ガードナー/都響:「管弦楽入門」と「惑星」でイギリスを懐かしむ2015/08/02 23:59

2015.08.02 東京芸術劇場コンサートホール (東京)
Edward Gardner / 東京都交響楽団
東京混声合唱団 (女声合唱-2)
1. ブリテン: 青少年のための管弦楽入門(パーセルの主題による変奏曲とフーガ)
2. ホルスト: 組曲《惑星》

夏休みの日曜日マチネ、しかも娘の好きな「惑星」ということで、家族でGO!まあこの選曲ですから、他にも家族連れを多数見かけました。そんな子供向けクラシックの典型と見られがちな「青少年のための管弦楽入門」ですが、大編成管弦楽フェチの私にしてみればたいへんシビレる垂涎曲なのに、通常のコンサートプログラムに乗る機会が非常に少ないのは残念。生演で聴くのは多分これで生涯3回目です。英国若手指揮者の雄(とは言えもう40歳)ガードナーは2011年のBBCプロムス・ラストナイトでもこの曲を披露、当時その生中継をロンドンの自宅で家族と一緒に見ていたのを懐かしく思い出します。

ガードナーは記録を見てみると、イングリッシュ・ナショナル・オペラの「青ひげ公の城」で過去一度だけ聴いていますが、あれえ、2、3度は聴いてなかったっけ?どうも他の若手と記憶がごっちゃになっているようです。それはともかく、小気味よくキビキビとした指揮は気持ちの良いもので、とにかくオケを鳴らす鳴らす。日本のオケからここまでの音圧を引き出すのは大した統率力です。都響のほうも、それだけの音を破綻せず出せる力量が元々あってのことで、うまい具合に乗せられてしまったという感じ。

メインの「惑星」は、早めのテンポながら、あっさりサクサク進むというよりは、旋律にはいちいち細かくニュアンスを付けていく歌重視の演奏。打楽器は遠慮なく叩きまくり、オルガンの重低音は腹にずんずん響いて、金管も欧米オケにも引けを取らない鳴らしっぷりで、これまた爽快な演奏でした。危なっかしいところはなくて、普通にワールドクラスの好演。このままCDにできるでしょう。ガードナーはバランス良いアンサンブルに気を配り、鳴らすところはとことん鳴らし、旋律はしっかり歌わせ、スコアからその曲の理想像をつまびらかに引き出す、欲張りな正統派と言えましょうか。短めのプログラムだったので何かアンコールはやってほしかったなあと思うけど、「惑星」のリハを細かくやりすぎて、アンコールまで仕込む余裕がなかったんじゃないかと、なんとなく想像できました。またチャンスがあれば是非聴きたい指揮者です。

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