演奏会備忘録のこと2011/07/31 09:32

いつどこで何を聴いたかは時間がたつとどんどん忘れて行きますので、「演奏会備忘録」を2003年3月分からせっせと書いています。後で読んでどんなイベントだったのかを何となくでも思い出せるように、というのが目的の、第一には全く自分のためのメモです。とは言え、要点殴り書きでは結局後で意味不明になりかねないので、一応人に読んでもらってもかまわない文章の体裁にして、そのころすでに閑散としていたNetnews(fj.rec.music.classical)にせっせと投稿するところから始めていました。その当時からのスタイルとして、速報の意味でまずNetnewsに投稿し、後で校正・推敲・加筆した文章を保存用として「演奏会備忘録」に追加しました。ですので、ブログに速報を書いている今でも、自分のための記録としてはあくまで備忘録が正版で保存版のつもりです。最近はずぼらになって、同じ文章をブログ、mixi、備忘録にコピペしていることも多いですが。

文章を書くのは決して嫌いではないけれど、ちゃんとした文章が息をするようにさらさらと書ける才能は、自分には全くありません。作家・文筆家にだけはなれないだろうな、と自分でも思います。ドツボにハマったときなど、自分の頭や胸に去来するこの思いを何とか上手く表現する言葉を、集めようとすればするほど散り散りに逃げてしまって、いっこうに筆が進まないこともしょっちゅうです。

演奏会そのものの情報よりも背景とかウンチクとか自分語りが多かったりするのは、ひとえに自分のためのメモだから。事前に下調べしたことなども、書き留めておかないとイベントが終わったとたんにたいてい忘れてしまいます。一方、肝心の演奏会の内容がどうだったかは、あまり大したことが書けている自信はなく、在ロンドンのブロガーの方々の文章を読んでいると、同じものを聴いていながらこのイマジネーションの違いは何だ、と、自分にがっかりすることしきりです。思えばブダペスト在住のころは、そもそも日本人で演奏会に通い詰める人がほとんどいなかったので、同じ演奏会のレビューを日本語で見ることは皆無に近く、孤立無援だったのでした。ある意味、何でも書き放題で、超お気楽だったとも言えますが。

全くの個人的メモとは言っても、数名でも読者がついてくれていると気付けば、それなりに張り切って書いてしまうので、これでも以前と比べたら文章の量が激増していて、睡眠時間が奪われておりピンチです(笑)。まあ、今のうちだけと思ってがんばってます。日本に帰ったら、ことオーケストラ、オペラ、バレエに関しては書くべきイベントが激減することは明らかで、仕事帰りにふらっと演奏会、なんて環境は、日本では職場がアークヒルズか初台か池袋駅前にでもない限り無理でしょう(実は学生のころ長く初台に住んでいましたが、当時はオペラシティなどまだ影も形もありませんでした)。

今後は、短い中にも自分のキーポイントだけは活き活きとライブで動いている、そういう文章を書き残せるように精進したいと思っております。通りすがりで読んでくださる方々には、「へえ、あのころ、ロンドン/ブダペストで、こんな演奏会があったんだー」という、ささやかな「へえ」だけでも持って帰っていただけたら、全く本望です。