ロイヤルバレエ/マルケス/マクレー:リーズの結婚2012/05/16 23:59


2012.05.16 Royal Opera House (London)
Royal Ballet: La Fille mal gardée
Barry Wordsworth / Orchestra of the Royal Opera House
Frederick Ashton (Choreography)
Steven McRae (Colas), Roberta Marquez (Lise)
Philip Mosley (Widow), Ludovic Ondiviela (Alain)
Gary Avis (Thomas), Alastair Marriott (Village Notary)
Michael Stojko (Cockerel, Notary's Clerk)
1. Ferdinand Hérold: La Fille mal gardée (orch. arr. by John Lanchbery)

アシュトン振付の「リーズの結婚」は本当に楽しいプログラムなので、妻も娘もこの日を心待ちにしていました。ちょうど2年ぶりですが、例によってマクレー様の踊る日を選んだので、群舞の人々を除いて2年前と全く同じキャストで見ることに。私はどちらかというとコジョカルとか、見たかったんですが…。

最終日だった今日はオン・シネマの生中継があったので、ストールにテレビカメラが6台も入っていました。周辺の人は迷惑だったことでしょう。映像が残るということはDVDソフト化の可能性もあるわけで、妻は今からキャーキャー言って勝手に盛り上がっております。また、今回の「リーズ」の広告ポスターもマクレー&マルケスのカッコいいキメポーズ写真が使ってあり、駅などからはすでに撤去されているようですが、オペラハウスのショップで売り出されていないかと丹念に探しておった妻でした。

冒頭のほのぼのとしたスクリーンから、ラストの赤い傘を見つけたアランの無邪気な笑顔まで、終始見ているこちらの顔も緩みっぱなしの、無心に楽しめるプロダクションです。マルケスは、無垢で華奢で可憐なリーズが本当にはまり役。オペラグラスで見ていると、最初から汗びっしょりで、ちょっと調子が悪かったかもしれません。しかし素人目に何かケチをつけるほどのものではなく、マクレーとのコンビネーションも相変わらず見事。そのマクレー様はいつものごとく、ブレないステップ、滞空時間の長いジャンプ、ビシッと決まったポーズの美しさはどれもこれも素晴らしい。世界に向けて生中継する価値の十分あるプリンシパルたちでした。

未亡人のお母さんは、木靴の踊りが2年前に思ったのと同じく、バラバラとしていてイマイチでした。ふと思ったのは、タップダンスの得意なマクレーさん、将来年齢を重ねて第一線から退いた後は、この未亡人役でヤケにキレキレの木靴の踊りを嬉々として披露していたりするのかな、という妄想です。そういえば、マクレー夫人のエリザベス・ハロッドはニワトリ役で出演していたようですが、何せ着ぐるみなので、どの人か分からず…。ちょっと淋しい夫婦共演ですね。

特筆すべきは、今日のオーケストラがいつものバレエではあり得ないほどに冴えていて、素晴らしかったこと。パッパーノが振るとき以外でこのオケがこんなにしっかりしているのって、今まで聴いたことがないです。現金なものですが、これも生中継の威力でしょうか。しかし、やればできるんだな!じゃあ何故普段からこれをやらんのじゃ!と怒りもちょっと覚えました。