ロイヤルバレエ/マクレー/マルケス/崔:ラ・バヤデール(インドの舞姫)2013/04/12 23:59

2013.04.12 Royal Opera House (London)
Royal Ballet: La Bayadère
Valeriy Ovsyanikov / Orchestra of the Royal Opera House
Marius Petipa, Natalia Makarova (choreography)
Roberta Marquez (Nikiya), Steven McRae (Solor)
Yuhui Choe (Gamzatti), Eric Underwood (The High Brahmin)
Gary Avis (Rajah), Tristan Dyer (Magdaveya)
Kristen McNally (Aya), Thomas Whitehead (Solor's friend)
Alexander Campbell (The Bronze Idol)
1. Minkus: La Bayadère (orch. by John Lanchbery)

今年の残りシーズンは、オネーギン、ジゼル、ドンキ、バヤデール、マイヤーリンクといった、フルレングスの定番バレエでまだ見たことがなかった(どちらかというと後回しにしていた)演目を運良く落ち穂拾い出来ております。

「バヤデール」は古代インドの宮廷を舞台にした悲恋物語。戦士ソロルは寺院の踊り子ニキヤと密かに恋仲ですが、言いよってくる美麗の王女ガムザッティについ魅せられて、ニキヤは暗殺され、最後はソロルとガムザッティの結婚式で仏様の鉄槌が下って全員死亡、というはちゃめちゃなあらすじです。もちろん今日のプリンシパルは我家の定番、マクレー・マルケス・ペアですが、ガムザッティ役は当初モレラだったのが、怪我のためユフィちゃんに交代。男を惑わす美貌、という役どころにモレラというはどうしても違和感があるので、このキャスト変更、私的には大歓迎。そしてユフィちゃんは美しく冷血なプリンセスを見事に演じ切っていたと思います。ソロルに投げかける美人の自信に満ち溢れた笑みと、ニキヤと対峙したときの鬼の形相がどちらも非常に分かりやすくて、コントラストが面白かったです。それにしてもユフィちゃん、顔、怖いわ〜。

マクレーは特に失敗とかまずいところはなかったと思うのですが、メークのせいかもしれませんが、何となくお疲れ感が漂い、いつものハツラツとしたキレがそれほど感じられませんでした。パートナーのマルケスは、このところ不調で「おや?」と思うことが何回かあったのですが、今日の堂々と安定したジャンプと足裁きはまさにプリンシパルのもの。回転にも勢いのある加速がありました。マクレーとの息もぴったりで、妻は「やっぱりこのペアよね〜」と大満足の様子。一つには、ユフィちゃんとの対比があったと思います。マクレーさんとユフィちゃんのペアはやっぱり急造で、タイミングが合わず回転でオケのほうを待たせてしまうような箇所が何度かありました。本来ならニキヤとガムザッティはどちらもプリンシパルでバランスの取れた力量であるべきが、いくら美人でスタイルが良くても、ユフィちゃんの踊りは軽いし、小さい。マルケスがプリンシパルで、ユフィちゃんがその地位に近づきながらもまだ届いていないのは、こういうことなのか、というのが今日は如実に感じ取れました。と、素人がえらそうな放言をしてしまいまして、ファンの方には真にすいません。まあ、腰のくびれを見比べると、贅肉なくきゅっと絞れたユフィちゃんに対し、マルケスのほうは最近太ったとか悪口叩かれるのもいたしかたないかなと思えました…。バヤデールは露出の多い衣装なので、お腹周りに目が行くのは仕方がない!(きっぱり)


ガムザッティのユフィちゃん。メイクをするとホントに奇麗な人です。



キャンベルの青銅の仏像は、出番は少ないがインパクトのある美味しい役です。指揮者のオヴィシャニコフは先日ミハイロフスキーバレエで見たばかり。




コメント

_ 守屋 ― 2013/04/16 14:39

おはようございます。

 昨日戻って来て、新聞のレヴューを読むと、マルケスの評価が高いですね。ユフィさんは、彼女がニキヤを踊った直後にお会いしてプリンシパルになるとの意気込みを語って頂いて数年。今更どうしてガムザッティなのかと思ったのですが、これもプリンシパルになるための布石になれば。

_ Miklos ― 2013/04/17 07:36

守屋さん、お帰りなさいませ。今回のマルケスは孤軍奮闘、とっても良かったですよ。ユフィちゃん、数年前にはすでにニキヤも踊っていたんですね。ロイヤルはプリンシパル以外だと、コール・ドに近い役から何から、何でもやらされて大変だなあという印象です。おっしゃる通り、私も彼女がプリンシパルとして活躍する日を待ち望む一人であります。

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