慶應ワグネル:大雪のあと、若者の「ど根性」マーラーを堪能2014/02/15 23:59

2014.02.15 サントリーホール (東京)
大河内雅彦 / 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ
1. ベートーヴェン: レオノーレ序曲第3番
2. ワーグナー: 歌劇『さまよえるオランダ人』序曲
3. マーラー: 交響曲7番ホ短調『夜の歌』

しばらくぶり、今年初の演奏会。慶應ワグネルは昨年10月の公演を聴く予定が、台風来襲のため行くのを断念したので、これが初鑑賞になります。よほど天候に嫌われているのか、今回も大雪の影響で交通ダイヤは乱れておりましたが、幸い大きな問題もなく会場には行けました。しかし、満員御礼だったはずが、やはり来るのを止めた人は多かったみたいで、空席がちらほら目立ちました。

さて初めて聴く慶應ワグネルは学生オケですから曲によってステージに上る奏者が変わります。最初のほうの曲は年次の若い人が多く、初々しい感じですが、こっちがすっかり年を取ってしまったもので、メインの曲でも皆さん十分に若々しい。総じて感じたのは、メンツが入れ替わっても極端にレベルの違いはなく、思ったよりずっと上手かったということ。まあ人海戦術のおかげもあるんでしょうが、そのへんのヘタレプロオケよりもむしろ馬力があり、最後までヘコたれない根性がありました。弦楽器のボウイングも統率取れているし、ずるく逃げると言うと語弊がありますが、破綻しないすべを心得ている。トレーナーがよほどしっかりしているんでしょう。上級生になればさすがにソリストに達者な人が多く、ヴィオラ、トランペット、フルート、ティンパニは特に印象に残りました。久々に聴いたマーラー7番、心地良く堪能できました。ロンドン、ブダペストでも学生オケをいくつか見てきてその比較で一つ苦言を言うならば、ワグネルはもっと笑顔が欲しいです。皆、顔が真面目過ぎ。

このオケは4年に1回ヨーロッパ演奏旅行をしていて、今年もプラハ、ミュンヘン、ウィーン、ブダペストに行くようです。日本のプロオケはめったに海外に行かないので、日本で最も頻繁に海外公演をしている楽団じゃないかと思ったら、早稲田のオケは何と3年に1回ペースで演奏旅行しているようです。いやはや、さすが早慶、こんなところでも競い合ってますな。個人的にはドイツ、オーストリアばかりの早稲田より、プラハとかブダペストにも行ってくれる慶應に好感が持てますが。

最近仕事が立て込んでいて余裕がなく、演奏会もさっぱりご無沙汰しておりますが、3月からは心を入れ替え、できるだけ週一くらいのペースで出かけるのを目標にしております。