ベオグラード(セルビア)2013/03/01 23:59

初のセルビアです。去年の話ですが、なかなか書けず放置してました。セルビアは、バルカン諸国が次々と分離独立する中、最後まで「ユーゴスラヴィア連邦」に留まっていましたが、ユーゴ紛争が落ち着いた後の2003年に「セルビア・モンテネグロ」に移行し、結局はこれも分裂して、今のセルビアになりました。

首都ベオグラードは東欧の空気をまだ色濃く残す町でした。特に夜になると暗い街灯にぼうっと浮かび上がる落書きだらけの煤けたビル壁が、いかにも東欧。初めて行った頃のブダペストを思い出しました。


ブランコ橋の上から臨むベオグラードの旧市街。下を流れるサヴァ川はこのすぐ先でドナウ川と合流します。そう、ドナウ川はベオグラードも通っていたのです。


これといった観光名所はあまりなさそうでした。これは大聖堂のように見えて、実は国会議事堂。


セルビアの宗教はカトリックともプロテスタントとも違い、セルビア正教会です。これは聖マルコ協会。中は禅宗のお寺のごとく質素で寡黙、とても写真を撮る雰囲気ではありませんでした。


町を歩いていると廃墟のようなビルがけっこうたくさんあります。これなどはまだましなほうですが、ユーゴ紛争の際NATOに爆撃されたビルをそのまま残しているところもあるそうです。


壁一面に描かれたアーティスティックな落書き?も、東欧ならではという感じがします。


これもよく描けてます。


これなどは全く落書きでしょうけど、ここまでやると、行政も消すのがもったいないのかな、と思ってしまいます。

リガ(ラトヴィア)2013/03/02 23:59

これも昨年末の記録です。一度は行ってみたいと思っていたバルト三国、できれば夏に行きたかったです…。緯度で言うとイギリスではアバディーンあたりですか。さすがにロンドンとは気候が違い、着いた日は猛吹雪でした。


雪が落ち着いたのでホテル周辺の旧市街を散策。大聖堂前のクリスマスマーケットも人通りはまばらです。


木彫りのオジサン達が寒い中なんとかマーケットを賑わしてい…ませんね、これでは。


右がハンザ同盟の本拠地ブラックヘッド会館、左が聖ペテロ教会。


聖ペテロ教会の展望台は開いてましたので、上ってみました。一面の雪景色ですが、夏ならオレンジの屋根がもっと奇麗なんでしょうねえ。



ラトヴィアはマリス・ヤンソンス、ギドン・クレーメル、エリーナ・ガランチャ、ミッシャ・マイスキーなどけっこう有名な音楽家を輩出してます。夜にクレーメル率いるクレメラータ・バルティカの演奏会をやっていたので当日券を探しましたが、残念ながらソールドアウトで買えず。バルトの宝石と呼ばれるリガ、次は冬以外に来てみたいものです。


おまけ、ホテルの壁に描いてあった悪趣味なアート。ネズミは嫌いだ…。

イスタンブール(トルコ)2013/03/03 23:59

初トルコだったので写真をちょっとだけ。イスタンブールは南国というイメージでしたが、ロンドンと同じくらい寒かったので驚きました。


今回旧市街の観光地には行けませんでした。新市街はモスクに混じって高層ビルが建ち並ぶ大都会ですが、目下急発展中のイスタンブール、まだまだ町じゅうが「工事中」という感じでした。


タクシム広場は数年前に自爆テロがあった場所。このあたりも大規模工事中で泥だらけでした。



タクシム広場に立つ共和国記念碑。


路面電車もなかなか風情があります。


町の一角、コンビニエンスストアのような何でも屋さん。


焼き栗は大粒で美味しかったです。イスタンブールの風情は、町並みといい建物といい、モスクを除けば全く南ヨーロッパの雰囲気です。今回イスタンブールのアジア側にも行きましたが、こちらもビル・住宅の建設ラッシュで、特にアジアンテイストはありませんでした。トルコも、もっと東に行けばガラッと様子が変わるんでしょう。

楽しみにしていた本場のケバブは、高級・中級・低級といくつか試しましたが、どこで食べても期待はずれ、がっかりでした。スパイシーが足らず、オイリーなわりには薄味で、自分で好みの味付けをする、というか、そうしないと味がキマらないのは英国スタイルを真似てるんでしょうか。正直、ロンドンのケバブ屋(もちろん美味しい店限定)が恋しくなりました。

プラハの拷問博物館と蝋人形館2013/03/04 23:59

前から通るたびに気になっていた、プラハ旧市街の拷問博物館と蝋人形館。出張中に夕方時間ができたので、思い立って行ってみました。


この二つのアトラクションはディスカウント共通チケットがあります。まずは拷問博物館から。


火あぶりにされる女の人。


宙づりのかごの中で白骨になるまで放置される人々。

とまあ、いろいろありましたが、ほとんど写真を撮る気にならないようなものばかり。エグい、恐い、のではなくて、全くしょーもない。マダムタッソーかロンドンダンジョンのようなものを想像していましたが、 期待ハズレでした。


次は同じ並びのすぐ近くにある、蝋人形館。


こちらも、人気(ひとけ)がない分、不気味ではありました。チェコ歴史上のロイヤルファミリーのようです。


当時の道化の衣装。本当かな、という気がします。ちょっと眉唾。


魔法使いと土の巨人。チェコではこれも歴史なの?


古代エジプトの棺桶のようですが、そのわりには女性はモダンだ…。


チェコの著名人シリーズでは、画家・デザイナーのアルフォンス・ムハ(ミュシャ)。


ドヴォルザークとスメタナ。


カフカ。


血塗られたコミュニスト系独裁者たち。


かの有名な独裁者は、一人暗闇のケースの中で叫んでいました。


無邪気にブランコに乗るアインシュタイン。


芸能シリーズで、シュワちゃん。このあたりになると、テレビで実物をよく見知った人がモデルなので、その「ビミョー感」が気になって仕方がありません。


チェコの著名スポーツ選手。右のナブラチロワはわかるぞ。あとはさっぱりですが。


ミュージシャンシリーズ。なんだか哀愁が漂ってます。

うーむ、ここも一回見たら、もう十分でしょう。久しぶりにロンドンのマダムタッソーに行きたくなりました。


おまけ。カレル橋の途中にある、聖ヤン・ネポムツキーの遺体が川に投げ落とされた場所だというオブジェ。「愛の南京錠」がいっぱいかけられてました。まあ、ヨーロッパではよくある風景ですが。


市庁舎の塔に初めて上り、旧市街広場を見下ろす。 絶景かな。

ロイヤルバレエ:不思議の国のアリスの冒険2013/03/15 23:59

2013.03.15 Royal Opera House (London)
Royal Ballet: Alice’s Adventures in Wonderland
David Briskin / Orchestra of the Royal Opera House
Christopher Wheeldon (Choreography)
Sarah Lamb (Alice) Federico Bonelli (Jack/The Knave of Hearts)
Edward Watson (Lewis Carroll/The White Rabbit)
Zenaida Yanowsky (Mother/The Queen of Hearts)
Christopher Saunders (Father/The King of Hearts)
Alexander Campbell (Magician/The Mad Hatter)
Eric Underwood (Rajah/The Caterpillar), Gary Avis (The Duchess)
Ricardo Cervera (Vicar/The March Hare), James Wilkie (Verger/The Dormouse)
Kristen McNally (The Cook), Ludovic Ondiviela (Footman/Fish)
Kenta Kura (Footman/Frog), Leanne Cope, Beatriz Stix-Brunell (Alice's Sisters)
Philip Mosley (Butler/Excutioner)
James Hay, Dawid Trzensimiech, Valentino Zucchetti (The Three Gardeners)
1. Joby Talbot: Alice’s Adventures in Wonderland

ロイヤルバレエ団20年ぶりの新作フルレングスバレエとしてお披露目も華々しかった「不思議の国のアリス」も、早3シーズン目。今年の日本ツアーにも持って行くくらい、自信の定番レパートリーとして急速に定着しつつあります。プレミエの年は見れず、去年Aキャストで2回見たので、これで3回目ですが、考えたあげく、やっぱり今年もAキャストの初日狙いにしました。しかーし、蓋を開けてみたらタイトルロールのカスバートソンがラムに交代、さらには何よりショックなのがマッドハッター、マクレー様の降板…。妻号泣。去年降板で見れなかったヤノウスキーがちゃんと出てきてくれたのが救いでした。

去年とは振りや演出が変わっている箇所がいくつかあるような気がしたので、毎年毎回いろいろと修正を加えながらブラッシュアップしているのでしょう。当たり役のカスバートソンも可憐なアリスでしたが、純白人系ドールのような可愛さではラムはむしろその上を行くと思います。ミックスビル以外でラムを見るのは初めての気がするんですが、テクニックや演技力を大仰に誇示するのではない、コンパクトで無駄のない造作が好ましいと感じました。ヤノウスキーはさすがに役者で、エキセントリックかつコミカルな役所でありながら、わざとらしさを一切感じさせないナチュラルな表情とダンスでそれを表現し切ったのは全く素晴らしい。初演のメインキャストという強みもあるのでしょうが、やはりこれを見てしまうと、昨年のモレラはずいぶん無理な誇張をしたキャラクター作りだったのかなあと思ってしまいます。だからダメだというのではなくて、多分子供の観客にはモレラのほうがよりカトゥーニッシュでウケるかもしれません。マッドハッターのキャンベルは、残念ながら、とても残念だったとしか言いようがありません。やはりマクレーのタップダンスは特異な才能なのだなとあらためて思い知りました。この演目、まずは何よりマッドハッターのキャスティングをチェックしないといけないでしょう。

この演目はバレエ団総動員の賑やかさで、日本人メンバー(ユフィちゃん含む)も全員出ていました。初めて見る東洋系の若い男の子がいたのですが、それが噂のアクリ・ルカ君でしょうか?




6番ひかるさん、7番ユフィちゃんは今年も変わらないようです。そう言えば、ボネッリとひかるさんはペアで踊ることはないものの、しょっちゅう夫婦共演してますね。


ユフィちゃんと平野さんは最近よく組んでます。も、もしや…。


ラムとボネッリのさわやかペア。


指揮者のブリスキン。気を抜くとすぐにとろけてしまうオケを手堅く引き締めていました。


大人気のヤノウスキー。



カーテンコールの後、再び幕が開き、今月でROHのチーフ・エグゼクティブを退任してBBCに戻るトニー・ホール氏の記念レセプションがありました。

ロサンジェルスフィル/ドゥダメル:至高のオケの「火の鳥」2013/03/17 23:59


2013.03.17 Barbican Hall (London)
Gustavo Dudamel / Los Angeles Philharmonic
1. Vivier: Zipangu
2. Debussy: La mer
3. Stravinsky: Firebird (complete)

2年ぶりのロスフィルです。さすがのドゥダメル人気に加え、今回のシリーズでクラシカルな演目はこの日しかなかったので早々にソールドアウト。リターンでポコっと1枚出てきた最上位席を、すかさず清水の舞台から急降下してゲットしました。プログラムのコンセプトは、エポックメイキングなフランスもの、といったところでしょうか。

1曲目「ジパング」の作曲者クロード・ヴィヴィエを私は名前すら知らなかったのですが、シュトックハウゼンに師事したカナダの現代音楽作曲家で、1983年に34歳の若さで会ったばかりの「男娼」に刺し殺されるというスキャンダラスな非業の死でもよく知られている人だそうです。小編成の弦楽合奏のための「ジパング」はもちろん日本を意識した曲。のっけから弦をわざと軋ませる特殊奏法を駆使した、ちょっと音の濁った笙を思わせる響きで始まり、最初はペンタトニックな民謡調の旋律で進むのかと思いきや、すぐにトーンクラスター的になったり、ヘテロフォニー的であったり、盛りだくさんに怪しげな展開を見せます。雅楽を意識したような作りはまるで日本人作曲家の現代音楽みたいな感覚ですが、違うのはリズム。この人工的な拍子感は東洋よりも西洋のものです。まあ、よくわからないながらも面白い曲でした。

続くクロード・ドビュッシーの「海」は、好んで聴きに行くわけではないのに聴く機会の多い曲で、ちょい食傷気味です。ドゥダメルの指揮は、切絵の紙芝居でも見ているような、分かりやすい演出。場面場面の展開がはっきりしており、カット割りの多い映画のようでした。たゆたうと流れる水の動きなど、全体の起伏は犠牲になっていたものの、その分細部に磨きをかける戦略。とにかく各奏者、ソリストがいちいち上手過ぎで、金管など余裕しゃくしゃく。オケの高度な演奏能力に感心することしきりでした。

メインの「火の鳥」も、スーパーオケのまさに至高のサウンドに脱帽、参りました。アンサンブルもソロも非の打ち所無し。特にホルンの完璧度が印象に残りましたが、木管もトランペットも、コンマスも、とにかく皆さん達者過ぎ。2年前に初めて聴いた時も、予想外に(と言ったら失礼ですが)上手いオケで驚いたのですが、今回はさらに衝撃的でした。ドゥダメルの導くサウンドは引き続きビジュアルに訴えるもので、バレエの場面がいちいち鮮やかに目に浮かびます。この演奏をそっくりそのままロイヤルオペラハウスに持ち込んで、ロイヤルバレエのプリンシパル達の踊りと融合させれば究極の「火の鳥」が完成するだろうに、などとつい妄想を膨らませてしまいました。一つのクライマックスである「魔王カスチェイの凶悪な踊り」では、本来は1919年の組曲版で初めて追加されたトロンボーンのグリッサンドをこの原典版で吹かせていたので、さらに驚きました。確かに、こういう「サービス」を誰かやってもよさそうなのに、とは以前から思っていましたが、実際にやってしまった演奏を聴くのは初めてでした。

久々に心の底から素晴らしかったと言える演奏会で、このところいつ体調を崩してもおかしくない中、休まずに行けて良かったです。それにしてもドゥダメル君は良い「楽器」を手に入れたものです。このまま長期政権を維持するなら、解釈の傾向といい、21世紀に蘇った「オーマンディと華麗なるフィラデルフィアサウンド」と言っても過言ではないかも。


相変わらず態度は控え目なドゥダメル。


めちゃ上手かったホルンのトップ、アンドリュー・ベイン。

コンセルトヘボウ管/ドヌーヴ:マルタンのオラトリオ「ゴルゴタ」2013/03/22 23:59


2013.03.22 Concertgebouw (Amsterdam)
Stéphane Denève / Royal Concertgebouw Orchestra, Amsterdam
Susan Gritton (soprano), Kate Aldrich (mezzosoprano)
Yann Beuron (tenor), Laurent Naouri (baritone), Vincent Le Texier (bass)
Netherlands Radio Choir
1. Frank Martin: Golgotha

オランダ旅行のおり、家族にも是非見せてあげたかったコンセルトヘボウに皆で行ってみました。おり良くRCOの演奏会があったのですが、マルタンのオラトリオ「ゴルゴタ」という超マニアックな演目・・・。まあ、それしかなかったので仕方がありません。

コンセルトヘボウの音響はやっぱり素晴らしく、後ろのほうの席でもまろやかに、ふくよかに、絶妙のバランスとデュレイションで心地よく響いてきます。全く馴染みのない、しかも苦手な宗教曲なので細かいことは何も言えませんが、オケもコーラスも完璧なアンサンブルで、しかも全てが結合し一体化しています。縦の線の乱れは感じられず、指揮者の統率力は相当なものと見ました。フランス人指揮者のドヌーヴはロンドンでも時々見る顔ですが演奏を聴くのは初めて。写真によっては新喜劇の芸人かと思うくらい「オモロイ」顔が、全然芸術家っぽくなくてちょっと見くびっていたのですが、実物は全く印象が違って、厳しく精悍な顔つきの全く職人風指揮者でした。ソリスト陣は私の知ってる名前がありませんでしたが、皆さん地味ながらも危なげない歌唱で、敬虔な品格を保っていました。

しかし、この曲目はさすがに子供にはキツそうで、それに加えて今日は家族全員体調がすぐれなかったのと、娘の空腹が終演までもちそうになかったので(コンセルトヘボウの開演時刻は20時15分)、前半が終わった休憩中に、後ろ髪引かれながらも家長として途中リタイアの決断をしました。家族でここに再び来ることはもうないかもしれませんが、コンセルトヘボウの内装と音響に直に触れるという目的はまあ達成したので、今回はしゃーないです。

オランダ旅行その1:ユトレヒトのカフェ2013/03/23 23:59

今回のオランダ旅行は仕事がらみもあったため、アメルスフォールト→ユトレヒト→デン・ハーグ→スヘフェニンヘン→アムステルダムというヘンテコなルートでした。とは言え、最初の3つはほとんど散策の時間もなく。



ユトレヒト大聖堂も遠くから見るだけで、夕食時に運河沿いを少し歩くだけが関の山。
夕食は、近くにあったToque Toqueというカフェレストランに入ってみました。


中はオシャレな内装。このシャンデリアなども目を引くし、素敵です。



壁にかかった絵も、ありきたりではなく、まるでギャラリーのよう。


メニューカードはオランダ語のみでしたが、ウェイターの兄ちゃんが一所懸命英語で説明してくれました。上の写真は牛ヒレの串焼き、パプリカソース。インドネシアンテイストが入ったモダン・ダッチ、何でしょうかね。妻が注文した普通のステーキより断然ユニークで美味しかったです。


デザートには、オランダに来たらこれは欠かせない、チーズプレート。トリュフ入りハニーが添えてあります。オランダは、全般的に料理はイマイチですが、パンとチーズはヨーロッパの中でも屈指だと思いました。

オランダ旅行その2:デン・ハーグとスヘフェニンヘン2013/03/24 23:59

ユトレヒトを発ち、デン・ハーグへ。私はモンドリアンが大好きなので一度は行ってみたかった町ですが、オランダに行く機会がそもそも少なく、昨年家族旅行で候補に考えたときも、妻が行ってみたいマウリッツハイス美術館が改装のため2014年まで休館になってしまうということで断念。しかし今年になって、モンドリアンの膨大なコレクションを有するハーグ市立美術館が、現在「マウリッツハイスのマスターピース」と称してその主要作品を特別展示していることを知り、これは一石二鳥、ハーグはやっぱり絶対に行かねばと思った次第です。


ハーグ市立美術館は修学旅行か遠足とおぼしき学生の集団が複数おり、加えて一般客、観光客も相当数で、混み合っていました。中は撮影禁止だったので写真はなしです。マウリッツハイスコレクションは、一番有名なフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」は来てなかったものの(おそらくこいつだけは単身、資金稼ぎのために今も世界中を回っているのでしょう)、同じフェルメールの「デルフトの眺望」はしっかりありましたし、レンブラント最後の自画像や「テュルプ博士の解剖学講義」も戻って来ておりましたので、まあ、看板に偽りなしでしょう。

モンドリアンのコレクションは、この美術館が改装閉鎖中の1998年に渋谷のBunkamuraミュージアムで開催された企画展示会で、ほとんどの作品はすでに見ておりました。そのとき画集を買わなかったのがずっと心残りでしたが、15年ぶりに実物を見て、ぶわっと一気に記憶が蘇ってきたのが感動でした。でも、ここにもやっぱりモンドリアンの画集はなかった…。


ハーグと言えばもう一つ、かの有名な国際司法裁判所が設置されている平和宮。美しい前庭は現在工事中で閉鎖されていましたが、せっかくここまで来て写真の一つも撮らないわけにはいかないので、勝手に入って一枚パチリ。

ハーグでホテルを探したら高かったので、この機会にせっかくだからと、隣町のスへフェニンヘンScheveningenまで移動して宿泊しました。日本では「スケベニンゲン」という珍地名として面白可笑しく語られる場所。「ハグ」の後は「スケベ」というオヤジギャグを飛ばしたくなるくらい、何を隠そう私も、自分の勲章として一度は行ってみたいものだと思っていた町です。


スヘフェニンヘンの砂浜に突き出す桟橋と展望台。遠そうだったので先までは行かず。


冷風がびゅんびゅん吹きすさぶオフシーズンにもかかわらず、砂浜沿いのオープンレストランはほとんどが通常営業している様子でした。


最も中心地に構える最上級、クアハウス・ホテルの正面。


ここはその昔、ローリング・ストーンズが構内でライブをやったこともある、歴史あるホテルだそうです。

もちろんこんな高いホテルに泊まったわけではなく、実は、HRSで予約したホテルに行ってみると閉鎖されていて人影がなく、入り口には「水漏れのため休業します。予約客は○○ホテルを手配しましたので、そちらに行ってください」という張り紙が。けっこう遠いじゃないか、行ってください、じゃないだろーが。うちはレンタカーだったのでまだよかったですが、これじゃ普通途方にくれますよ。予約は無事トランスファーされていて、同じ値段で泊まれたのでまだラッキーだったのかもしれません。部屋はファミリールームで広かったものの、清掃はいいかげん、暖房は壊れていてすきま風が寒く、夏のハイシーズンの長期滞在にはよいのかもしれませんが、極寒のオフシーズンには一泊が限度でした。HRSにはもちろんクレームを入れましたとも。


スへフェニンヘンの海岸沿いは怪しげなオブジェでいっぱい。これは、巨大な割れた仮面が地面に突き刺さっています。


ビーチ近くではカトゥーニッシュなシリーズアートが、なかなか存在感あって良い味を出してました。


溺れてます。


おいおい。


足くっさー。


兄ちゃん、ビーチリゾートでそんなに悩まんでも。


ダイナミックに魚を食らう巨人。


これは、意味不明…。


I LOVE+都市名のTシャツなんか生まれて初めて買いましたが、「アイ・ラブ・スケベニンゲン」、これだけは絶対に買わねばと、オフシーズンで土産物屋もほとんど閉まっている中、ほうぼう探してやっと見つけました。といってもこれを分かってくれる人はどんだけいるか…。

オランダ旅行その3:アムステルダムのハイネケン・エクスペリエンス2013/03/25 23:59


最後はアムステルダムへ。気温はマイナス2℃くらい、でも風が強くて体感温度はマイナス13℃まで下がっていました。ここは観光中心のダム広場です。


お目当ての一つだった国立ミュージアムは、何と3/18〜4/12の間閉館、どんぴしゃでバッティングしてしまいました。(泣)


ミュジーアム広場のもう一つの目玉、ゴッホ美術館は昨年9月から改装工事のためエルミタージュ(ロシアの有名な美術館の分館)に臨時に移転しています。行ってみて驚いたのは、まるで上野の美術館のごとく、入場券を買うにも長蛇の列で、中も絵の前はとんでもない人だかり、なかなかじっくり見れる雰囲気ではありませんでした。ここのコレクションは以前ブダペストにごっそり来ていた際の展覧会でけっこう見ておりましたが、ほとんど忘れてました。

国立ミュージアム休館のおかげで予定が狂い、急きょHeineken Experienceに行ってみることにしました。ここは言わずと知れたオランダ産ビール、ハイネケンが運営するアトラクションで、大人18ユーロ、子供14ユーロとけっこうな お金を取るくせに、要はハイネケンの広告塔のようなものですが、まあそこそこ楽しめました。


入り口。中は音声からキャプションから全て英語で、オランダ語がありません。最初から外国人観光客「だけ」をターゲットにしています。


歴代のハイネケンエンブレム。緑でなかった時代もあるんですね。


ビール作りのプロセスを、ビールの原料になって体験するアトラクションもあります。工場内でものを 運ぶためにかつては重要な資産だった「馬」もディスプレイの一部として飼育されていましたが、立ち入り禁止で触れなかったので娘は不満たらたら。

ドラフトビールを3〜4杯は試飲できるようになってます。美味しいビールの注ぎ方のレクチャーもあり、受ければ名前入りの証明書を出してくれます。

まあ、ハイネケンは日本では時々飲んでいましたが、こちらでは個性的なビールがほかに山ほどあるので、あえて選ぶこともありませんでした。今回ドラフトハイネケンの淡白な味わいとすっきりしたのどごしが好ましく、これもまた良いものだなと再認識しました。