ロイヤルバレエ:不思議の国のアリスの冒険2012/03/26 23:59


2012.03.26 Royal Opera House (London)
Royal Ballet: Alice’s Adventures in Wonderland
Barry Wordsworth / Orchestra of the Royal Opera House
Christopher Wheeldon (Choreography)
Lauren Cuthbertson (Alice)
Federico Bonelli (Jack/The Knave of Hearts)
Edward Watson (Lewis Carroll/The White Rabbit)
Laura Morera (Mother/The Queen of Hearts)
Christopher Saunders (Father/The King of Hearts)
Steven McRae (Magician/The Mad Hatter)
Eric Underwood (Rajah/The Caterpillar)
Philip Mosley (The Duchess)
Ricardo Cervera (Vicar/The March Hare)
James Wilkie (Verger/The Dormouse)
Kristen McNally (The Cook)
Ludovic Ondiviela (Footman/Fish)
Kenta Kura (Footman/Frog)
Leanne Cope, Samantha Raine (Alice's Sisters)
Michael Stojko (Butler/Excutioner)
James Hay, Dawid Trzensimiech, Valentino Zucchetti (The Three Gardeners)
1. Joby Talbot: Alice’s Adventures in Wonderland

今週から夏時間になり、「日の長いヨーロッパ」がまだやってきました。

昨年見れなかったロイヤルバレエの新作「不思議の国のアリスの冒険」、実は来月の公演のチケットを取っていたのですが、出張が入ってしまったので急遽他の日はないかとチケットを探し、全公演ほぼソールドアウトの中、運良くポコッと出てきた1枚をゲットすることができました。隣席のおじさんがリターンをしたそうで、「君はラッキーだ」としきりに言われました。

ディズニーの前まではアニメ化すら不可能と言われた原作の摩訶不思議な世界を、どう舞台に乗せるのかが肝だと思いますが、前半は半透明のスクリーンに映し出す映像を多用して、不思議の国に落ちていく場面(落ちていくアリスはマリオネットで表現)、ドリンクを飲んで大きくなったり小さくなったりする場面は、なかなかよく練られてうまくできていると感心しました。肝心の振り付けは、うーん、昨年のプレミエではコアなバレエファンからの評判があまり芳しくなかったようですが、私はそんなに深く踊りを見ているわけではない(その素養もない)ので、パフォーマンスとしては十分楽しめました。アリスもマッドハッターもハートの女王も、やっぱりただの演技やマイムだけだったら楽しさ半減で、ダンスがあってこその舞台だった、とも言えますし。

初めて見るアリス役のカスバートソンは初演のAキャストで、DVDでも踊っているので、誇りを持って自信たっぷりに演じ尽くしています。顔はちょっとオバン臭い(失礼!)ですが、体格がよく、一つ一つの仕草が上手くて存在感あるダンサーだと思いました。第1幕のかけっこする場面、追い抜かれていく様子をポワントの後ずさりで表現したのは「おー、ムーンウォークの原点はこのワザだったか」と慧眼しました(笑)。マクレーのマッドハッターは、昨年の評判を聞いてか、さすがの大人気。生で見る彼のタップダンスは確かにかっこいい!ただDVDで見た印象と比べると意外とハジケてなく、マッドさが足りなかったような。ちょっとお疲れ気味かな、と思ってしまいました。


第2幕が終ったところの幕間では、巨大な斧に「INTERVAL」の文字が。第3幕開演前にはちゃんと「ACT III」と表示が変わっていました。

展開の速い第1幕に比べて、第2幕と第3幕の後半はちょっとダレる気がします。第3幕の「眠れる森の美女」のパロディには大笑い。ハートの女王はここまでほとんど踊りがなく、満を持してのステップです。モレラはこういうコミカルでアブノーマルな踊りが真骨頂(と言ったら失礼かな)で、本当に上手かったのですが、やはり背が低いのが残念でした。ここの場面はヤノウスキくらい長身の人のほうが絶対に映えるのは、仕方がないところ。

脇役、その他大勢にも知った顔がたくさんあり、ダンサー大動員、正に総力を挙げて取り組んでいる気合が伝わります。大人も子供も楽しめる良質のプロダクションだと思います。是非定期的に舞台に乗せ、進化させて行って欲しいですね。


クレジットはされていませんでしたが、6番は小林ひかるさん、7番はチェ・ユフィちゃんですね。あらたまって見ると、頭の上の数字は間抜けだ…。


大人気、マクレーさんのマッドハッター。


ボネッリのジャックも初々しくて良かったです。

コメント

_ つるびねった ― 2012/04/03 05:28

あーーーMiklosさん、ひとりで観に行かれたのですかーー?
ご家族の方は別の日なのかな?
アリス、楽しいでしょう〜。わたし、大好きです。素直に童心に帰れるし、実はローズ・アダージョの他にもバレエ・ファンの心をくすぐるパロディがそこここにあるんですよ。

_ Miklos ― 2012/04/09 09:43

そうなんですよ。家族の恨みがましい視線を振り切り、一人で見に行きました。結局出張は微妙に回避でき(ただし帰ってきてオペラ座直行のような)、何とか家族揃ってまた見に行くことができそうです。もちろん2回見ても楽しめることは間違いなく、またいろんな発見があることでしょう。

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_ miu'z journal *2 -ロンドン音楽会日記- - 2012/04/02 08:51

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