9月なのに「オクトーバーフェスト」in 日比谷2014/09/26 23:59

4月にお台場からスタートして、全国を廻り、9月末にまたお台場まで戻って来る、何故か10月を待たずして終わる、日本の不思議な「オクトーバーフェスト」。先日、会社帰りに日比谷公園噴水広場の会場に足を運んでみました。
※実は、ミュンヘンの本家本元には、結局行けずじまいでした。



当然ながら会社帰りの酔っぱらいサラリーマン&ウーマンでいっぱい。バンド演奏もやかましく、にぎやかでリラックスした雰囲気でした。

Becks、Paulaner、Erdinger、Frankenheim Altなど、懐かしい銘柄が目に飛び込み、頬が緩まずにはおれません。500ccのビールが1400〜1600円と、都心のパブと比べても値段設定は正直高いけど、普段お目にかかれないドラフトビアなので、仕方がない。レバーケーゼも久々に食べれたし、つかの間の「ドイツの想い出」を堪能しました。

LSO/ティルソン・トーマス/ヨーヨー・マ(vc):コープランドとタコとブリテンと、その22013/06/12 23:59


2013.06.12 Barbican Hall (London)
Michael Tilson Thomas / London Symphony Orchestra
Yo-Yo Ma (cello-2)
1. Copland: Inscape
2. Britten: Symphony for Cello and Orchestra
3. Shostakovich: Symphony No. 5

前日はメインが「パゴダの王子」組曲だったのでパスし、MTTとYYMのミニシリーズは結局初日と最終日に行きました。LSOもこれで聴き納めと思うと、感慨深いものがあります。

1曲目「インスケープ」は、意外にも不協和音に終始した前衛現代音楽でした。私の知るコープランドとは全く違う世界で、こんな曲も書いていたのねと、ただ驚き。

今回のシリーズでヨーヨー・マはショスタコーヴィチの1番、2番と続いて、最後はブリテンの「チェロ交響曲」を選択しましたが、新たなチャレンジだったのでしょうか、珍しくずっと楽譜を見ながらの演奏。先日のショスタコ第1番では恍惚とした表情で弾いていたのが一転、余裕のない必死の形相でガシガシとラフな音をぶつけていきます。ほとんど今日初めて聴いたので曲は正直よく咀嚼できなかったし、4楽章構成という以外、交響曲とわざわざ名乗るだけのフォーマルな要素もあまりなかったのですが、オケにとってもほとんど未知の曲なんでしょう、LSOの集中力は凄まじいものがありました。ヨーヨー・マのエモーショナルな演奏も、よくわからないながらも圧倒的な迫力。燃え尽きたに思えたヨーヨー・マ、今日はアンコールとしてサー・コリンに捧げる1曲(曲名不明)を披露しました。

メインのタコ5は、らしからぬぎこちなさが随所に見られ、明らかにリハ不足。今日のプログラムだと、リハ時間の大半をブリテンに使ってしまったのは想像に難くありません。タコ5は通俗名曲ですし、リハの時間がなくとも、とにかくオケのパワーで何とか押し切った感じです。各楽器のソロは皆さんさすがにめちゃ上手い。MTTはその草食系風貌と理知的発言からクールな分析家と見られがちですが、音楽は意外とエモーショナル全開の熱い演奏で、「苦悩→葛藤→勝利」というシンプルな組み立てはストレートに心を打ちます。ああ、この人はやっぱりバーンスタインの正統な後継者なんだなと、認識をあらたにしました。



コンマス氏は自分一人だけさっさと退場してしまい、後でまたMTTが出てきたときに、一緒にシレっと出てきておりました。横のお姉さん、大爆笑。


チェロ奏者が皆楽器を膝に抱えて待ってました。


演奏前は、隣りの奏者とずーーーっと横向いて談笑していたミナ嬢。

デュッセルドルフの匠・二代目豚骨2013/06/10 23:59

昨年末にオープンしたデュッセルドルフ「匠」の二号店・豚骨。なかなか行く機会がなく、先日ようやくふらっと行けました。開店当初は混んでいたそうですが、半年も経つとさすがにオフピークは空いていました。



食べたのは黒麻油をきかせた「黒丸」。本家の匠もスープのベースはとんこつ(+鶏ガラ)系ですが、二代目はわざわざ「豚骨」と名打つ通り、九州系の白濁濃厚とんこつが売りです。置いておくとすぐに油膜が張ってくる、本物のとんこつスープが、めちゃ嬉しいです。

麺 は細麺ですが、博多ラーメンとは違います。本店と同じくこちらも西山製麺とのこと。博多のストレート麺じゃないのはちょっとがっかりしましたが、細麺でも しっかりとした腰があり、これはこれで美味です。ロンドンの麺はホントにこれを見習って欲しい。よく考えれば豚骨とは名付けても「九州」とは一言も言って ないので、「匠オリジナル豚骨」と思えばよいのでしょう。ゴマすりが添えてあるのも、とってもナイスのひとこと。


これは一口餃子。ロンドンのどの店の餃子よりも美味しい。

それにしても、同じ並びにある老舗の「なにわ」は、相変わらず待ち行列ができていました。「なにわ」に「匠」の2店舗が加わり、デュッセルドルフのラーメン好事情は依然としてうらやましい限り。

ホイットスタブルで牡蠣三昧2013/04/18 23:59

イングランド南東部のホイットスタブルWhitstableはローマ時代から続く牡蠣の名所。毎年7月にはオイスターフェスティバルが開催され賑わうそうですが、そんな先まで待ってられぬと、週末に小旅行してきました。


ホテルを探したところ、町中にはバンガローみたいな海の家かB&Bしかなく、所謂ホテルと呼べるのはこのMarine Hotelが唯一のようでした。町の中心からは徒歩15分くらい離れていますが、静かな海沿いの良い環境でした。部屋も、まあ奇麗で快適です(冷蔵庫はなかったけど)。


ホテルから町中まで歩いて行く途中に、こぢんまりとしたお城を見つけました。こんなところにお城があるとは。説明を読むと、copperasという染料を鉱石から取るための鉱山と製錬所があって15世紀の昔から栄えていた場所だそうです。


かわいらしいミニチュアのようなお城。小さいながらも立派な矩形で威厳があります。

町中の港に行くと生牡蠣の屋台を発見。早速試しに岩牡蠣半ダースを食す。思ったより小さいなあ…。あっという間に食べてしまったので写真がないです。


とりあえずランチで腹ごしらえをと、目についたレストランSamphireへ。


とりあえずローカルエールをたのんでみて、メニューに目を通すと、何と牡蠣がない!


まあでもせっかく入ったので、ムール貝ワイン蒸しを食べてみました。非常にふわっとソフトな仕上がりで美味しかったのですが、ちゃんと火が入っていたのか、ちょっと心配。


娘が食べたスモークドハドックのグリル、典型的な素朴イギリス料理です。ここは料理は美味しいので、これで牡蠣があれば言うことないのですが。

Samphireでは一皿で抑えておき、すぐに隣りのWheelers Oyster Barへ移動。



テーブルはいっぱいだったのでカウンターに座りました。奥のテーブル席は数が少なく、常に満杯状態のようです。


ショーケースにはオードブル系のシーフードがぎっしり並んでいますが、目もくれず、我家の目当てはあくまで牡蠣(でも妻は「これ何?」と聞いて、エビの素揚げを試食させてもらっていましたが)。


牡蠣のお供にワインを頼もうとしたら、カウンターで受けられるのは総菜だけなので、向かいの酒屋で買って来てもかまわないよ、と。一瞬目が点になりましたが、持ち込み上等、向かいでSancerreのボトルを買って来ました。


ロックオイスター、ネイティブオイスター(ブロン系)、カキフライを注文。牡蠣を目の前にするとまたもやあっという間に食べてしまい、残骸の写真しか撮れませんでした…。生ももちろん美味ですが、フライ(というよりはフリッター)は逆に日本以外ではお目にかかれないので久々に食べることができ、たいへん満足しました。ウスターソースをちょっと付けると牡蠣の風味がさらに引き立ちます。


一旦ホテルに戻り休憩後、夕食へレッツゴー(うちの旅行は基本的に飲み食い中心に構成されております)。お昼どきから目をつけていた、フィッシュマーケットの2階にあるThe Crab & Winkle Restaurantに行ってみました。


外から見た印象と違い、なかなか洒落た内装です。


今度は何とか食べる前に写真を撮りました。ロックオイスター、美味しかったのでおわかりをしてしまいました。私的にはネイティブよりロックのほうが濃厚で美味しかったです。


こちらはフリッター。牡蠣は火を通すと独特の海臭い風味が広がってきて別世界の味になるのが奥深い。日本のカキフライは最も優れた牡蠣の調理法と個人的には思っています。


タルボットのグリル、クリームソース。


プレイスのグリル、ガーリックバターソース。


コッドのフィッシュ&チップス。イギリスのシーフードらしくシンプルな調理法にシンプルな味付けの料理ばかりですが、どれも素材が新鮮で(魚市場の上だからあたり前)美味しかったです。


デザートのチョコムースとレモンタルト。

シーフードに飢えた人は、日帰りドライブだとワインが飲めないので、一泊旅行くらいでホイットスタブルに行ってみるのがオススメです。オイスターフェスティバルにも、行ってみたいなー。

シンプソンズ・イン・ザ・ストランド2013/04/06 23:59


Simpson's in the Strandは、コヴェントガーデンにある、イギリス伝統料理のローストビーフで有名な老舗のレストラン。ちょっと前の話になりますが、結婚記念日と妻の誕生日祝いを兼ねて出かけました。


前菜はスコットランド産のネイティヴ・オイスター。久々の生牡蠣です、うれしー。


ローストビーフやローストラムはその場で切ってくれる演出です。


以前ここに来たときは、ビーフを切って60年(勝手な印象)のベテランおじいちゃんでしたが、今日はずいぶんと若いお兄ちゃん。接客担当のお姉ちゃんと「実は兄妹なんだ」と言ってました。


ローストビーフにはたっぷりとグレイヴィーソースをかけ、ヨークシャープディングとホースラディッシュが添えてあります。焼き加減が絶妙、お肉もソースも美味でしたが、心無しか前より量が減ったような…。前は接待だったので前菜からいろいろ飲み食いしていたせいもあり、メインのローストビーフまで全部平らげたのは結局私一人だけだったのですが(苦笑)、今回、この量なら我家の胃袋にかかればあっという間にフィニッシュでした。


こちらはローストラム。ジャムが添えられ、お好みでミントのソースをかけてくれます。こちらも甲乙付け難く美味でしたが、もっと食べたーい、という後味を残します…。


デザートの定番は、トリークルスポンジ・マダガスカルヴァニラカスタードソース。このひたすら重量級の甘さはいかにもブリティッシュという感じです。


比較的あっさりのアイスクリーム、バースデーキャンドル付き。予約の際、妻の誕生日祝いであることを言うと、キャンドルと歌を付けますかと聞かれたので、歌は遠慮してキャンドルだけにしときました。当日はランチタイムの時間帯で、ほぼ満席の中、従業員がテーブルで歌う「ハッピーバイスデー」がそこかしこで何度も聴こえて来ましたので、誰かの誕生日という年に一度くらいの特別な機会に、ここに来る人が多いのだなあ、ということがわかりました。値段はそれなりに張りますし、ドレスコードがあってちょっと堅苦しい場所ではありますが、ローストは美味しいし、雰囲気も接客もオーセンティックで、たまには(それこそ年に一度くらいは)こういう店も良いなあと思います。

三越ラーメンバー2013/03/31 23:59

昨年から「ラーメン激戦区」と言われているロンドンに、今年2月から参戦してきた大物、三越のラーメン・バー。三越のレストランで食事したのははるか昔の一度きりなので記憶がおぼろげですが、ここはかつて寿司バーだった一角ですね。噂はちらほら耳に入ってきたものの、「一点張」の店長がプロデュースしていると知り、かなり行く気が減退しておりましたが、出かけるついでがありましたので、まあ一応行っておくかと。

店内はさすがに元寿司バーだけあって、他のどの店よりもネイティブジャパニーズな感じです。ラーメンは大きく、とんこつ醤油ベースのロンドンラーメン、味噌ラーメン、つけ麺の3種類があります。


これはロンドンラーメン。一点張と比べても、かなり魚介の香りが表に立っているスープです。これは苦手な人がいるかも。私は悪くないと思いましたが、味がだいぶ塩っぱかった。麺は細麺で、一点張と同じかな。固めに茹でてあり、最初はコシがありますがすぐに伸びてきます。


こちらは、けっこうイケると聞いたので頼んでみたつけ麺。ラーメンとは違い、うどんのような極太麺です。「日本製法で作られた極太麺を直輸入」と書いてあったので、裏を返せば「日本から直送」ではないんでしょう。私はつけ麺を特に好んで日本で食べていたわけではないのでつけ麺の真髄が何かは知らないのですが、この麺はちょっとコシがあり過ぎです。朝鮮冷麺をさらに太くしたような食感で、噛み砕くのに必死、麺食の官能がありません。熱々のつけ汁はベースのスープに何か味噌を加えていて、鰹の香りがふわっと立ち上りました。ただし、具が冷たいのでつけ汁はすぐ冷めます。麺を食べ終わったあと、頼めば割り下(ベースのスープ)をくれるので、残ったつけ汁をそれで薄めて飲んでもかまいません。スープは悪くないです。


餃子は…。うーむ、一点張と同じかなあ。どうしてこう、パリっと感がないんだろうか。まあ、こんなものは食えねえ、とちゃぶ台ひっくり返すほどではありません。

感想は、まあロンドンのラーメンとしては、「真面目度」においてBone Daddiesと並ぶ上位クラスでしょう。一度はどうぞ、と勧めておきます。私は当分行かないと思いますが。

最近日系のフリーペーパーに製麺機の輸入業者の広告が載ったりしていますので、ロンドンでラーメン屋の新開店が今後さらに続くかもしれません。そのことと、この三越のつけ麺でこだわっていた「日本式製法麺を直輸入」というスタイルに太い道筋ができれば、ロンドンのラーメン業界にも「麺の可能性」がより広がる期待が見えてきた、というのが今回の収穫と言えましょうか。

オランダ旅行その1:ユトレヒトのカフェ2013/03/23 23:59

今回のオランダ旅行は仕事がらみもあったため、アメルスフォールト→ユトレヒト→デン・ハーグ→スヘフェニンヘン→アムステルダムというヘンテコなルートでした。とは言え、最初の3つはほとんど散策の時間もなく。



ユトレヒト大聖堂も遠くから見るだけで、夕食時に運河沿いを少し歩くだけが関の山。
夕食は、近くにあったToque Toqueというカフェレストランに入ってみました。


中はオシャレな内装。このシャンデリアなども目を引くし、素敵です。



壁にかかった絵も、ありきたりではなく、まるでギャラリーのよう。


メニューカードはオランダ語のみでしたが、ウェイターの兄ちゃんが一所懸命英語で説明してくれました。上の写真は牛ヒレの串焼き、パプリカソース。インドネシアンテイストが入ったモダン・ダッチ、何でしょうかね。妻が注文した普通のステーキより断然ユニークで美味しかったです。


デザートには、オランダに来たらこれは欠かせない、チーズプレート。トリュフ入りハニーが添えてあります。オランダは、全般的に料理はイマイチですが、パンとチーズはヨーロッパの中でも屈指だと思いました。

二重帝国で骨髄食いまくり2013/01/03 23:59

と、たいそうに書く話でもないのですが、クリスマスはウィーンとブダペストに小旅行してきました。ウィーン市庁舎近くのレストラン(うかつにもカードを取ってくるのを忘れた…)でなにげに頼んだ骨髄のコンソメスープ。


たっぷりと入った骨髄にまずびっくり。骨髄は牛脂の固まりみたいなもんですから、かなり脂っこい料理なんですが、何という旨味の宝庫。イギリスでも日本でも決して味わえない、掘り出し物のスープでした。


ブダペストではいつものKehliに行き、ここでもつい勢い余って、前菜に骨髄を注文してしまいました(こいつからはもう足を洗おうと思っていたのに…)。こちらは自分で骨髄を掻き出し、生ニンニクを擦り付けたトーストに乗せ、塩をふって食べます。うーん、濃いいが、この脂っこさに慣れるとヤミツキに。

こんなもんばかりを食べていたので、当然のごとく体重が増強されて帰宅、そのまま年末年始の食いだおれに突入したため、年明け体重計に乗ったらとんでもないことになっていました…。

しかし、それにしても牛骨髄の美味さよ。以前読んだ米国ファーストフード業界の本で、マクドナルドはその昔、フライドポテトを牛脂のみで揚げていたのが人気の秘密だった、という記述があって、それはさぞ美味しかろう、是非食べてみたいものだ、と読んでてよだれを垂らしたのを思い出しました。

ブダペストでは別の日、超久々にSir Lancelotへ行きました。


地下の酒蔵を改造した風のレストランは、中世にタイムスリップしたかのよう。




ここの名物料理は、お肉てんこ盛りのプレート。この写真は二人前なのでかわいいものですが、大人数で行くと、山のように積まれた骨付き肉に圧倒されます。中世にはまだ発明されてなかったという理由で、この店にフォークはありません。ナイフとスプーンと手づかみでこれらお肉と格闘するのが醍醐味です。

ブダペストにいたころ、ここはお客さんと会食するのに何度利用したことか。途中でベリーダンスや火食い男のパフォーマンスもあり、単純にワイワイと楽しめます。当時は食べても食べても皿からなくならない(気がした)このお肉が、胃袋が欧州化した今ではペロっと平らげてしまえるから、困ったもんです。いいかげん、ダイエットせねば…。ズボンが苦しい…。

パリのジャパニーズラーメン二題2012/12/22 23:59

ちょっと前になりますが、パリに出かけた際、日本料理屋が並び立つピラミッド界隈でラーメン屋を2軒トライしましたのでそのお話を。

Naritake
31 rue des Perits-Champs 75001 Paris
Tel: +33 1 42 86 03 83

パリ初のこってり背脂系ラーメンとして昨年オープンした「なりたけ」は、行列の絶えない人気店としてその評判はロンドンにも漏れ聞こえてきています。津田沼の本店には行ったことがありませんが、そんなに人気のラーメンならこれは食いに行かねば、と開店時間ジャストを目指して気合い入れて出かけたのですが、祭日だったためお休み(日曜祝祭日は休業だそうです)。気を取り直して翌日再訪したところ、噂通り12時の開店前からすでに人が並び始めてました。一番乗りだったので問題なく席に着き、味玉醤油ラーメンを注文。


脂多めにしなくても十分過ぎる量の背脂が乗ってます(妻と子供は脂少なめのあっさりにしましたが、それでも背脂はそれなりに乗ってました)。久々に食べたギトギト背脂系は爽快な重量感で、たいへん美味しゅうございました。軽くちぢれた太めの麺もコシ、喉ごし共にこれぞジャパニーズラーメン。まともに美味しいラーメンがあるパリがうらやましくなりました。それにしても、私も学生のころは背脂系(も、と言うべきでしょうね)、大好きでした。ホープ軒とか白山ラーメンとか、夜中によくあんな高カロリー食を飽きもせず食べてたもんだと、恐れを知らぬ若さって、今から思うと凄いもんですねえ。


Higuma
http://www.higuma.fr/
先述の「なりたけ」が休業だった日、仕方がないので近くで他を探したところ、「大勝軒」が目に入りましたが、ここは昔入ったことがあってたいして印象に残っていないし、かんとくさんの評価も悪かったので、パス。角を曲がると目に入った「ラーメンひぐま」に行ってみました。札幌ラーメン横町の老舗で有名な「ひぐま」には高校時代に一度行ったことがりますが、多分そこと資本関係があるわけではないでしょう。こちらも昼時は行列のできる人気店で、広い店内はほぼ満員でした。


これは塩ラーメン。


これは普通の醤油ラーメン。


これはネギ醤油ラーメン。

ふむ、どれも至って普通のラーメンです。なりたけと違ってまたわざわざ来たいと思わせる要素は何もありませんが、普通にも届かないロンドンラーメンよりは全然ましなので、それなりに満足はしました。

この界隈には他にも何軒かラーメン屋がありますが、旅行者の身で全てを試すのは難しい。また次回、機会があれば探検に来てみたいです。

ロンドンのニューウェーブとんこつラーメン三題2012/12/21 23:59

ラーメン不毛地帯のロンドンに、今年は立て続けに新しいお店がオープンしました。一点張は以前すでに紹介しましたが、今回は最近できた3店舗(何故か全て「とんこつラーメン」)をトライしてきましたのでご報告。

Shoryu
http://www.shoryuramen.com/
ピカデリーのジャパンセンターの道を挟んだ向かい側に先月開店したばかりのホヤホヤです。プレオープンの半額セールに妻が行ったときは1時間並んだとのことだったので、空いてそうな夕方5時ごろを狙って行ったらガラガラでした。本格的博多ラーメンがついにオープンというふれこみだったので、まずは「博多とんこつ」£8と、ついでに餃子£5を注文。



スープは見たところ白濁の博多ラーメン風。臭みはなく、やけにあっさりした味わいです。まあ、こういうのが好きな人もいるでしょうが、博多の味ではないな。気になったのはミルク臭い味がしたこと。もしや、色を整えるために牛乳を加えている?あと麺は、妻から聞いていた通りヤワい縮れ麺で、全然博多の麺じゃありません。まあ、妻が「麺がダンゴ状で話にならない」とボロカスに言ってたほど食えないこともなかったですが、やっぱり「ロンドンのラーメン」の域は出ず。餃子はまあ普通でした。一点張の餃子よりは良いかも。テーブルに胡椒、ニンニク、ゴマ等を置いといて欲しいところです。でもリピートはないですかね。

Bone Daddies
http://bonedaddiesramen.com/
こちらはソーホーにちょっと前にオープンしていた、元NOBUで働いていたというオーストラリア人がオーナーのラーメン屋。店構えは全くモダンなバー風で、全然ラーメン屋らしくないので、最初気付かず通り過ぎてしまいました。ランチタイムでしたが日本人らしき客はゼロ、白人ばっかりでした。ジャパニーズな雰囲気はみじんもありません。ただし、すりゴマとニンニク潰しがテーブルにあるのは好感度大(胡椒はなし)。ここでもまずは「とんこつラーメン」£11にトライ。



非常にクリーミーなスープは見た目京都の「天下一品」系です。他のブログで「ダブルクリームが入っている」と書いている人がいましたが、Shoryuと違ってミルク系の風味はせず、正統的な骨髄系のスープでした。チャーシュー、煮玉子はちゃんと日本風に作ってあります。ただ、麺はやっぱり…。あと、量が少ないですね。これで£11はかなりの割高感です。

Tonkotsu
http://www.tonkotsu.co.uk/
最後はこれまたソーホーの新しいお店。「とんこつ一本で勝負する」というこだわりの店名と思いきや、メニューには東京醤油などもあり。ここも調理人、給仕共に白人ばっかりでしたが、店構えはここが一番日本のラーメン屋に近いかな。注文はもちろん「とんこつラーメン」£11。餃子£5も付けました(それにしてもロンドンのラーメン屋の餃子って、何でみんな高いんだ)。テーブルに胡椒はありましたが、生ニンニクはオプションで別料金でした。



スープはあっさり薄味、色も薄くて白濁度が低いです。MSGは一切使っていませんというふれこみ通り、確かに変な味はしないけど旨みも薄かったです。ちょっと加えた酸味がさらにさっぱり感を増していました。こういうのが好きな人もいるんでしょうけど、私の期待するとんこつでは全然ないなー。餃子がまたラーメン以上に薄味で、これはいただけなかった。一方、チャーシュー、煮玉子はBone Daddiesと似ていて、まともでした。麺はやっぱり残念な「ロンドン麺」。ただし、チラシに書いてあったニュースを読むと、現在製麺機を日本から取り寄せ中とのこと。機械があればいいってもんじゃないですが、店主が麺にもこだわるつもりがあるというのは重要です。製麺機の成果が出たころにまた行ってみるとしましょう。

まずは基本的なこととして、本当にちゃんとしたとんこつスープを取ろうとしたら、悪臭を撒き散らして近所から苦情が来るくらいが当たり前。ピカデリーとかソーホーみたいな一等地にお店を構えるのはそもそも無理があるというか、お店の本気度を問いたくなるところです。実際どの店のスープも濃厚な旨み、こってり感、とんこつ特有の獣臭さが物足りません。それにもまして問題なのは、麺。ロンドンにはなぜまともな麺が入ってこないんでしょうか。前に「一点張」の店長のインタビューを読んだときも、スープへのこだわりを延々としゃべっているわりには麺への言及はほとんどなく、こりゃーダメだ、麺が改善される日は来ないな、と思ってしまいました。ロンドンにも麺に目覚めるラーメン屋が早く出てきてくれないものかと、切に思います。