Boldog Uj Evet!2015/01/01 00:00


あけましておめでとうございます。本年もどうかよろしくお願い申し上げます。

年末年始は京都で過ごす予定が、出発直前に娘が発熱、インフル陽性が出て、帰省自体ふっとんでしまいました。まあしかし、私も妻も年末から体調崩し気味だったので、これも怪我の功名、おかげでのんびり骨休めできてます。

帰国して、はや1年半。テレビでロンドンやヨーロッパの馴染みの風景を見るたび、この中に日常の生活があったのだなあという実感が、日に日に薄れていくのを感じます。一方で、広めの自宅風呂にゆったりと浸かっている時とか、ウォシュレットを使っている時とか、ホイップクリームたっぷりのふんわりしたエクレアをほおばる時とか、あーやっぱり日本はいいなあとしみじみ思う瞬間は数知れず。もちろん、日本に帰って寂しいなと思う瞬間も、スーパーやデパートでろくなチーズ・ハムが買えないときなどいろいろとありますが。ロンドンの、特にあの家には、戻りたいとは決して思いませんですなー。

前にハンガリーから帰国した時は、記憶がもっとヴィヴィッドにいつまでも残っていた気がします。今から振り返ると、ブダペスト生活は楽しかった思い出しかなく、冷静に見てその100倍は便利だったはずのロンドン生活は、がんばって楽しく過ごし、何とか乗り切った日々、と言うほかないです。

もし、世界のどこでも好きなところを選んで暮らして良い、というご褒美がもらえるとしたら、ウィーンに住み、1、2か月に1回ブダペストに行って温泉と食事を堪能し、年に1、2回ロンドンに旅行して買物と観劇に勤しむ、という生活が、この上なく最高と思います。

妄想はともかく、新年にあたり、皆様におかれましては、明るく健やかに過ごされますことを心より祈願しております。

今年もブログ更新は相変わらず滞り気味かもしれません・・・。

なお写真は初日の出でも何でもなく、ちょうど10年前にブダペストで住んでいたフラットのベランダから撮影した冬の朝日です。

読響/下野竜也/小森(マリンバ):エネルギーのないマーラー2015/01/23 23:59

2015.01.23 東京芸術劇場コンサートホール (東京)
下野竜也 / 読売日本交響楽団
小森邦彦 (marimba-1)
1. 武満徹: ジティマルヤ
2. マーラー: 交響曲第5番嬰ハ短調

今年最初の演奏会です。マーラーと武満という取り合わせは、翌日から始まる山田和樹/日フィルのマーラーチクルスをちゃっかり先取りしたかのようなプログラムですが、別に今年はどちらの記念イヤーでもないし、まああまり意味なく偶然なんでしょうね。

「ジティマルヤ」はマリンバ独奏とヴァイオリンを欠く変則編成のオケによる協奏曲風の作品。初めて聴く曲でしたが、指揮者の譜面台に置かれたスコアの巨大さから、どんだけ複雑怪奇で濃いいサウンドが出てくるんだと思いきや、一貫して室内楽的な透明感。不協和音がそのうち心地よく響いてくるような不思議な突破力があります。ただ、私は打楽器奏者の端くれでありながらマリンバにはどうも魅力を感じることがないので、引き込まれることもなく。

メインのマーラー5番はほぼ2年ぶり。下野さん、昨年のブルックナーが良かったので大いに期待したのですが、ちょっと期待外れ。指揮は懇切丁寧で、致命的な破綻はないし、むしろオケは大きい音でよく鳴っていたのですが、全体を通してどこか醒めた演奏。事故なく無難にこなす以上のことをやる気がないというか、完全に守りに入っていて、音の線も細い。曲の軽さがそのまま浮き彫りになってしまった、何とも面白みに欠ける演奏でした。やはりマーラー演奏は、オケと丁々発止しながら、予定調和ではないエネルギーの発揚を引き出すことが大事なのだな、という認識を強くしました。

退屈すると、興味は美人奏者探しに走ってしまうのですが、今日はホルン、トロンボーン、打楽器、チェロ、コンバス各々に若くて可愛らしい女性を見つけました。見慣れない顔だったので(まあ私は人の顔がなかなか覚えられないのでアテになりませんが)、皆さんトラだったのかも。