Satay HouseでLondon weblog会2012/08/03 07:45

先日、ブログ仲間のかんとくさんがご帰国されるとのことで、Satay Houseというマレーシア料理のお店で壮行会を敢行しました。プロムスとオリンピックが始まり皆さんお忙しい中、dognorahさんshinrabansyoさんVoyage2Artさんfelizさんが集まって下さいました。いつものメンバーではMiyukiさんが一時帰国中につき残念ながら不参加。なお、昨年からすでに何度か回を重ねているこの集まりは、一足先に帰国されたKoideさんにより「London weblog会」という恐れ多い命名がなされております。

決して見つけやすいお店とは言えないのに狭い店内はあっという間に満員で大賑わい。マレーシア料理は東南アジア系料理の中ではマイナーですが、タイとインドネシアと中華をミックスして日本人の好みそうなところだけを取り出したような、変わっているけどすんなりと口に合う、新しいけどどこか懐かしい、そんな料理でした。(オーダーはアジア・エキスパートのVoyage2Artさんにお任せだったので、料理の名前はさっぱり覚えていません…。)

ロンドン音楽ブログ界の重鎮だったかんとくさんの帰国を皆で惜しみつつ、いつものごとく音楽・オペラ・バレエ談義から、政治経済社会情勢、O2アリーナの屋根歩き、オリンピック、モデルの女の子の口説き方まで、あちゃこちゃ話が飛びまくるのがまた楽しく、あっという間に時間が過ぎてしまった感じです。

かんとくさんは帰国後もしばらくはブログを続けられるとのことで、ネット上での交流は今までと変わらず続くものと期待しています。かんとくさんが抜けられてちょっと寂しくなったLondon weblog会、次回は未定ですが、我こそはと思う方は是非ブログを立ち上げ、お気楽にご参戦ください。

2012プロムス39:今年の超大作その1、ベルリオーズ「レクイエム」2012/08/11 23:59


2012.08.11 Royal Albert Hall (London)
BBC Proms 2012 PROM 39
Thierry Fischer / BBC National Orchestra of Wales
Toby Spence (T)
BBC National Chorus of Wales
Huddersfield Choral Society
London Symphony Chorus
1. Berlioz: Requiem (Grande messe des morts)

2週間ぶりのプロムス。一昨年のマーラー「千人の交響曲」、昨年のブライアン「ゴシック交響曲」のように、普段はなかなか聴く機会がない超大作をやってくれるのもプロムスというお祭りならではですが、今年はその「大作枠」にベルリオーズ「レクイエム」とシェーンベルク「グレの歌」がラインナップされています。

ベルリオーズの「レクイエム」は打楽器マニアとして一度は生で見たかった曲でした。今日のBBCウェールズ・ナショナル管はスコアにほぼ忠実に、ティンパニ16台(奏者10人)、シンバル8組、大太鼓2台、銅鑼2枚がずらっと並んだ様子はただただ圧巻でした。打楽器に限らず管楽器もホルン12、ファゴット8、クラリネットとフルート各4、オーボエとコールアングレ各2に加え、4群に分かれたバンダが合計でトランペット、トロンボーン各16、チューバ6というとんでもない大編成。さらに100人の弦楽器と、コーラス席の上のほうまでぎっしりと詰まった混声合唱が加わります。バンダは会場の四隅ではなくステージ上で四隅に配置されていましたが、これは多分、このホールの音響だとバンダをバルコニーに配置したら収拾がつかなくなるのを嫌ってのことではないかと想像します。

実はこの曲CDを持っておらず、先日のセントポール寺院でのLSO演奏会をBBC Radio 3で聴いたくらいなので細かいところはようわかりませんでしたが、やはり名物の10人のティンパニ・ロールによる和音自由自在は、打楽器は聴きなれたはずの自分でさえものすごく新鮮に響き、音量のみならず視覚的効果も抜群でした。ティエリー・フィッシャーは始めて見る指揮者でしたが、八面六臂の棒振りで超大編成オケをスポーティーに統率していました。あまり柔らかさを感じない、硬質で男らしい音でした。レクイエムには似つかわしくないかもしれませんが、この曲には合っていたような。コーラスも、すごく上手かったわけではありませんが、熱のこもった迫力はありました。一方、終盤だけ出番のあるテナーのトビー・スペンス君は、歌い出しこそ「おっ」と思いましたが、高音が裏返り低音もタンがからんだように濁った苦しい展開に終始し、出番まで長く待ちくたびれたのか、出来は今一つでした。

それにしてもこの長大な曲は、最後は終りそうで終らず、引っ張り過ぎです。演奏は最後まで集中力が切れなかったと思いますが、禅問答のような展開は正直退屈です。しかしまあ、内容の派手さではさらに上を行くヴェルディのレクイエムより、私はベルリオーズのほうが好きだなー。


横一列に並んだ16台のティンパニが圧巻です。


声援に応えるトビー君。

2012プロムス41:今年の超大作その2、シェーンベルク「グレの歌」2012/08/12 23:59


2012.08.12 Royal Albert Hall (London)
BBC Proms 2012 PROM 41
Jukka-Pekka Saraste / BBC Symphony Orchestra
Angela Denoke (S/Tove)
Simon O'Neill (T/Waldemar)
Katarina Karnéus (Ms/Wood-Dove)
Neal Davies (Br/Peasant)
Jeffrey Lloyd-Roberts (T/Klaus the Fool)
Wolfgang Schöne (Speaker)
BBC Singers
BBC Symphony Chorus
Crouch End Festival Chorus
New London Chamber Choir
1. Schoenberg: Gurrelieder

昨日に引き続き、大作プログラムの連チャンです。「グレの歌」は無調に傾倒する前のシェーンベルク初期の代表作で、マーラー「千人の交響曲」に匹敵する大人数を要するので有名です。完成したのは「千人」の初演が大成功した翌年、つまりマーラーの没年(1911年)ですから、時代がこういう超大曲を求めていた、ということでしょうか。私がほぼ初めてこの曲を聴いたのは6年前のブダペストでギーレン/南西ドイツ放送響の演奏会だったのですが、一体どんな凄い曲だろうとワクワクしていたら、全奏で音圧がマックスになるのはほんのわずかの時間で、大半は室内楽的なものすごくエネルギー効率の悪い進行だったのに思いっきり肩透かしを食らいました。

指揮は元々は常任のビエロフラーヴェクが振るはずが、2週間ほど前にサラステに変更になりました。サラステは颯爽と格好の良いドライブ感が魅力の人で、期待通りにドラマチックでロマンチックな表現が、私には好ましかったです。BBC響も穴が無く最後まで集中力の切れない演奏はさすが。前に聴いた南西ドイツ響は貧弱な音色に白けた(淡々とドライ、とも言えないことはないですが)演奏が、「現代音楽の雄にしてこの程度か」と、がっかりした記憶が蘇りました。

演奏者数はオケもコーラスも昨日のベルリオーズのほうが多かったです。女声コーラスなんか、2時間近く待って最後の最後しか出番がないのでかわいそう。ヴァルデマール王役のテナー、サイモン・オニールは今年の正月の「マイスタージンガー」でも見ました。そのときは風邪で調子が悪かった(ということだった)のですが、この人は結局普段から声が弱く遠くまで届かない、ということが今日よくわかりました。アリーナの立見でかぶりつきでもない限りヴァルデマール王の歌を堪能するのは無理でした。トーヴェを歌うアンゲラ・デノケは2年前にROHで「サロメ」を聴いて以来でしたが、こちらは細い身体ながらコアのしっかりした歌唱で、表現も演奏に引きずられてか劇的で、聴き応えがありました。第一部終盤に歌う山鳩のカルネウスも切々とした情感が秀逸。しかし第一部が終ると出番の済んだ女声陣二人は退場し、代わりに出てきた農夫、道化師、語り手の野郎どもはどれも印象に残らず。語り手のシュプレヒ・シュティンメ、これだけはギーレンのときのほうがずっと上手かったです。

最後は音量もクライマックスに達し、それなりに盛り上がりますが、カタルシスというほどでもなく、頂点に登る手前でふっと力を抜くような終り方です。休憩なしで2時間たっぷり演奏しましたが、お尻が痛かったので休みが欲しかったです。お客さんの入りは残念ながらイマイチで、特にサークルは空席ばかりでした。みんなオリンピックの閉会式を見ていたのかな。



ピンボケしまくりですが、オニールとデノケ。

タワーブリッジ2012/08/18 23:59



オリンピックの記憶も醒めやらぬままいつにない好天が続くロンドンですが(例年だったら8月はもう秋です)、それはともかく、先日初めてタワーブリッジを登ってきたので備忘録としてその写真を。

タワーブリッジは1894年に完成した可動橋で、説明不要なロンドンの観光スポットですが、中心地よりもだいぶ東に外れているため、「よし行くぞ」と思い立たない限り、ふらっとたまたま通りかかる場所ではありません(少なくとも私には)。

両岸側のタワーを上空で結ぶ連結の梁部は現在展示室になっていて、そこに入る窓口は橋の北西側のみですのでお気をつけ下さい。


昔は吹き抜けだったんでしょうが、現在は全面ガラス張りで、思ったほど絶景というわけではありませんでした。


わずかにガラスの窓が開いている箇所があったのでそこから撮った写真。

展示は世界各地の有名な橋を紹介した写真展と、オリンピック限定でしょうか、近代オリンピックの歴史を開催地の写真で綴る展示がありました。しかし、1964年の東京オリンピックのところを見ると、


この写真はさすがに合成だと思うぞ。(他の開催地を見ても、ここまでインチキな写真は東京だけでした…)


タワーの中では橋建設の歴史や構造を紹介するムービーが上映されています。設計者のホレイス・ジョーンズは橋の完成を待たずに亡くなってしまったんですねえ。ふと上を見上げると、建設当時の鳶職人の模型がさりげなく飾ってあります。


休んでお茶してる人も。


オチはないですが、おまけとしてスカイライン・ウェンロック君を。