イングリッシュ・ナショナル・バレエ:ロメオとジュリエット2011/01/09 23:59

2011.01.09 London Coliseum (London)
English National Ballet
Alex Ingram / The Orchestra of English National Ballet
Rudolf Nureyev (Choreography), Ezio Frigerio (Design)
Arionel Vargas (Romeo), Elena Glurdjidze (Juliet)
Juan Rodríguez (Mercutio), James Streeter (Tybalt)
Fabian Reimair (Benvolio), Zhanat Atymtayev (Paris)
Anaïs Chalendard (Rosaline), Laura Hussey (Nurse)
1. Prokofiev: Romeo and Juliet

日曜のマチネに家族で行ってきました。これまで見たROH、バーミンガムの「ロメオとジュリエット」はいずれもマクミラン版でしたが、このイングリッシュ・ナショナル・バレエはヌレエフ版を採用しています。一番最初に買ったこの曲のDVDがパリ・オペラ座バレエによるヌレエフ版で、舞台の奥行きが違うためセットは多少異なるものの、踊りと衣装は基本的にDVDほぼそのままでした。

イングリッシュ・ナショナル・バレエは昨年末の「くるみ割り人形」が今一つだったのでほとんど期待しなかったのですが、意外にも期待は良いほうに裏切られました。ロメオはキューバ人の若きプリンシパルですが、カルロス・アコスタほどアクの強い顔ではなかったので、イタリアの物語でも違和感はありませんでした。ジュリエットもシニア・プリンシパルということだったので老け具合を危惧しましたが、おばさん顔じゃなかったので一安心。ただし少女というよりも大人の女の雰囲気です。無垢な少女らしさを表現するのがちょっとわざとらしく見えてしまう箇所がありました。とにかく主役のこの二人が、ソロでの踊りは安定感があってたいへん上手い。他のダンサーから抜きん出ていました。一方で肝心のデュオではちょっと慎重になり過ぎでぎこちなさもありました。

準主役のマーキュシオとティボルトはどちらも若手のようですが、こちらも各々の役どころをしっかりと押さえたケチのつけようがないダンスでした。特にマーキュシオはコミカルな動きから亡霊の佇みまで幅広い芸風で、是非今後も出てきて欲しい有望株でした。

オケは「くるみ割り」とは打って変わって力強く説得力のある音で、金管に多少難があったのを除けばオケは大健闘と言ってよいかと。ROHまでには及ばないにしても、ここまでやってくれるとは驚きです。しかし、ヌレエフ版の特徴として全体的にテンポがスローであり、聴き手には時々忍耐を要求します。幕間の息抜きは絶対必要ですね。

演出は逐一説明的なビジュアルで、かゆいところに手が届くわかりやすさがある一方、半裸のスキンヘッド死神が出てきたり、ティボルトとマーキュシオの亡霊がジュリエットに各々ナイフと薬で自決させようとするところなど、解釈に苦しむ奇抜なアイデアもふんだんで、なかなか奥が深い演出と思います。ただ、下品な悪ふざけが多く、クラシックバレエにしては男同士のからみがある(しかも多い)のは、やはりヌレエフだからなのかな…。

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