ブダペストのスイーツ2題:レーテシュハーズとマローディ・ツクラースダ2011/11/11 23:59

ブダペスト旅行の続き。

ランチを取ろうと「10月6日通り」をぶらぶら歩いているときにふと目に入ったのが、Első Pesti Rétesház


意味は「ペシュト地区で最初のレーテシュ(シュトゥルーデル)ハウス」。そう言えばスイーツ好きのハンガリー人の友人に噂話を聞いたような気もするけど、私がこの店のことを知らなかったのも当然で、名前からして100年以上の歴史を誇る超老舗かと思いきや、開店は2007年とのこと。めっちゃ新しいやん。ただし建物はナポレオンのロシア遠征の時期の1812年に建てられたもので、内装にも凝ってハンガリーの伝統を後世に残すというコンセプトがあるみたいです。

しかし、開店が2007年と聞くと気になるのが、「ここ以前にペシュト側には本当にレーテシュハウスはなかったのか?」ということ。実際、ブダ側には王宮の近くにレーテシュ屋さんがありましたし、確認のしようがないものの、1件だけでは絶対にないはず。1812年創業ならともかく2007年開店で「ペシュトで最初の」というのはだいぶ眉唾の気もしますが、まあ、味が良いなら、細かいことは気にしないことにしましょう。

レーテシュとドイツ語圏(特にオーストリア)のシュトゥルーデルは基本的に同じものです。元々このあたりの地域で広く食されていた伝統菓子で、どちらがルーツということはないそうですが、ハンガリーのレーテシュにはサワーチェリー、ケシの実、羊のカッテージチーズといった地域特有の材料を使ったものがいろいろあり、バラエティに富んでいます。また、甘いものだけでなくキャベツが入ったレーテシュもあります。



レーテシュを巻いて焼くところはオープンキッチンになっていて、手慣れたおじさんが目にも止まらぬ早さで生地を薄く伸ばして、具材を乗せてくるくるっと巻いていき、あっというまにオーブン行き。


定番のアルマーシュ(リンゴ)レーテシュ。要はアプフェル・シュトゥルーデルですが、ウィーンで食べるよりも生地が薄くてさくっとして、リンゴは甘すぎずほどよい酸味が残って、なかなかレベルの高いレーテシュでした。ランチに入ったので、実はレーテシュはこれしか食べてません。本当はハンガリー産のサワーチェリーが食べたかったのですが品切れでした。

10月6日通りは観光客がよく通る場所ではないので、お客は地元の人か、団体客でした。奥の部屋ではレーテシュ作りの実演や体験もできるプログラムがありました。写真は撮り損ねましたがランチのハンガリー料理も美味しかったです。店の雰囲気や接客態度もよく、ローカル相場より値段は高めですが、レストランとしてもオススメできるお店です。



もう一つ、スイーツ好きのハンガリー人の友人が最近Wall Street Journalを読んでいたら「今ブダペストで最高のクレーメシュ・セレト(クリーム入りの四角いケーキ)が食べられるお店」という紹介記事を見つけたので、と、誘われて行ったMaródi cukrászdaというケーキ屋。マルギット橋のすぐ近くのペシュト側にあります。


これがその噂のクレーメシュ・セレト。懐かしい、素朴な味わいです。私にはハンガリアンスイーツの良し悪しはよくわからんのですが、彼は家族の分も後で持ち帰りで買っていたので、評判通り美味しかったんでしょう。


私が選んだのはトゥーロシュ(羊のカッテージチーズ)・セレト。これもほどよい甘さ。セレトは素朴過ぎて違いがよくわからず、正直あまり好んで食べなかったし、甘過ぎるのはNG、くらいの判断基準しか持ち合わせてないですが、これはなかなか良かったです。


こちらはジェルボー・セレト。うーん、これは私には甘過ぎるかな…。ブダペスト旅行で歩き過ぎて疲れたときは、こういう素朴なスイーツもよいのではないでしょうか。