ボリショイバレエ:コッペリア2010/07/22 23:59




ROH

この夏のシーズンオフ、ロイヤルオペラハウスでは4週間にわたってボリショイ劇場(バレエとオペラ)の引越し公演があります。今週開幕したばかりですが、早速コッペリアの初日を見てきました。人気は高く、ほぼ満員の入りでした。

コッペリアはブダペストで見ているのでこれが2回目。DVDはロイヤルバレエ、キーロフ、ハンガリー国立の3種類を持っています。今回は右側Stall Circleの席だったのですが、幕が上がって早速後悔。コッペリアは舞台向かって右側の建物の2階にいるので(手持ちのDVDではどれもそうでした)、 右側の席だとコッペリアが全く見えない!配役表にタイトルロールがなかったのでもしやとは思いましたが、結局それがパペットを演じるバレリーナではなく正 真正銘の人形だと判別できるには2幕の終わりまで待たなくてはなりませんでした。コッペリアを見るときは右側の席を取ってはだめですね、貴重な学習をしま した。

全体としては、何と言ってもヒロインのオーシポワの魅力が炸裂していました。つま先に足の裏でも生えてるんじゃないかと思う程力強くて安定したポワン ト、高いジャンプ、しとやかな手先、小芝居の利く演技力、パペットの演技も完璧、美人な上に透き通るような白い肌、どれを取っても群を抜いて素晴らしかっ たです。相手役のスクヴォルツォフも若いわりに重厚感のある危なげない踊りでたいへん良かったのですが、第1幕後のカーテンコールでオーシポワにプイと肘 鉄を食らったのが象徴するように(これはまあ小芝居ですが)、終始ヒロインの尻にしかれ花を持たせる控えめな役どころがちょっと気の毒な気がしました。

このコッペリアは昨年プレミエの新プロダクションだそうですが、ベースはプティパ版のオーソドックスから踏み外さない全く古典的な演出で、その点安心し て見れました。ただ、1幕と3幕の延々と続く踊りは途中退屈し、朝から長時間運転していた疲れもあって何度か意識を失いました。オケはブラスがロシアのオ ケらしく音も演奏も荒っぽいのが多少気になりましたが、ドロノフのたいへん煽情的な指揮は、小気味よくリズム感溢れる音を導いておりました。

2010.07.22 Royal Opera House (London)
Bolshoi Ballet
Igor Dronov / Orchestra of the Bolshoi Theatre
Marius Petipa & Enrico Cecchetti (Choreography)
Sergei Vikharev (Revival Choreography)
Natalia Osipova (Swanilda), Ruslan Skvortsov (Franz)
Gennady Yanin (Coppelius), Alexander Fedeyechev (Lord of the Manor)
1. Delibes: Coppelia

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