ロンドン響/パッパーノ:モノホンのオケが映画音楽やってみた、のゴージャス感 ― 2025/12/17 23:59
2025.12.17 Barbican Hall (London)
Sir Antonio Pappano / London Symphony Orchestra
Roman Simovic (violin-2)
1. Miklos Rozsa: Prelude, The Mother’s Love and Parade of the Charioteers from ‘Ben Hur’
2. Miklos Rozsa: Movements 2 & 3 from Violin Concerto (adapted to 'The Private Life of Sherlock Holmes')
3. Bernard Herrmann: Scene d’amour from ‘Vertigo’
4. David Raksin: Laura from ‘Laura’
5. David Raksin: Love is for the Very Young from 'The Bad and the Beautiful' - Suite
6. Max Steiner (arr John Wilson): Opening Title Sequence from ‘Gone with the Wind’
7. William Walton: Selections from 'Henry V' - Suite
8. Nino Rota: Waltz from ‘The Godfather’
9. Ennio Morricone: Gabriel’s Oboe from ‘The Mission’ (Concert Version)
10. Ennio Morricone: Music from ‘Cinema Paradiso’
11. Ennio Morricone: Music from ‘Once Upon a Time in America’
今年あと一つくらいバービカン行っとこうかと急きょ買ったチケットです。LSOは古くから映画音楽のサウンドトラックでも多数演奏してきておりますが、パッパーノから年の瀬のクリスマスプレゼントのようなものでしょうか。前半は「ベン・ハー」「シャーロック・ホームズの冒険」「めまい」「ローラ殺人事件」「悪人と美女」「風と共に去りぬ」といったハリウッド・アイコン、後半は「ヘンリー五世」「ゴッドファーザー」「ミッション」「ニュー・シネマ・パラダイス」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の80年代大作映画でまとめた構成になっています。どれも映画史を彩る名作ばかりとは言え、よく考えたらちゃんと全編通して観ている映画は、封切り時に映画館で観た「ニュー・シネマ・パラダイス」くらいしかありませんでした…。映画は大好きなんですが、マニアと言えるほどの数を観ているわけでもなく、また古い映画を後追いで観ることは少なかったんだなあと、今更ながら気づきました。
コンサートはパッパーノがマイクを取り、作曲家ごとに解説を交えながら進行していきますが、とにかく、モノホンのオケが映画音楽やってみた、そのゴージャス感がハンパないです。弦の厚みと美しさ、管の迫力ときめ細かさ、全てが凄すぎました。ただ、ロイヤリティの都合でオリジナルのスコアは使えないようなことをパッパーノが話していた通り、フル編成オケ用に、よりゴージャスにアレンジされていたかと思います。映画のサントラは、レコーディング専用のセッションオーケストラがスタジオで録音し、実際の人数以上に豊かな響きになるよう加工技術を駆使するのが普通ですが、それはそれでオリジナルのスコアとレコーディングのほうが音楽に勢いがあり、映画のシーンと直接結びついている分、思い入れも深い場合があるので、一概に良し悪しは言えませんが。
ちゃんと観たことない映画でも、音楽は耳に入って来て記憶に定着しているから不思議なものです。また、フォロワーとして似たような(言い方を変えると「パクリ」)劇伴音楽もちまたに溢れているので、何も考えずにそのゴージャスな響きに浸れます。「ベン・ハー」を聴いて一瞬「野性の証明?」と思ってしまったり。「ゴッドファーザー」はメジャーなメインテーマではなく(解説で鼻歌を歌ったのみ)あえて「ワルツ」を選曲されていましたが、エレキマンドリンを使っていたのが新鮮、多分初めて見ました。
最後はモリコーネ三連発でしっとり終わる、はずもなく、アンコールでは打楽器隊が戻ってきて、待ってましたの「スターウォーズ」メインテーマ。大昔の部活でやったことがあり、けっこう難易度が高くリズムも面倒くさい曲なんですが、もちろんLSOはオリジナルを手がけたオハコなので、完璧以上の仕上がり。あれこれ深く考えず、無心に楽しめたゴージャスな一夜なのでした。
コメント
_ かんとく ― 2026/02/07 06:35
いいですね〜。結構、昔観た映画が並んでいるので、魅かれます。映画音楽が隆盛してオペラを書く作曲家がいなくなったという話をどこかで聞きました。
_ Miklos ― 2026/02/09 11:01
かんとくさんはさすが、いろいろ数多く見てらっしゃいますね。このくらい著名作だと、映画本編を見てなくても音楽は耳に入ってきて覚えているものです。父親がポール・モーリア好きだった影響で、古い映画音楽は耳タコくらい聴かされてました。
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