ロイヤルバレエ/マルケス/マクレー:眠れる森の美女(最終日)2011/12/21 23:59


2011.12.21 Royal Opera House (London)
The Royal Ballet
Boris Gruzin / Orchestra of the Royal Opera House
Marius Petipa (Choreography), Frederick Ashton, Anthony Dowell,
Christopher Wheeldon (Additional Choreography)
Roberta Marquez (Princess Aurora), Steven McRae (Prince Florimund)
Gary Avis (King Florestan XXIV), Genesia Rosato (His Queen)
Alastair Marriott (Cattalabutte), Kristen McNally (Carabosse)
Itziar Mendizabal (Lilac Fairy), Ryoichi Hirano (Lilac Fairy's Cavalier)
Lara Turk (Crystal Fountain Fairy), Emma Maguire (Enchanted Garden Fairy)
Fumi Kaneko (Woodland Glade Fairy), Elizabeth Harrod (Song Bird Fairy)
Bennet Gartside (English Prince), Johannes Stepanek (French Prince)
Kenta Kura (Indian Prince), Thomas Whitehead (Russian Prince)
Sian Murphy (The Countess), Philip Mosley (Gallison)
Kenta Kura, Elizabeth Harrod, Lara Turk (Florestan and his sisters)
Liam Scarlett (Puss-In-Boots), Elsa Godard (The White Cat)
Yuhui Choe (Princess Florine), Alexander Campbell (The Bluebird)
Romany Pajdak (Red Riding Hood), Thomas Whitehead (The Wolf)
1. Tchaikovsky: The Sleeping Beauty

我が家の今年最後のオペラハウスは「眠れる森の美女」最終日。今回は前から興味のあったストール最前列ど真ん中の席で見てみました。確かに足ワザが見えにくかったり、指揮者が振り向くと目の前に顔があり驚きますが、舞台を見る上では指揮者はほとんど邪魔にならず、ダンサーに最も近い距離で見れるということで、マクレー様ファンの妻はいたく気に入った様子でした。

ロイヤルバレエの「眠れる森の美女」はけっこう古いプロダクションで、これが858回目の公演だそうです。パリあたりだと「田舎臭い」と一蹴されそうなオーソドックスな舞台でしたが、我々にはこういう古き良き香りのほうが好みです。原色を大胆にあしらったダンサーの衣装はカフラフルでたいへん華やか、これは田舎臭いどころかデザイナーの尖ったセンスを感じました。実は生まれて初めて見たバレエの舞台は「眠れる森の美女」だったのですが、たいしたストーリーじゃないのに延々と踊りが続く長丁場が苦痛で、音楽的にも同時期に作曲していた交響曲第5番からのメロディーやアイデア借用がいちいち鼻について、正直好きではないバレエでした。しかし今日は間近で見るダンサーの一挙手一投足、テンポのよい場面転換、盛りだくさんのキャラクター、ロイヤルらしく隅々で繰り広げられる小芝居と、飽きるヒマもなく最後まで楽しめました。オケの演奏もビロードの響きとまではいきませんがいつになくしっかりしており、コンマスAnia Safonovaさんの実に艶やかなソロが華を添えていました。

オーロラ姫のマルケスは今回2公演しかキャスティングされてなかったうち1回を怪我でキャンセルしたはずなので、これが今シーズンで唯1度のオーロラでしょうか。小柄でプリティ系のお顔立ちは無垢なお姫様役にうってつけです。第1幕のローズ・アダージョ、他と見比べてないので何とも言えませんが、最初にポアントで王子の手を次々と取っていく場面で、バランスがヤバかったのか、さっと手を触るだけで早く次ぎに行ってよ、みたいに焦っている箇所がありましたが、他は文句のつけようもなく、パーフェクトに可憐なオーロラ姫でした。パートナーのマクレーとの息も変わらずぴったりで、うちの妻は「あの二人は絶対に愛し合っている!」といつも主張しております。私生活のパートナーシップまで私は知りませんが。


妖精が出てきて姫を祝福するプロローグでは、緑の妖精(Woodland Glade、どう訳すんですか)に金子扶生さんが抜擢されていました。お顔立ちは吉田都さんを思わせる和風作りですが、恵まれた体格は本当に舞台映えしますね。ベテランのごとく堂々と成熟した技術も見ていて安心感があり、度胸もありそうなので、引き続き注目して応援したいと思います。あとは青い鳥のユフィちゃんは相変わらず美人でした。ちょっとよく判別できなかったのですが、最後の群舞では高田茜さんがいたように見えました。小林ひかるさんはマチネのほうでオーロラを踊っていたのでこちらには出演してませんでしたが、男性陣は平野さん、蔵さんとも元気に出ていて、特に平野さんのほうは、こんなにキレのあるダイナミックな踊りをする人だったのかと、不見識ながら初めて気付きました。

今日の席は舞台を見るには良かったんですが、娘の隣席に座った(多分)中国系のおばさんがノイジーでぶち切れ寸前でした。最初、指揮者が出てきて指揮台に上り指揮棒を構えるギリギリまで携帯で通話をしていました。ただスイッチを切らなかったんじゃないんです、通話です。演奏が始まってからも、バッグに携帯をしまい、手に抱えたスーパーのビニール袋からガサガサと大きい音を立てつつペットボトルの水を取り出して堂々と飲んでいました。じっとしていられないたちなのか、終始何かごそごそとしてはスーパーの袋をガサガサと探り、うるさいことこの上ない。周りの人々がじっと見て無言で抗議をするも、気にする様子ゼロでした。反対側、妻の隣席の白人女性が休憩時間に娘の年齢を聞いてきたので10歳と答えると、「10歳の子がこんなに行儀よく聴いているのに、(その隣りのノイジーおばさんを指して)あの30過ぎの女性は(私が見たところ50くらいでしたが)とってもうるさいわね」とブツブツ文句を言ってました。続くようなら文句を言ってやろうと思って娘と席を代わってもらいましたが、水は飲み切ったのか、スーパー袋をガサガサ開けることはもうありませんでした。結局文句を言うタイミングを逸しましたが、とにかく終始ごそごそと動かずにはおれないようで、横に座られると鬱陶しいたらありゃしない。オペラ座やコンサートホールでは二度と接近遭遇したくないですなー。

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