超久々に「ガープの世界」を35ミリフィルムの映画館で2023/10/31 23:59



「ガープの世界」<35ミリで蘇るワーナーフィルムコレクション>
Bunkamura ル・シネマ宮下坂下

先日オーチャードホールに行った際に置いてあったチラシで知った映画イベントです。1968年のスティーブ・マックイーン主演「ブリット」から2011年の「ラブ・アゲイン」までの幅広い年代から計15作品をピックアップし、35ミリフィルムで上映します。この中に私の大好きな「ガープの世界」を発見し、大スクリーンで見る機会はもうないだろうと思い、ハロウィンで大騒ぎの渋谷まで出かけました。

Bunkamuraの映画館ル・シネマは再開発のため今年4月から閉鎖され、宮下坂下の渋谷東映プラザに移転しています。7階のスクリーンは268席と、前のル・シネマと比べるとずいぶんゆったりとした空間で、座席も心地よく快適。今時の映画館はほぼ全てデジタル上映なので、35ミリフィルムの傷と揺れ、パチパチノイズ、独特の字体で手書きの大きな字幕など、何十年の間忘れていた、昔の洋画の懐かしい感覚が蘇りました。もちろんフィルムの状態もあって、一部聴きづらい箇所や見にくい字幕がありましたが、鑑賞の妨げにはなりませんでした。

この「ガープの世界」は1982年のジョージ・ロイ・ヒル監督作品、原作ジョン・アーヴィングで、主演のロビン・ウィリアムズの出世作になりました。私がこの映画を知ったきっかけは同じくアーヴィング原作の「ホテル・ニューハンプシャー」(1984)をたまたまテレビで見て非常に気に入り、遡ってレンタルビデオで「ガープの世界」も借りて鑑賞し、結局どちらもセルVHSを買ってのめり込んだものです。しかし名画座などの映画館で見たことはなく、今回の機会に感謝です。それにしても、「ホテル・ニューハンプシャー」は今でもたまにテレビでやってたりしますが、「ガープの世界」のほうは地上波でもBSでもテレビでやってるのをみたことがありません。ビートルズの曲を使ってしまっているので、テレビはいろいろ権利関係が面倒なのかなと思っていました。

そんなわけで、たいへん久しぶりに「ガープの世界」を見たのですが、長大な原作からエピソードをばっさりと刈り込み、この複雑でヘンテコな話をテンポよく進めていくヒル監督の熟練があらためて素晴らしいと思いました。今更気づいたのですが、ジェニーの両親役のヒューム・クローニンとジェシカ・タンディは、実生活でも夫婦ですね。「フライド・グリーン・トマト」も大好きな映画なのに、ジェシカ・タンディがこっちにも出ていたのを全く忘れていました。このご夫婦と、ヒル監督、そしてロビン・ウィリアムズが故人で、調べるとアーヴィングも含めてあとは概ねご存命なので、返す返すもウィリアムズが鬼籍のほうに入っているのは残念です。

今回の密かなお目当ては、かつてとっても大好きだった女優、クッシー役のジェニー・ライトの瑞々しい美しさを大スクリーンで再び見れたこと。このあと「ピンク・フロイド/ザ・ウォール」「セント・エルモズ・ファイア」「ヤング・ガン2」「バーチャル・ウォーズ」などいくつかの作品で爪痕を残していますが、しかしそこそこの中堅若手からブレークすることはなく、気がつけばピークを過ぎて見ることがなくなってしまいました。登場時間は短かったものの、やはりクッシーのインパクトが最高です。

ハチ公広場が封鎖されていたので、宮下坂下に人が溜まっていました。

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