恭賀新年と、電電宮2014/01/04 23:59

松の内までは正月ということで、遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

さて、今年年男のワタクシも、ウン十年生きていながら、まだまだ知らないことが足下にもあるなあ、というお話です。

娘の十三参りに、京都嵐山の法輪寺に出向いてみたところ、本道へ向かう石段の途中に「電電宮」なる奇妙なミニ神社を発見。嵐山は地元なのに、これは知らなんだ。


入り口はこんな感じ。


本当にちっちゃい神社です。中には入れず。


電気・電波の神様なんて、何やら怪しさ満開ですが、由来によると電電明神という雷神を祀っていた由緒正しい神社だそうで、高度成長期に関西の電気電波関連業界が「発掘」し、崇め奉って今日に至るということです。後で調べると、エジソンやヘルツの肖像もあるそうで、相当変わり種の神社ですね。


護持会会員企業の顔ぶれを見ると、大手の電力・通信・放送・家電・電機会社がずらりと並びます。東電、デンソーなど、関西じゃない企業も。残念ながらうちの会社の名前はなし。


ちなみに電電宮のある法輪寺は十三参りで有名なお寺で、展望台から渡月橋を見下ろせる絶景スポットです。


紅葉の季節はもっと凄いんでしょうが、冬景色もなかなか風情があって良いです。

ということで、皆様本年もどうかよろしくお願い申し上げます。

パリ管/佐渡/ベレゾフスキー(p):サル・プレイエルへのリベンジ2013/06/05 23:59


2013.06.05 Salle Pleyel (Paris)
Yutaka Sado / Orchestre de Paris
Boris Berezovsky (piano-2)
Chœur de l'Orchestre de Paris (choir-4,5,7,8,9,11,12)
1. Ibert: Divertissement
2. Rachmaninov: Rhapsody on a Theme of Paganini, Op. 43
3. Verdi: Luisa Miller, ouverture
4. Verdi: I Lombardi alla Prima Crociata, "Gerusalem !"
5. Verdi: I Lombardi alla Prima Crociata, "O Signore, dal tetto natio"
6. Verdi: Macbeth, Prélude
7. Verdi: Macbeth, "Patria oppressa"
8. Verdi: Ernani, "Esultiamo"
9. Verdi: Il Trovatore, "Le fosche notturne spoglie"
10. Verdi: Nabucco, Ouverture
11. Verdi: Nabucco, "Gli arredi festivi"
12. Verdi: Nabucco, "Va, pensiero, sull'ali dorate"

このホールは10数年前、改装の前に一度来たきりです。その時はその日の昼間にスリ被害にあったばかりで、せっかくのドホナーニ/パリ管だったのに、正直演奏会を無心で聴ける状況ではありませんでした。それ以来、パリ管はブダペストで再び聴いているものの、このサル・プレイエルは厄払いと露払いのためにも絶対に再訪しなければならない、と長年思い続けていましたが、やっと機会が巡ってきました。

私の記憶も相当おぼろげで怪しいのですが、クロークの辺りは昔と変わってなさそうです。ホールに入ると、舞台が打ちっぱなしの壁でやけに殺風景。むき出しの照明が天井から直接ぶら下がっており、ホールというよりはスタジオ。コンサートホールの品格がなくなっていたのでがっかりしました。私の記憶では昔はバービカンのように木目調の壁だったと思うんですが。また、座席のピッチが狭いのは相変わらず。


1曲目のイベールは室内オケのための洒落た曲で、家にあった佐渡/ラムルー管のイベール管弦楽曲集CDにも入ってましたが、パリ管に取っては新レパートリーだそう。パリ管は技巧で鳴らすオケではないと思いますが、トップ奏者だけの合奏はさすがに惚れ惚れするくらい上手かったです。皆涼しい笑みをうかべながらリラックスして演奏している中、佐渡氏一人だけ汗飛び散らかしての大熱演。前にパリ管で聴いたときは、長いフランス生活でずいぶんと垢抜けた演奏をするようになったものだ、と感心したのですが、ベルリンに拠点を移して、またかつての「汗臭さ」が戻ってきたような気もします。

続くラフマニノフ。ベレゾフスキーは2005年にブダペストで聴いて以来。その時は全く興味のないショパンのコンチェルトだったのでほとんど印象は憶えておらず。8年のうちにお腹がでっぷり出てずいぶん恰幅よくなった気がします。今日の演目は元々はラロのピアノ協奏曲という珍しい選曲だったのですが、直前になってソリストの意向により変更になりました。超メジャー曲だし、もちろんオハコなんでしょう、ベレゾフスキーは余裕の弾きっぷり。この人は機械のように正確無比なピアノが売りですが、見かけに合わずアタックの柔らかいソフトタッチで、力任せに叩き込むキャラクターではありません。ちょっと即物的なラフマニノフかなと思いつつ聴いていたら、アダージョではやっと佐渡節全開で、コブシのきいた浪花節をたっぷりと聴かせてもらいました。

メインは生誕200年のヴェルディを記念し、代表的オペラから合唱曲を抜き出し並べたもの。今一つ、何故に佐渡?という疑問は結局理由がわからず。パリ管ではそういう「便利屋」系ポジションになっているのではないかと。ここでもオケのアンサンブルはきっちりと整っていて、その器用さが新鮮な驚きだったりするのですが、曲も後半になり熱気を帯びてくるに従い縦の線が甘くなっていくのが微笑ましいです。合唱は美しく、オケも上手い上質のナブッコ。これはそんじょそこらのオペラ座(特にロイヤルオペラ)では味わえません。最後の「金色の翼に乗って」は一番の有名曲ですが、しみじみ終わるのでコンサートのラストには合わないなあと思っていたら、やはりアンコールがあり、トランペットも登場しての「アイーダ」の凱旋の場面。佐渡裕はオペラをもっとやればよいのになと思いました。


奏者の写真がないので、おまけで新凱旋門を。でかかった。

ホイットスタブルで牡蠣三昧2013/04/18 23:59

イングランド南東部のホイットスタブルWhitstableはローマ時代から続く牡蠣の名所。毎年7月にはオイスターフェスティバルが開催され賑わうそうですが、そんな先まで待ってられぬと、週末に小旅行してきました。


ホテルを探したところ、町中にはバンガローみたいな海の家かB&Bしかなく、所謂ホテルと呼べるのはこのMarine Hotelが唯一のようでした。町の中心からは徒歩15分くらい離れていますが、静かな海沿いの良い環境でした。部屋も、まあ奇麗で快適です(冷蔵庫はなかったけど)。


ホテルから町中まで歩いて行く途中に、こぢんまりとしたお城を見つけました。こんなところにお城があるとは。説明を読むと、copperasという染料を鉱石から取るための鉱山と製錬所があって15世紀の昔から栄えていた場所だそうです。


かわいらしいミニチュアのようなお城。小さいながらも立派な矩形で威厳があります。

町中の港に行くと生牡蠣の屋台を発見。早速試しに岩牡蠣半ダースを食す。思ったより小さいなあ…。あっという間に食べてしまったので写真がないです。


とりあえずランチで腹ごしらえをと、目についたレストランSamphireへ。


とりあえずローカルエールをたのんでみて、メニューに目を通すと、何と牡蠣がない!


まあでもせっかく入ったので、ムール貝ワイン蒸しを食べてみました。非常にふわっとソフトな仕上がりで美味しかったのですが、ちゃんと火が入っていたのか、ちょっと心配。


娘が食べたスモークドハドックのグリル、典型的な素朴イギリス料理です。ここは料理は美味しいので、これで牡蠣があれば言うことないのですが。

Samphireでは一皿で抑えておき、すぐに隣りのWheelers Oyster Barへ移動。



テーブルはいっぱいだったのでカウンターに座りました。奥のテーブル席は数が少なく、常に満杯状態のようです。


ショーケースにはオードブル系のシーフードがぎっしり並んでいますが、目もくれず、我家の目当てはあくまで牡蠣(でも妻は「これ何?」と聞いて、エビの素揚げを試食させてもらっていましたが)。


牡蠣のお供にワインを頼もうとしたら、カウンターで受けられるのは総菜だけなので、向かいの酒屋で買って来てもかまわないよ、と。一瞬目が点になりましたが、持ち込み上等、向かいでSancerreのボトルを買って来ました。


ロックオイスター、ネイティブオイスター(ブロン系)、カキフライを注文。牡蠣を目の前にするとまたもやあっという間に食べてしまい、残骸の写真しか撮れませんでした…。生ももちろん美味ですが、フライ(というよりはフリッター)は逆に日本以外ではお目にかかれないので久々に食べることができ、たいへん満足しました。ウスターソースをちょっと付けると牡蠣の風味がさらに引き立ちます。


一旦ホテルに戻り休憩後、夕食へレッツゴー(うちの旅行は基本的に飲み食い中心に構成されております)。お昼どきから目をつけていた、フィッシュマーケットの2階にあるThe Crab & Winkle Restaurantに行ってみました。


外から見た印象と違い、なかなか洒落た内装です。


今度は何とか食べる前に写真を撮りました。ロックオイスター、美味しかったのでおわかりをしてしまいました。私的にはネイティブよりロックのほうが濃厚で美味しかったです。


こちらはフリッター。牡蠣は火を通すと独特の海臭い風味が広がってきて別世界の味になるのが奥深い。日本のカキフライは最も優れた牡蠣の調理法と個人的には思っています。


タルボットのグリル、クリームソース。


プレイスのグリル、ガーリックバターソース。


コッドのフィッシュ&チップス。イギリスのシーフードらしくシンプルな調理法にシンプルな味付けの料理ばかりですが、どれも素材が新鮮で(魚市場の上だからあたり前)美味しかったです。


デザートのチョコムースとレモンタルト。

シーフードに飢えた人は、日帰りドライブだとワインが飲めないので、一泊旅行くらいでホイットスタブルに行ってみるのがオススメです。オイスターフェスティバルにも、行ってみたいなー。

遡って埋めてます2013/04/02 23:59

この冬は演奏会レビューを消化するだけでほとんど精一杯だったので、書こうと思いつつ書けなかった旅行メモを、日付け遡ってせっせと埋めてます。よろしければご覧くださいませ。

ベオグラード(セルビア)
リガ(ラトヴィア)
イスタンブール(トルコ)

オランダ旅行その3:アムステルダムのハイネケン・エクスペリエンス2013/03/25 23:59


最後はアムステルダムへ。気温はマイナス2℃くらい、でも風が強くて体感温度はマイナス13℃まで下がっていました。ここは観光中心のダム広場です。


お目当ての一つだった国立ミュージアムは、何と3/18〜4/12の間閉館、どんぴしゃでバッティングしてしまいました。(泣)


ミュジーアム広場のもう一つの目玉、ゴッホ美術館は昨年9月から改装工事のためエルミタージュ(ロシアの有名な美術館の分館)に臨時に移転しています。行ってみて驚いたのは、まるで上野の美術館のごとく、入場券を買うにも長蛇の列で、中も絵の前はとんでもない人だかり、なかなかじっくり見れる雰囲気ではありませんでした。ここのコレクションは以前ブダペストにごっそり来ていた際の展覧会でけっこう見ておりましたが、ほとんど忘れてました。

国立ミュージアム休館のおかげで予定が狂い、急きょHeineken Experienceに行ってみることにしました。ここは言わずと知れたオランダ産ビール、ハイネケンが運営するアトラクションで、大人18ユーロ、子供14ユーロとけっこうな お金を取るくせに、要はハイネケンの広告塔のようなものですが、まあそこそこ楽しめました。


入り口。中は音声からキャプションから全て英語で、オランダ語がありません。最初から外国人観光客「だけ」をターゲットにしています。


歴代のハイネケンエンブレム。緑でなかった時代もあるんですね。


ビール作りのプロセスを、ビールの原料になって体験するアトラクションもあります。工場内でものを 運ぶためにかつては重要な資産だった「馬」もディスプレイの一部として飼育されていましたが、立ち入り禁止で触れなかったので娘は不満たらたら。

ドラフトビールを3〜4杯は試飲できるようになってます。美味しいビールの注ぎ方のレクチャーもあり、受ければ名前入りの証明書を出してくれます。

まあ、ハイネケンは日本では時々飲んでいましたが、こちらでは個性的なビールがほかに山ほどあるので、あえて選ぶこともありませんでした。今回ドラフトハイネケンの淡白な味わいとすっきりしたのどごしが好ましく、これもまた良いものだなと再認識しました。

オランダ旅行その2:デン・ハーグとスヘフェニンヘン2013/03/24 23:59

ユトレヒトを発ち、デン・ハーグへ。私はモンドリアンが大好きなので一度は行ってみたかった町ですが、オランダに行く機会がそもそも少なく、昨年家族旅行で候補に考えたときも、妻が行ってみたいマウリッツハイス美術館が改装のため2014年まで休館になってしまうということで断念。しかし今年になって、モンドリアンの膨大なコレクションを有するハーグ市立美術館が、現在「マウリッツハイスのマスターピース」と称してその主要作品を特別展示していることを知り、これは一石二鳥、ハーグはやっぱり絶対に行かねばと思った次第です。


ハーグ市立美術館は修学旅行か遠足とおぼしき学生の集団が複数おり、加えて一般客、観光客も相当数で、混み合っていました。中は撮影禁止だったので写真はなしです。マウリッツハイスコレクションは、一番有名なフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」は来てなかったものの(おそらくこいつだけは単身、資金稼ぎのために今も世界中を回っているのでしょう)、同じフェルメールの「デルフトの眺望」はしっかりありましたし、レンブラント最後の自画像や「テュルプ博士の解剖学講義」も戻って来ておりましたので、まあ、看板に偽りなしでしょう。

モンドリアンのコレクションは、この美術館が改装閉鎖中の1998年に渋谷のBunkamuraミュージアムで開催された企画展示会で、ほとんどの作品はすでに見ておりました。そのとき画集を買わなかったのがずっと心残りでしたが、15年ぶりに実物を見て、ぶわっと一気に記憶が蘇ってきたのが感動でした。でも、ここにもやっぱりモンドリアンの画集はなかった…。


ハーグと言えばもう一つ、かの有名な国際司法裁判所が設置されている平和宮。美しい前庭は現在工事中で閉鎖されていましたが、せっかくここまで来て写真の一つも撮らないわけにはいかないので、勝手に入って一枚パチリ。

ハーグでホテルを探したら高かったので、この機会にせっかくだからと、隣町のスへフェニンヘンScheveningenまで移動して宿泊しました。日本では「スケベニンゲン」という珍地名として面白可笑しく語られる場所。「ハグ」の後は「スケベ」というオヤジギャグを飛ばしたくなるくらい、何を隠そう私も、自分の勲章として一度は行ってみたいものだと思っていた町です。


スヘフェニンヘンの砂浜に突き出す桟橋と展望台。遠そうだったので先までは行かず。


冷風がびゅんびゅん吹きすさぶオフシーズンにもかかわらず、砂浜沿いのオープンレストランはほとんどが通常営業している様子でした。


最も中心地に構える最上級、クアハウス・ホテルの正面。


ここはその昔、ローリング・ストーンズが構内でライブをやったこともある、歴史あるホテルだそうです。

もちろんこんな高いホテルに泊まったわけではなく、実は、HRSで予約したホテルに行ってみると閉鎖されていて人影がなく、入り口には「水漏れのため休業します。予約客は○○ホテルを手配しましたので、そちらに行ってください」という張り紙が。けっこう遠いじゃないか、行ってください、じゃないだろーが。うちはレンタカーだったのでまだよかったですが、これじゃ普通途方にくれますよ。予約は無事トランスファーされていて、同じ値段で泊まれたのでまだラッキーだったのかもしれません。部屋はファミリールームで広かったものの、清掃はいいかげん、暖房は壊れていてすきま風が寒く、夏のハイシーズンの長期滞在にはよいのかもしれませんが、極寒のオフシーズンには一泊が限度でした。HRSにはもちろんクレームを入れましたとも。


スへフェニンヘンの海岸沿いは怪しげなオブジェでいっぱい。これは、巨大な割れた仮面が地面に突き刺さっています。


ビーチ近くではカトゥーニッシュなシリーズアートが、なかなか存在感あって良い味を出してました。


溺れてます。


おいおい。


足くっさー。


兄ちゃん、ビーチリゾートでそんなに悩まんでも。


ダイナミックに魚を食らう巨人。


これは、意味不明…。


I LOVE+都市名のTシャツなんか生まれて初めて買いましたが、「アイ・ラブ・スケベニンゲン」、これだけは絶対に買わねばと、オフシーズンで土産物屋もほとんど閉まっている中、ほうぼう探してやっと見つけました。といってもこれを分かってくれる人はどんだけいるか…。

オランダ旅行その1:ユトレヒトのカフェ2013/03/23 23:59

今回のオランダ旅行は仕事がらみもあったため、アメルスフォールト→ユトレヒト→デン・ハーグ→スヘフェニンヘン→アムステルダムというヘンテコなルートでした。とは言え、最初の3つはほとんど散策の時間もなく。



ユトレヒト大聖堂も遠くから見るだけで、夕食時に運河沿いを少し歩くだけが関の山。
夕食は、近くにあったToque Toqueというカフェレストランに入ってみました。


中はオシャレな内装。このシャンデリアなども目を引くし、素敵です。



壁にかかった絵も、ありきたりではなく、まるでギャラリーのよう。


メニューカードはオランダ語のみでしたが、ウェイターの兄ちゃんが一所懸命英語で説明してくれました。上の写真は牛ヒレの串焼き、パプリカソース。インドネシアンテイストが入ったモダン・ダッチ、何でしょうかね。妻が注文した普通のステーキより断然ユニークで美味しかったです。


デザートには、オランダに来たらこれは欠かせない、チーズプレート。トリュフ入りハニーが添えてあります。オランダは、全般的に料理はイマイチですが、パンとチーズはヨーロッパの中でも屈指だと思いました。

コンセルトヘボウ管/ドヌーヴ:マルタンのオラトリオ「ゴルゴタ」2013/03/22 23:59


2013.03.22 Concertgebouw (Amsterdam)
Stéphane Denève / Royal Concertgebouw Orchestra, Amsterdam
Susan Gritton (soprano), Kate Aldrich (mezzosoprano)
Yann Beuron (tenor), Laurent Naouri (baritone), Vincent Le Texier (bass)
Netherlands Radio Choir
1. Frank Martin: Golgotha

オランダ旅行のおり、家族にも是非見せてあげたかったコンセルトヘボウに皆で行ってみました。おり良くRCOの演奏会があったのですが、マルタンのオラトリオ「ゴルゴタ」という超マニアックな演目・・・。まあ、それしかなかったので仕方がありません。

コンセルトヘボウの音響はやっぱり素晴らしく、後ろのほうの席でもまろやかに、ふくよかに、絶妙のバランスとデュレイションで心地よく響いてきます。全く馴染みのない、しかも苦手な宗教曲なので細かいことは何も言えませんが、オケもコーラスも完璧なアンサンブルで、しかも全てが結合し一体化しています。縦の線の乱れは感じられず、指揮者の統率力は相当なものと見ました。フランス人指揮者のドヌーヴはロンドンでも時々見る顔ですが演奏を聴くのは初めて。写真によっては新喜劇の芸人かと思うくらい「オモロイ」顔が、全然芸術家っぽくなくてちょっと見くびっていたのですが、実物は全く印象が違って、厳しく精悍な顔つきの全く職人風指揮者でした。ソリスト陣は私の知ってる名前がありませんでしたが、皆さん地味ながらも危なげない歌唱で、敬虔な品格を保っていました。

しかし、この曲目はさすがに子供にはキツそうで、それに加えて今日は家族全員体調がすぐれなかったのと、娘の空腹が終演までもちそうになかったので(コンセルトヘボウの開演時刻は20時15分)、前半が終わった休憩中に、後ろ髪引かれながらも家長として途中リタイアの決断をしました。家族でここに再び来ることはもうないかもしれませんが、コンセルトヘボウの内装と音響に直に触れるという目的はまあ達成したので、今回はしゃーないです。

プラハの拷問博物館と蝋人形館2013/03/04 23:59

前から通るたびに気になっていた、プラハ旧市街の拷問博物館と蝋人形館。出張中に夕方時間ができたので、思い立って行ってみました。


この二つのアトラクションはディスカウント共通チケットがあります。まずは拷問博物館から。


火あぶりにされる女の人。


宙づりのかごの中で白骨になるまで放置される人々。

とまあ、いろいろありましたが、ほとんど写真を撮る気にならないようなものばかり。エグい、恐い、のではなくて、全くしょーもない。マダムタッソーかロンドンダンジョンのようなものを想像していましたが、 期待ハズレでした。


次は同じ並びのすぐ近くにある、蝋人形館。


こちらも、人気(ひとけ)がない分、不気味ではありました。チェコ歴史上のロイヤルファミリーのようです。


当時の道化の衣装。本当かな、という気がします。ちょっと眉唾。


魔法使いと土の巨人。チェコではこれも歴史なの?


古代エジプトの棺桶のようですが、そのわりには女性はモダンだ…。


チェコの著名人シリーズでは、画家・デザイナーのアルフォンス・ムハ(ミュシャ)。


ドヴォルザークとスメタナ。


カフカ。


血塗られたコミュニスト系独裁者たち。


かの有名な独裁者は、一人暗闇のケースの中で叫んでいました。


無邪気にブランコに乗るアインシュタイン。


芸能シリーズで、シュワちゃん。このあたりになると、テレビで実物をよく見知った人がモデルなので、その「ビミョー感」が気になって仕方がありません。


チェコの著名スポーツ選手。右のナブラチロワはわかるぞ。あとはさっぱりですが。


ミュージシャンシリーズ。なんだか哀愁が漂ってます。

うーむ、ここも一回見たら、もう十分でしょう。久しぶりにロンドンのマダムタッソーに行きたくなりました。


おまけ。カレル橋の途中にある、聖ヤン・ネポムツキーの遺体が川に投げ落とされた場所だというオブジェ。「愛の南京錠」がいっぱいかけられてました。まあ、ヨーロッパではよくある風景ですが。


市庁舎の塔に初めて上り、旧市街広場を見下ろす。 絶景かな。

イスタンブール(トルコ)2013/03/03 23:59

初トルコだったので写真をちょっとだけ。イスタンブールは南国というイメージでしたが、ロンドンと同じくらい寒かったので驚きました。


今回旧市街の観光地には行けませんでした。新市街はモスクに混じって高層ビルが建ち並ぶ大都会ですが、目下急発展中のイスタンブール、まだまだ町じゅうが「工事中」という感じでした。


タクシム広場は数年前に自爆テロがあった場所。このあたりも大規模工事中で泥だらけでした。



タクシム広場に立つ共和国記念碑。


路面電車もなかなか風情があります。


町の一角、コンビニエンスストアのような何でも屋さん。


焼き栗は大粒で美味しかったです。イスタンブールの風情は、町並みといい建物といい、モスクを除けば全く南ヨーロッパの雰囲気です。今回イスタンブールのアジア側にも行きましたが、こちらもビル・住宅の建設ラッシュで、特にアジアンテイストはありませんでした。トルコも、もっと東に行けばガラッと様子が変わるんでしょう。

楽しみにしていた本場のケバブは、高級・中級・低級といくつか試しましたが、どこで食べても期待はずれ、がっかりでした。スパイシーが足らず、オイリーなわりには薄味で、自分で好みの味付けをする、というか、そうしないと味がキマらないのは英国スタイルを真似てるんでしょうか。正直、ロンドンのケバブ屋(もちろん美味しい店限定)が恋しくなりました。