妖怪人間ベム2010/05/03 09:09

日本の黄金週間ほどではありませんが、ここロンドンも5/3まで小連休です。しかし、天気が悪く気温も冬が戻ってきたかのように低いので、家にこもりがちです。

最近、娘に見せてやるつもりで「アルプスの少女ハイジ」と「妖怪人間ベム」のほぼ全話を入手。MacBookに入れて、まずはハイジから順番に見せてやり、それはそれで気に入ったものの、娘はたまたまオープニングだけ見せてやったベムに大ハマリ。「寝ても覚めてもベムのことが頭から離れない」のだそうで(今時そんな小学生は、世界広しと言えども多分、君一人だろう)、仕方がないのでハイジは8話までで中断し、あとは毎日ベム三昧です。

見ているのはもちろん1968年初放送の原典版。娘と一緒になって見ていると、けっこうよくできているので、引き込まれて見入ってしまいます。


絵のテイストは日本のアニメとは全然違い、Scooby-Dooに似ているのに気付きました。こちらはそれほどコミカルではありませんが。

ベムは2006年にリメイク版があるそうです。その画像を見ていると、ベラまでも、ここまで今風アニメ顔!内容の良し悪しはともかく、昔のテイストは一切ないのだろうなということは想像つきます。


ところでいろいろと調べていてわかった事実。1968年原典版でベラの声をやってらした森ひろ子さん、最近でも「おくびょうなカーリッジくん」のミュリエル(下のおばあさん)の声をやってるのを知り、ちょっと驚き。なぜならこの「カーリッジくん」、これがまた娘の大のお気に入りで、ベムの前にまさにハマっていたアニメなので…。なかなかの嗅覚を持っているようです。

PROMS 2010 ブッキング2010/05/04 23:59


Royal Albert Hall

今年のBBCプロムスは今日の朝8時よりチケット販売スタートでした。今年からオンライン販売のシステムが変わり、Royal Albert HallのWebサイトでまず自分のアカウントを作って、Proms Plannerという予約用バスケットに購入を予定している公演とカテゴリと枚数をあらかじめ入力しておきます。あとは販売開始を待ち、ロイヤルオペラハウスのオンラインブッキングと同様、まずはWaiting Roomに送られて順番が来るのを待つだけです。

オペラハウスで何度もミスった教訓から、8時ちょっと前から何度もリフレッシュを叩いてトライするも、8時を超えてもWaiting Roomにすら入れないので、ちょっと冷や汗。幸い2分過ぎくらいにあっけなくWaiting Roomに到達、待ち人数999人に一瞬「ゲッ」と思ったが、テンポよく順番が進んだので20分くらいで入れて、あとはProms Plannerのおかげですんなりと手続き完了、8時半までに希望していた演奏会4つ分を全て無事買うことができました。会社を午前中半休にしないで済みました。

購入直後、試しに再トライすると、もう4600人待ち状態。なるほど、年に1度のイベントだけあってオペラハウスよりも混み具合が激しいようです。あとでよそのブログを読んでいると、Waiting Roomで2〜3時間待たされ、ようやく入れたら人気のある公演(オープニングのマーラー8番、ドドミンゴが歌うシモン・ボッカネグラ、サイモン・ラトルとベルリンフィルなど)はすでに売り切れで、憤っている人がたくさんいたもよう。999人待ちで入れたのは超ラッキーだったかも。しかし、Royal Albert Hallが2時間で完売とは、ビエロフラーヴェク指揮BBC交響楽団は、Lady GaGaも顔負けの売れっ子ぶりだったんですねえ。

たまたまうまく入れたからかもしれませんが、システムはオペラハウスよりはましだったように思いました。Waiting Roomにすら入れない状態があるとは思っていなかったのでそこだけ焦りましたが、順番が来たあとはかなりスムース。オペラハウスだと、何時間も待ってようやくブッキングに入れても、そこから先も接続が重過ぎてタイムアウトになってしまい、操作を誤るとまた最初から順番並び直しという悪夢に見舞われることが多々あったので、それとくらべたら雲泥の差で快適でした。まあ、結果オーライなのですが。

Royal Albert Hall

LSO/デイヴィス/内田光子2010/05/06 23:59

Barbican Centre
ロンドン響の定期演奏会は2月以来なので何だか久しぶりな気がします。

今日はソリストが内田光子さんだったので普段より多くの日本人が聴きに来ていたと思いますが、さらには隣りのバービカン・シアターで蜷川幸雄カンパニーが藤原竜也主演「ムサシ」のロンドン公演をやっていたので、ロビーはまさに日本人で溢れかえっておりました。

内田光子さん、相変わらずピアノの出番のない箇所でも「顔芸」で演奏に参加しています。本当に、モーツァルトの音楽を愛してやまないんでしょうねえ。今日は17番という軽めで時々メランコリックな選曲だったので、コロコロと快調な1、3楽章、しっとり表情付けした2楽章のコントラストがひときわ冴えていました。

メインのニールセン「不滅」は倍速早回しのような超高速演奏に終始して、腰を抜かしました。30分くらいで駆け抜けていたでしょうか。冒頭こそ事故寸前でしたが、そこはさすがにLSO、振り落とされずきっちりフォローしていました。最後はさすがにヴァイオリンのボウイングも乱れて、ぐしゃーとなだれ込んで終わりました。デイヴィスさんは何を考えていたんでしょうか、これはちょっと飛ばし過ぎでは。とは言え、オケは総じてよく鳴っていて、スケールの大きい演奏ではありました。

上記2曲の前にハイドンの97番も演奏していますので、たいへん重量感のあるプログラムでちょっと肩が疲れました。デイヴィスの指揮は、私的にはどうも好みに合わないといつも感じます。

Koya(和食)2010/05/08 07:02

この手のブログとしては写真がないのが弱すぎなのですが。

最近オープンして評判の本格的讃岐うどんの店「こや」に行ってきました。5時半の開店ちょっと前に着きましたが、すでに一組待っていて、開店してから30分でテーブルはほぼ埋まりました。しかも、その中で日本人は何と私一人でした。

ラーメンならまだしも、うどんに関しては全く蘊蓄を持たないのですが、一応関西うどん文化圏に生まれた身として言わせてもらえれば、「ほんまもん」の味です。ロンドンでこれが食べられるとは。お汁もちゃんと関西薄口の熱々おつゆ(これが本当に熱い!猫舌の私は舌を火傷しかかりましたが、でもうどんのおつゆはやっぱりこうでなくちゃ)、トッピングのワカメは乾燥じゃなく身の厚い生の塩ワカメでした。水がサービスなのも日本流でいいですね。

強いて難点を言えば、

・温泉玉子は黄身がユル過ぎ、これじゃあ月見だ。
・しょうがないけど、値段はちょい高め。
・サービス料として12.5%が自動的に加算。

でも、近くに行くことがあればまた何度も寄ることでしょう。次は酒+おつまみ系と冷やしうどんを試してみます。

Koya
http://www.koya.co.uk/
49 Frith St, London W1D 4SG
Tel: +44-20-7434-4463

LSO/ゲルギエフ:トゥーランガリーラ2010/05/13 23:59


LSO Barbican

2010.05.13 Barbican Hall (London)
Valery Gergiev / London Symphony Orchestra
Sergei Babayan (P-1), Joanna MacGregor (P-2), Cynthia Millar (Ondes Martenot-2)
1. Lutoslawski: Piano Concerto
2. Messiaen: Turangalila-Symphonie

元々は翌週のチケットを買っていたのが、都合で行けなくなり、この日のと換えてくれないかと当日ボックスオフィスで頼むと、さすが顧客サービスは完璧のLSO、あっさり無償で換えてくれました。ROH、Southbankも見習って欲しいものです。

LSOのシェフ、ゲルギエフとようやく初遭遇。しかし個人的には馴染みの薄い選曲だったので、正直よくわからんかったです。オンド・マルトノはたいへんクリアで、アコースティックな楽器に溶け込んだいい音がしていました。また、オケの気合いと集中力を感じましたので、多分自主制作盤用にレコーディングしてたんでしょうか。なお、コンミスは先日と同じくフランス国立管のチャーミングなSarah Nemtanuさんでした。

その他、感想等の備忘録はこちら

ロンドン動物園2010/05/17 07:27

2週間ほど前になりますが、ロンドン動物園に初めて行ってきました。

娘と朝一番から行ったのですが、午前中は天気も悪く寒かったこともあって、動物たちはのきなみ巣ごもりモードで全然出てきてくれません。

「動物との触れ合い」をウリにしたAnimal Adventureですが、羊さんたちは朝食を食べるのに忙しく、人間様には目もくれません。羊や山羊に触れることができるミニファームは欧州と日本でいくつも見てきましたが、こんなに愛想がないヤツらは初めてです(チューリヒ動物園の山羊は逆にたいへん凶暴で、娘は追いかけ回されフェンスによじ登って逃げ惑い、別の白人の男の子はつき転ばされて泣かされていましたが…)。

London Zoo Sheep

トラさんには、遠目にあかんべえをされました。退屈そうでした。

London Zoo Tiger

こちらはランチ時ですが、ワシの餌用に何やら獣の足が数本転がっていました。茶色い毛皮のついた細い足で、ウシやブタには見えません。子ジカかイノシシでしょうか?毛皮と骨の間の肉をついばんでしきりにほじくり出していましたので、習性として毛皮付きの肉じゃないとダメなんでしょうね。ずいぶん餌代が高くつきますねえ。

London Zoo Hawk

一応全部見て回りましたが、規模はそれほど大きくなく、あっと目を引く企画や展示もなく、ゾウ、サイ、カバはおらず(コビトカバはいましたが)、昆虫、魚、小動物が多い、正直言って何だかセコい動物園。これで入場料金は大人17.20ポンド、子供13.70ポンドですから、コストパフォーマンスは大いに疑問符です。娘ももういいと言っており、多分もう行くことはないでしょう。

フィルハーモニア管/カラボワツ/シャハム(vn):ロメオとジュリエット他2010/05/20 23:59

2010.05.20 Royal Festival Hall (London)
Kirill Karabits / The Pilharmonia Orchestra
Gil Shaham (Vn-2)
1. Bernstein: Overture, Candide
2. Barber: Violin Concerto
3. Prokofiev: Romeo and Juliet, Suite
 3-1) Montagues and Capulets (Suite #2-1)
 3-2) Juliet the Young Girl (Suite #2-2)
 3-3) Masks (Suite #1-5)
 3-4) Romeo and Juliet (Balcony Scene) (Suite #1-6)
 3-5) Death of Tybalt (Suite #1-7)
 3-6) Frair Laurence (Suite #2-3)
 3-7) Dance (Suite #2-4)
 3-8) Romeo at Juliet's Grave (Suite #2-7)

若手を代表する人気ヴァイオリニスト、ギル・シャハムと、さらに若い世代のウクライナ人指揮者、キリル・カラボワツを迎えての名曲プログラムです。まず1曲めの「キャンディード」序曲、カラボワツは指揮棒なしで快速にぶっ飛ばします。33歳という「ハーディング世代」ですが、遠慮がちなところがなく強引にオケを引っ張って行き、これは期待が持てます。オケはよく鳴っていましたが、木管がちょっとキーキー濁ってました。

ギル・シャハムは生演初めてでしたが、くたびれたサラリーマンのような冴えない風貌が意外でした。失礼ながら、39歳にしてはずいぶんとおっさんくさい。先入観に邪魔されたわけではないでしょうが、バーバーの1楽章、どうにも冴えません。よく聴くと最初からオケとピッチがずれてしまっていて、もちろん何とか修正しつつ弾いていたのでしょうがそれで済む範囲を超えていたようで、微妙に音痴感が漂う演奏になってしまい、何とも覇気に欠けました。1楽章が終わると聴衆に一礼、拍手が起こったのでもしやこれで引っ込むのでは、と危惧しましたが、手短にチューニングを直し、気を取り直して2楽章へ。打って変わって、ヴァイオリンが歌う歌う。1楽章の分を取り戻すかのように完璧な演奏でした。3楽章の全編高速パッセージも難なく走り抜け、やはりさすが若手のエースです。返す返すも1楽章がもったいない。叙情的でたいへん美しい曲なのに、万全の状態を聴きたかったです。最初、シャハムはステージでチューニングの確認をしませんでしたが、そういうポリシーの人(チューニングはお客に聴かせるものではない)も多いのはわかりますが、こういうことがあると良し悪しですねえ。

メインの「ロメジュリ」は組曲からの抜粋で、一部前後はしますが概ねストーリー順に並べ替えています。ロイヤルバレエのDVD(アレッサンドラ・フェリの奇跡のような踊り!)をこのところ妻が毎日のように見ているのでバレエ付き全曲版に聴き慣れてしまい、演奏会用組曲は非常にテンポが速く感じてしまいます。特に「ティボルトの死」は親の敵のように情け容赦ない高速演奏、しかもオケはちゃんと着いていってるからすごい。ティンパニもいつものごとく味わい深い音を叩き出していて良かったです。なお、パンフに載っていたのは実際の選曲と少し違いましたが、こちらが正解です。

カラボワツはオケに合わせず、引きずられず、一貫して自分のやりたいことを押し通しているように見えましたが、まだ若いのでそれでよいと思います。キャリア的には同世代のハーディングやネルソンスにはまだ見劣りがしますが、今シーズンよりボーンマス響の首席になったとのこと、是非遠慮せず意欲的なプログラムをガンガンとやって欲しいですね。

ロンドンフィル/エッシェンバッハ/テツラフ(vn):スペイン「風」の夜2010/05/22 23:59


London Philharmonic

2010.05.22 Royal Festival Hall (London)
Christoph Eschenbach / London Philharmonic Orchestra
Christian Tetzlaff (Vn-2)
1. Debussy: Iberia (Images, No. 2)
2. Lalo: Symphonie espagnole
3. R. Strauss: Don Juan
4. Ravel: Bolero

3度目のクリスチャン・テツラフ、今回もかぶりつき席で聴きました。この人は、もうとにかく半端なく上手い!大胆で芯の太い音ながら、細かい音の処理はいちいち丁寧で、全くスキの見当たらない、パーフェクトとしか言いようがない演奏でした。スペイン風メロディのエキゾチックな味付 けなども、歌いっぷりが完璧に計算し尽くされています。これこそが、お金の取れるプロ中のプロの仕事でしょう。アンコールをやってくれなかったのが残念でした。

最後の「ボレロ」は指揮棒を振らずに眼力だけでリードします。蛇に睨まれた蛙、もといスキンヘッドに睨まれたロンドンフィルは凝縮した音のみ出すことを余儀なくされ、各ソロがどれも素晴らしかったです。特にトロンボーンは最大の喝采をもらっていました。

その他、備忘録メモはここです。

Hughes/Thrall2010/05/28 06:11

Hughes/Thrall

知る人ぞ知るハードロックの名盤「Hughes/Thrall」がリマスターで、しかもボーナストラック付きで出ているのを先月たまたま発見、ついポチってしまいました。初出は1982年、Best Hit USAでシングルカットのThe Look In Your Eyeを聴いてツボにはまり、LPレコードをそれこそすり切れるほど聴きたおしました。

CDの時代になってから(国内盤はもちろんないので)輸入CDをずいぶん探しましたが見つからず、1992年の学生のころ、初ヨーロッパ旅行の際にロンドンPccadilly Circusの今は亡きTower Recordで見つけたときの喜びといったら!Amazonなんか影も形もないころの話です。というわけで、このアルバムを買うのはこれで3回目ということになりますが、それがまたロンドンというのがなかなか感慨深いです。

あらためて聴いて、元々CDもそれほど音が悪かったわけではないのでリマスターで劇的に変わった感じはしませんでしたが、やっぱり素晴らしいのは何はともあれ内容で、何度聴いても一点の曇りもなく隅から隅までカッコいい!リリース当時、なぜ売れなかったのか全く不思議でなりません。GlennのボーカルとPatのギターが凄いのはもちろんのこと、ドラムが、言ってしまえばヘタウマ系ですが微妙なタメが何ともいい味を出していて、ヘビメタでもファンクでもR&Rでもない、危うくもユニークなカッコよさで大好きでした。LPでドラマーとしてクレジットされていたのは当時新人のFrankie Banali(後にQuiet Riotに加入、新人とは言えGlennと同い年なので当時からもうオジンですが)だけだったような気がするのでずっとそう思いこんでいたのですが、あらためてこのリマスターCDのブックレットを見てみると、他にもGary Ferguson、Gary Mallaberの名前があります。どの曲が誰のプレイかは書いてませんが(ご存知の方は是非教えてください)、プロデュースの素晴らしい統一感のおかげでドラマーが複数いるのを全然感じさせませんでした。

なお、幻のセカンドアルバム用に録音したと言われるボーナストラックは、ファースト命なだけに、ちょっと微妙。やっぱり疾走感や勢いが後退し、加齢臭をどうしても感じてしまいます…。

Glenn Hughes Japan Live

Amazon.co.ukでついでに見つけたGlenn Hughesのクラブチッタ川崎での1994年のライブを収めた「Burning Japan Live」も一緒にゲット。いきなりBurnでぶちかまし、Hughes/ThrallやDeep Purpleの曲もたくさんやってくれてて、こんなライブをこっそり?やってたなんて全然知りませんでした。まあ、研究室に寝泊まりしてた1994年当時のことを思い出せば、ライブ情報を拾って、チケット買って、聴きにいってたかというと、そんな余裕はなかったかも…。

HUGHES/THRALL (1982)

1. I Got Your Number
2. The Look In Your Eye
3. Beg, Borrow Or Steal
4. Where Did The Time Go
5. Muscle And Blood
6. Hold Out Your Life
7. Who Will You Run To
8. Coast To Coast
9. First Step Of Love
10. Still The Night (Bonus)
11. Love Don't Come Easy (Bonus)

Musicians:
Glenn Hughes: Vocals, Bass
Pat Thrall: Guitar, Guitar Synthesizer
Frankie Banali: Drums
Gary Ferguson: Drums
Gary Mallaber: Drums
Peter Schless: Keyboards