ウィーンの白アスパラ 20122012/05/05 23:59

ウィーン旅行記の続き。昨年同様、この時期ウィーンに来た最大の目的はシュパーゲル(白アスパラガス)を食べることです。日本に帰ったらまず食べることはないだろうから、毎回「今年が最後かも」と言いつつ旅に出ていますが、なんだかんだで今年も食べてます…。



まず最初はAugustinerkeller、アルベルティーナ美術館の下にあります。夏は外の路上にもテーブルが出ますが、セラーの中のほうがよい雰囲気です。


ハムを添えた上品な一皿。ホイップして非常にフォーミーなオランデーズソースが別に添えてありました。ゆで加減はシャッキリしてOK、ただちょっと細めかな。



去年も来たFiglmüllerは、相変わらずいつも人が並んでいる人気店。ここではザンダー(カワスズキ、pike perch、ハンガリー語ではfogas)のグリルを添えてみました。オランデーズソースがこってりとして、アスパラが太かった。やはり白アスパラは太モノのほうが味が良いです。


このお店の名物でお客のほとんどが注文するのが、皿からはみ出るウィンナーシュニッツェル。ここのは仔牛ではなくポークですが、これだけ数がでるのなら、いたしかたないでしょう。皿からはみ出ると言っても、かなり薄く叩きのばしていますし、わざとはみ出るようにそもそも皿が小さめになってます。うちの娘でもペロリと食べられる量です。



歩いていてふと目に止まったので今回初めて入ってみたのがZum Weissen Rauchfangkehrer。「白い煙突掃除屋さん」という意味で、名前の通りの看板が出ています。


店内は鹿の角が飾ってあり、クラシックな雰囲気。


窓辺に飾ってある花もお洒落です。


お店はちょっと高めです。前菜で出てきた白アスパラのマリネ、春巻き添え。


シュパーゲルのオランデーズソースは太めのものが6本も。見た目も奇麗で、上品な味のソースでした。


シュパーゲルのリゾットにもふんだんに白アスパラが入っていて、上からコンソメゼリーのシートが被せてあったりして、贅沢〜。これは他の店ではなかなか巡り会えない一皿でした。



続いて、楽友協会からの帰りに軽く食べたのは、Café Museum。ここにもこの季節はシュパーゲルがあります。カフェなのでそれほどこだわりがあるわけではなく、まあ普通でした。



最後は、ホテルにグラスワインのバウチャーがあったので行ってみたZwölf-Apostelkeller。古いタイプの地下セラーで、夜にはジプシー楽団の生演奏が入る観光客向けのお店でした。ここは残念ながら、シュパーゲルはスープとマリネのサラダしかありませんでした。


ただしここのシュニッツェルはオーセンティックに仔牛なので好感度大。ポークのシュニッツェルもあったので両方頼んで食べ比べてみたら、あたり前ですがやっぱり仔牛は牛肉の味、ポークとは全然違いますね。ポークに食べ慣れていると本当の味を忘れていた気がします。

演奏会レビューを消化するのにヒーヒー言ってますが、ウィーン旅行記もまだちょっと続く予定です。

リンツ・ブルックナー管/D.R.デイヴィス@ウィーン楽友協会2012/05/05 23:59


2012.05.05 Musikverein, Grosser Saal (Vienna)
Dennis Russell Davies / Bruckner Orchester Linz
1. Mozart: Maurerische Trauermusik, KV 477
2. R. Strauss: Also sprach Zarathustra, Op. 30
3. Haydn: Symphony No. 86 in D major

バンクホリデー休暇のウィーン小旅行中に何か演奏会はないかと探したところ、オペラ座はすでに席なしだったけど、楽友協会で「ツァラ」を発見。デニス・ラッセル・デイヴィスとリンツ・ブルックナー管はまだ聴いたことがないし、チケットも安めだったのでこれに決定。聴衆はほとんど観光客という感じで、ゴールデンウィークということもあってか日本人も多数来ていました。


楽友協会大ホールのきらびやかさはやっぱり別格で、ここにまた来れた喜びも相まって、思わずため息が出ます。ただ、ウィーンの聴衆マナーは相変わらずで、演奏中の咳がうるさいこと。演奏中にバシャバシャとシャッター切る人もたくさんいましたが、極めつけは音楽が始まってもまだ高々とiPadを担ぎ上げ、内蔵カメラで写真を撮ってたヤツ。羞恥心はないのだろうか。もし自分が後ろの席だったらブチキレてますなー。

写真で見たデイヴィスはエッシェンバッハそっくりの風貌ですが、眼鏡をかけた実物はもっと温和な雰囲気でした。1曲目の「フリーメイソンのための葬送音楽」は非常にソフトなタッチの弦で開始し、ちょっとピリオド系が入った軽いビブラートでなかなか統率の取れた合奏を聴かせました。そのまま切れ目なく「ツァラトゥストラかく語りき」に突入。トランペットは一昨年のLSOのように豪快に外すことなく持ちこたえていましたが、ティンパニは派手な動作にしてはロールとシングルの繋ぎがどうもぎこちない。ここのホールのオルガンを聴くのは初めての気がするので、イントロはまあまあ感動的でした。その後はちょっと流れの悪い展開で、ソフトタッチなのはいいけれど、どうにもドライブ感がありません。普段ブルックナーを得意とするオケにしては、管楽器と低弦はパワー不足だなあと思いました。前半の最後、冒頭のド・ソ・ドをフル編成で総奏してブレイクする箇所で、指揮者がちょっと長めのパウゼを入れたので、今日の客ならここで拍手が起こらないかとヒヤヒヤしましたが、幸いそんなことはなく速やかに後半に突入。後半の鬼門、トランペットのオクターヴ跳躍は無難に切り抜けていました。と思ったら、その後のヴァイオリンソロは外しまくりでちょっといただけなかった。コンマスさんがこのレベルでは、オケ全体のレベルも疑われてしまいます。全体的にフォーカスが定まらない演奏で、「ツァラ」をやるにはちょっとオケが迫力不足、ホールの音響とオルガンに何とか助けられたという感じです。

うーむと思いつつ、気を取り直して後半のハイドンへ。これは小気味のよい好演でした。デイヴィスは元々は現代音楽寄りの人だったようですが、ブルックナー全集のほか、ハイドンの交響曲全集というなかなか敢行できる人が少ない仕事も成し遂げていて、面目躍如の本領発揮という感じでした。楽器はモダンですが軽めのビブラートをかけた準ピリオドスタイルの演奏は、昨今ではどこでもそんな感じなので差別化が難しく、個性はよくわからなかったものの、前半のシュトラウスよりはずっとハマっていました。アンコールではネタがなかったのか、終楽章の後半部分をもう一度演奏しました。しかし、このコンビがもしロンドンにやってきても、あえて再び聴きに行くことは、多分ないかも。