LSO/ティルソン・トーマス/ヨーヨー・マ(vc):コープランドとタコとブリテンと、その2 ― 2013/06/12 23:59
2013.06.12 Barbican Hall (London)
Michael Tilson Thomas / London Symphony Orchestra
Yo-Yo Ma (cello-2)
1. Copland: Inscape
2. Britten: Symphony for Cello and Orchestra
3. Shostakovich: Symphony No. 5
前日はメインが「パゴダの王子」組曲だったのでパスし、MTTとYYMのミニシリーズは結局初日と最終日に行きました。LSOもこれで聴き納めと思うと、感慨深いものがあります。
1曲目「インスケープ」は、意外にも不協和音に終始した前衛現代音楽でした。私の知るコープランドとは全く違う世界で、こんな曲も書いていたのねと、ただ驚き。
今回のシリーズでヨーヨー・マはショスタコーヴィチの1番、2番と続いて、最後はブリテンの「チェロ交響曲」を選択しましたが、新たなチャレンジだったのでしょうか、珍しくずっと楽譜を見ながらの演奏。先日のショスタコ第1番では恍惚とした表情で弾いていたのが一転、余裕のない必死の形相でガシガシとラフな音をぶつけていきます。ほとんど今日初めて聴いたので曲は正直よく咀嚼できなかったし、4楽章構成という以外、交響曲とわざわざ名乗るだけのフォーマルな要素もあまりなかったのですが、オケにとってもほとんど未知の曲なんでしょう、LSOの集中力は凄まじいものがありました。ヨーヨー・マのエモーショナルな演奏も、よくわからないながらも圧倒的な迫力。燃え尽きたに思えたヨーヨー・マ、今日はアンコールとしてサー・コリンに捧げる1曲(曲名不明)を披露しました。
メインのタコ5は、らしからぬぎこちなさが随所に見られ、明らかにリハ不足。今日のプログラムだと、リハ時間の大半をブリテンに使ってしまったのは想像に難くありません。タコ5は通俗名曲ですし、リハの時間がなくとも、とにかくオケのパワーで何とか押し切った感じです。各楽器のソロは皆さんさすがにめちゃ上手い。MTTはその草食系風貌と理知的発言からクールな分析家と見られがちですが、音楽は意外とエモーショナル全開の熱い演奏で、「苦悩→葛藤→勝利」というシンプルな組み立てはストレートに心を打ちます。ああ、この人はやっぱりバーンスタインの正統な後継者なんだなと、認識をあらたにしました。
Michael Tilson Thomas / London Symphony Orchestra
Yo-Yo Ma (cello-2)
1. Copland: Inscape
2. Britten: Symphony for Cello and Orchestra
3. Shostakovich: Symphony No. 5
前日はメインが「パゴダの王子」組曲だったのでパスし、MTTとYYMのミニシリーズは結局初日と最終日に行きました。LSOもこれで聴き納めと思うと、感慨深いものがあります。
1曲目「インスケープ」は、意外にも不協和音に終始した前衛現代音楽でした。私の知るコープランドとは全く違う世界で、こんな曲も書いていたのねと、ただ驚き。
今回のシリーズでヨーヨー・マはショスタコーヴィチの1番、2番と続いて、最後はブリテンの「チェロ交響曲」を選択しましたが、新たなチャレンジだったのでしょうか、珍しくずっと楽譜を見ながらの演奏。先日のショスタコ第1番では恍惚とした表情で弾いていたのが一転、余裕のない必死の形相でガシガシとラフな音をぶつけていきます。ほとんど今日初めて聴いたので曲は正直よく咀嚼できなかったし、4楽章構成という以外、交響曲とわざわざ名乗るだけのフォーマルな要素もあまりなかったのですが、オケにとってもほとんど未知の曲なんでしょう、LSOの集中力は凄まじいものがありました。ヨーヨー・マのエモーショナルな演奏も、よくわからないながらも圧倒的な迫力。燃え尽きたに思えたヨーヨー・マ、今日はアンコールとしてサー・コリンに捧げる1曲(曲名不明)を披露しました。
メインのタコ5は、らしからぬぎこちなさが随所に見られ、明らかにリハ不足。今日のプログラムだと、リハ時間の大半をブリテンに使ってしまったのは想像に難くありません。タコ5は通俗名曲ですし、リハの時間がなくとも、とにかくオケのパワーで何とか押し切った感じです。各楽器のソロは皆さんさすがにめちゃ上手い。MTTはその草食系風貌と理知的発言からクールな分析家と見られがちですが、音楽は意外とエモーショナル全開の熱い演奏で、「苦悩→葛藤→勝利」というシンプルな組み立てはストレートに心を打ちます。ああ、この人はやっぱりバーンスタインの正統な後継者なんだなと、認識をあらたにしました。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://miklos.asablo.jp/blog/2013/06/12/6874404/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。