4月29日および5月8日にLSOを振るはずだったピエール・ブーレーズ御大が目の不調のためキャンセル、というメールが来ました。ブーレーズは久々だったのでたいへん残念ですが、代役はエトヴェシュ・ペーテルとのこと。正直がっくり来たのは、ブーレーズ→エトヴェシュの知名度落差以上に理由があります。
実は6月のダイアモンドジュビリーのころ、喧噪を逃れてフィレンツェに旅行に行く予定をしていて(非国民です、はい)、その時期たまたまフィレンツェ歌劇場でサイトウキネンフェスティバルと共同製作の「中国の不思議な役人」「青ひげ公の城」2本立をやることを知り、延髄反射でチケットを買いました。小澤征爾を見るのは実に17年ぶり、多分最後のチャンスだろうから楽しみにしていたのですが、ご存知のように小澤さんは今年いっぱいの指揮活動を全てキャンセルしてしまいまして、代役として呼ばれたのが他ならぬエトヴェシュ…。
エトヴェシュは何度も聴いていて別に嫌いではないし、確かにバルトーク、シマノフスキ、スクリャービンといった東欧系の曲を急きょ代役で振れる人もそうそういないのは理解できるんですが、こんなにことごとく「エトヴェシュずくし」では、それでチケットに同じ金額を払うのかと、釈然としない気持ちが残ります。どんだけヒマなんだ、ペーテルさんよ…。曲目変更しない限り、まあリターンはしませんが。ブーレーズ〜〜。オザワ〜〜〜〜。(心の叫び)
こういう出演者交替は、代役の人には申し訳ないですが、やっぱり悔しいですよね。先日のアルゲリッチもそうでした。
ブーレーズは、もう目が見えなくなっているそうです。最近ロンドンで自作を振ったときもスコアが読めず、しかも(自作であるにもかかわらず)暗譜で振るには音楽が複雑すぎて、直前まで演奏会をキャンセルするかどうかという状態だったようです。自作以外はまだ暗譜で振れると聞いていたのですが、それも難しくなってきたのかも知れません。一つの時代が終わっていくようで、少し寂しいです。
そんなんですよ。スケジュールをやりくりして代打に出て来てくれる人には敬意を忘れてはいけないとは思います。けど、やっぱりガックリくるものはくるんで、愚痴の一つも言いたくなりますわ。ブーレーズがそんな状態だとは知りませんでした。とすると、もう演奏活動からは引退なんですかねえ。長く第一線で活動してきた人だけに、残念ですね。
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ブーレーズは、もう目が見えなくなっているそうです。最近ロンドンで自作を振ったときもスコアが読めず、しかも(自作であるにもかかわらず)暗譜で振るには音楽が複雑すぎて、直前まで演奏会をキャンセルするかどうかという状態だったようです。自作以外はまだ暗譜で振れると聞いていたのですが、それも難しくなってきたのかも知れません。一つの時代が終わっていくようで、少し寂しいです。