スティーヴ・スミス&ヴァイタル・インフォメーション@ロニー・スコッツ ― 2026/06/27 23:59

2026.06.27 Ronnie Scott’s Jazz Club, Main Stage (London)
Steve Smith & Vital Information
Steve Smith (drums, konnakol)
Manuel Valera (piano, Fender Rhodes, Hammond B3 organ, synths)
Janek Gwizdala (electric bass)
1ヶ月ぶりのロニー・スコッツは、スティーヴ・スミスがジャーニー在籍時の1983年に結成したジャズ・フュージョンバンド、ヴァイタル・インフォメーション。ジャズドラマーとしてステップス・アヘッドやプレイヤーズでの活躍も評価されつつ、基本的にはやっぱり「元ジャーニー」という肩書きで語られる人で、ヴァイタル・インフォメーションがスティーヴ以外のメンバーはガラリと入れ替わりつつも40年以上に渡って商業的に活動できているのは、ひとえにその看板があってのことなんじゃないかと思います。
ロニー・スコッツ初心者につき色々試しているところ、今日はあえてRestricted Viewの席にしてみました。前回のStandard席は肝心のドラムが柱の影で見えず欲求不満が残ったので、ちょっと不安を感じていましたが、今日はステージにグランドピアノが入ったおかげでドラムの位置が変わり、柱に遮られることなく見通せるようになったのがラッキーでした。Sonorのドラムにジルジャンのシンバルを合わせたセットは、シンバルの位置も低く、至ってコンパクトでオーソドックス。特徴といえばブラシ用にスネアが二つあったことくらいでしょうか。
スティーヴ・スミスの生ドラムを聴くのは初めてですが、ドラムスタイルはジャーニーの面影など全くない、完全なジャズドラマーでした。ジャーニー時代のプレイはレコードで刷り込まれるほど聴いていますが、シンプルにビートを刻みつつも、安定したグルーヴ感が心地よい、非常に基本がしっかりしている(とアマチュアが評価するのも失礼ですが)ラウド系ロックドラマーという印象でしたが、リアルなスティーヴは、音が特別ラウドなわけでもなく、頻繁にグリップをマッチドからレギュラーに持ち替えて、ブラシも多用し、プレイ自体は既存のジャズプレイからはみ出ない極めてスタンダードなスタイル。この人しかできない、というような特殊技術のスーパープレイはない代わりに、手数自体は多いので全体的に「脈絡なく音が多くてうるさいドラム」という印象を持ちました。
曲はヴァイタル・インフォメーションのアルバム(いっぱいあるんですね、知りませんでした)からの選曲のほか、ステップス・アヘッド「Sumo」、サウンドガーデン「Black Hole Sun」のカバーに加えて、ジャーニーの「Don't Stop Believin'」「Who's Crying Now」もカバーしてました。ただしジャーニーはほとんど原型を留めないジャズアレンジで、言われなかったらわからないかも、というレベルのカバーでしたが。ドラムスタイルは全く変わっても、やはりジャーニーの看板は捨てられません。
ヴァイタル・インフォメーションのバンド歴は40年以上あるものの、現在のメンバーは2020年から。初期にはマイク・スターン、フランク・ギャンバレといったスーパーギタリストが参加していましたが、今はピアノトリオの編成です。ピアノとキーボードのマヌエル・バレラはキューバ出身、シンセの音作りがちょっと濁っている気がしました。ベースのヤネク・グウィズダラは、名前はポーランド系ですがイギリス出身の人気ベーシストとのこと。いずれにしてもこのバンドはスティーヴ・スミスが中心であってほかのメンバーはあくまで彼のサポートに徹することを要求され、スリーピースとしてのバランスは悪く、スリリングさに欠ける気がしました。先日のデイヴ・ウェックルは実質のリーダーがベースのトム・ケネディでしたので、ドラムをフィーチャーしつつも緊張感あるバランスを保っていたと思いました。もちろんスティーヴ・スミスの卓越したテクニックとコナッコル(口ドラム)は一聴の価値があると思いましたが、またぜひ聴きたいかと言うと…。すいません。
とこれを書いている今、ちょうどテレビで「Separate Ways」のビデオクリップが流れていて、見入っていますが、スティーヴは当時からレギュラーグリップ中心で、バンドでも一番長髪だったんですねえ…。今はその片鱗なくツルツルのボールドヘッドですがww。
おまけ。チャイナタウンはお祭り。

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