ヴァレーズ 360°2010/04/18 23:55


「Varese 360°」とは、全ての演奏時間を足し合わせても高々3時間にしかならない、エドガー・ヴァレーズの全作品を一気に上演してしまおうという、元々はHolland Festivalが始めた企画だそうです。今年はSouthbank Centreとの共同制作でロンドンに初上陸し、Queen Elizabeth Hallで2回、とRoyal Festival Hallで1回、計3回の演奏会が一つの週末で一気に敢行されました。

Varese 360° (1) 4/16 19:30 @Queen Elizabeth Hall - London Sinfonietta
Varese 360° (2) 4/18 17:30 @Queen Elizabeth Hall - London Sinfonietta
Varese 360° (3) 4/18 19:00 @Royal Festival Hall - National Youth Orchestra of Great Britain

(2)と(3)はハシゴになりますが、ホールがすぐ隣りなので移動は問題ありません。

ヴァレーズはもう大昔から興味はあったのですが、何故か巡り合わせがなくて実演を聴いたことがなく、CDで持っているのも「イオニザシオン」1曲だけでした。せっかく全て生で聴く機会があるので、あえてCDを買って予習などせず、無心でヴァレーズ体験に臨みました。

詳細は後日「備忘録」に書きますが、フランク・ザッパやチャーリー・パーカーにも影響を与えたと言われるヴァレーズの音楽が、これほどまでに硬派でキツいものだったとは。1回聴いたくらいでは耳に残ることを拒絶するような、突き放した音響空間ですが、12音技法とは明らかに違うし、バルトークのような民族主義とも距離があります。雰囲気はまさに「現代音楽」の走りですが、1歳違いのストラヴィンスキーの作品が今や「古典」なのに対し、ヴァレーズは今でも「前衛音楽」としての刺激とオーラを持っていると感じました。

個人的には3つめのユースオケが一番面白かったです。このオケ、メンバーはみな10代の少年少女、若い!一所懸命、かつ楽しそうに弾く姿がたいへん初々しいです。しかし、大人のプロでも手を焼く難曲揃いなのに、演奏はアマチュアとは思えない立派なものでした。

全体を通しての感想は、高々3時間とは言え、一気に聴くのはたいへん疲れました…。

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