sarah Lamb (Alice) Federico Bonelli (Jack/The Knave of Hearts)
Edward Watson (Lewis Carroll/The White Rabbit)
Zenaida Yanowsky (Mother/The Queen of Hearts)
Christopher Saunders (Father/The King of Hearts)
Alexander Campbell (Magician/The Mad Hatter)
Eric Underwood (Rajah/The Caterpillar), Gary Avis (The Duchess)
Ricardo Cervera (Vicar/The March Hare), James Wilkie (Verger/The Dormouse)
Kristen McNally (The Cook), Ludovic Ondiviela (Footman/Fish)
Kenta Kura (Footman/Frog), Leanne Cope, Beatriz Stix-Brunell (Alice's Sisters)
Philip Mosley (Butler/Excutioner)
James Hay, Dawid Trzensimiech, Valentino Zucchetti (The Three Gardeners)
1. Joby Talbot: Alice’s Adventures in Wonderland

ロイヤルバレエ団20年ぶりの新作フルレングスバレエとしてお披露目も華々しかった「不思議の国のアリス」も、早3シーズン目。今年の日本ツアーにも持って行くくらい、自信の定番レパートリーとして急速に定着しつつあります。プレミエの年は見れず、去年Aキャストで2回見たので、これで3回目ですが、考えたあげく、やっぱり今年もAキャストの初日狙いにしました。しかーし、蓋を開けてみたらタイトルロールのカスバートソンがラムに交代、さらには何よりショックなのがマッドハッター、マクレー様の降板…。妻号泣。去年降板で見れなかったヤノウスキーがちゃんと出てきてくれたのが救いでした。

去年とは振りや演出が変わっている箇所がいくつかあるような気がしたので、毎年毎回いろいろと修正を加えながらブラッシュアップしているのでしょう。当たり役のカスバートソンも可憐なアリスでしたが、純白人系ドールのような可愛さではラムはむしろその上を行くと思います。ミックスビル以外でラムを見るのは初めての気がするんですが、テクニックや演技力を大仰に誇示するのではない、コンパクトで無駄のない造作が好ましいと感じました。ヤノウスキーはさすがに役者で、エキセントリックかつコミカルな役所でありながら、わざとらしさを一切感じさせないナチュラルな表情とダンスでそれを表現し切ったのは全く素晴らしい。初演のメインキャストという強みもあるのでしょうが、やはりこれを見てしまうと、昨年のモレラはずいぶん無理な誇張をしたキャラクター作りだったのかなあと思ってしまいます。だからダメだというのではなくて、多分子供の観客にはモレラのほうがよりカトゥーニッシュでウケるかもしれません。マッドハッターのキャンベルは、残念ながら、とても残念だったとしか言いようがありません。やはりマクレーのタップダンスは特異な才能なのだなとあらためて思い知りました。この演目、まずは何よりマッドハッターのキャスティングをチェックしないといけないでしょう。

この演目はバレエ団総動員の賑やかさで、日本人メンバー(ユフィちゃん含む)も全員出ていました。初めて見る東洋系の若い男の子がいたのですが、それが噂のアクリ・ルカ君でしょうか?




6番ひかるさん、7番ユフィちゃんは今年も変わらないようです。そう言えば、ボネッリとひかるさんはペアで踊ることはないものの、しょっちゅう夫婦共演してますね。


ユフィちゃんと平野さんは最近よく組んでます。も、もしや…。


ラムとボネッリのさわやかペア。


指揮者のブリスキン。気を抜くとすぐにとろけてしまうオケを手堅く引き締めていました。


大人気のヤノウスキー。



カーテンコールの後、再び幕が開き、今月でROHのチーフ・エグゼクティブを退任してBBCに戻るトニー・ホール氏の記念レセプションがありました。