コンセルトヘボウ管/ドヌーヴ:マルタンのオラトリオ「ゴルゴタ」2013/03/22 23:59


2013.03.22 Concertgebouw (Amsterdam)
Stéphane Denève / Royal Concertgebouw Orchestra, Amsterdam
Susan Gritton (soprano), Kate Aldrich (mezzosoprano)
Yann Beuron (tenor), Laurent Naouri (baritone), Vincent Le Texier (bass)
Netherlands Radio Choir
1. Frank Martin: Golgotha

オランダ旅行のおり、家族にも是非見せてあげたかったコンセルトヘボウに皆で行ってみました。おり良くRCOの演奏会があったのですが、マルタンのオラトリオ「ゴルゴタ」という超マニアックな演目・・・。まあ、それしかなかったので仕方がありません。

コンセルトヘボウの音響はやっぱり素晴らしく、後ろのほうの席でもまろやかに、ふくよかに、絶妙のバランスとデュレイションで心地よく響いてきます。全く馴染みのない、しかも苦手な宗教曲なので細かいことは何も言えませんが、オケもコーラスも完璧なアンサンブルで、しかも全てが結合し一体化しています。縦の線の乱れは感じられず、指揮者の統率力は相当なものと見ました。フランス人指揮者のドヌーヴはロンドンでも時々見る顔ですが演奏を聴くのは初めて。写真によっては新喜劇の芸人かと思うくらい「オモロイ」顔が、全然芸術家っぽくなくてちょっと見くびっていたのですが、実物は全く印象が違って、厳しく精悍な顔つきの全く職人風指揮者でした。ソリスト陣は私の知ってる名前がありませんでしたが、皆さん地味ながらも危なげない歌唱で、敬虔な品格を保っていました。

しかし、この曲目はさすがに子供にはキツそうで、それに加えて今日は家族全員体調がすぐれなかったのと、娘の空腹が終演までもちそうになかったので(コンセルトヘボウの開演時刻は20時15分)、前半が終わった休憩中に、後ろ髪引かれながらも家長として途中リタイアの決断をしました。家族でここに再び来ることはもうないかもしれませんが、コンセルトヘボウの内装と音響に直に触れるという目的はまあ達成したので、今回はしゃーないです。