コンセルトヘボウ管/ヤンソンス:華麗なるシュトラウス2012/05/12 23:59


2012.05.12 Barbican Hall (London)
Mariss Jansons / Royal Concertgebouw Orchestra, Amsterdam
1. R. Strauss: Also sprach Zarathustra
2. R. Strauss: Metamorphosen
3. R. Strauss: Der Rosenkavalier - Suite

先月に次ぎ、RCOチクルス第2弾は首席指揮者ヤンソンスの登場です。客席は盛況な入りで、日本人も多数見かけました。

前回がベートーヴェン1曲のみだったのに対し、今日はオール・リヒャルト・シュトラウスでけっこう軽めのプログラムです。1曲目「ツァラ」は先週ウィーンで聴いたばかりですが、比較するのはかわいそうとは言え、さすがにRCOは上手い。磐石のアンサンブルで手堅く聴かせます。冒頭から小気味のよいテンポですいすいと進んで行き、私の好みとしてはもうちょっと重厚にやってくれてもいいのになと感じてふと思い出したのは、ヤンソンスってどちらかというと軽めの曲でも大真面目に仰々しく響かせる人だったのでは、ということ。ちょっとさらさらとしすぎている気がして少し違和感を感じました。なお、最後のほうに出てくる鐘はチューブラーベルではなく、鉄板に切り込みを入れ、やすりで削って調律したサンダーシートの一種でした。


休憩時間に知人と「今日のヤンソンスは調子が悪いのではないか」というような会話をして、私はクオリティの低さは感じなかったけど、確かに前のヤンソンスとは違う感覚もあって、しかしそれは席が遠いせいだろうと思っていました。次のメタモルフォーゼン、CDはありますがほとんど聴かない曲です。なかなか指揮者が出てこないと思ったら、何とコンマスが弓を振り、指揮者なしで演奏を始めました。少人数の弦楽合奏のみですが、指揮者なしでは絶対厳しそうな複雑な曲です。よく知らない曲なので出来栄えの程はよくわかりませんが、コンマスは自分の演奏よりもアンサンブルの統率に腐心している様子でした。RCOの弦はいつも骨太で密度の濃いサウンドを聴かせてくれるのですが、その秘密は充実したヴィオラパートが寸分の隙間なく中音域を支えていることにあるのだなと感じました。

最後は再びヤンソンスが登場し、「ばらの騎士」組曲。最後のワルツはアンコールでよくやってくれますし、見るからに得意曲。ご機嫌な表情でオケをノリノリにドライブしていました。肩肘張らず気楽に聴ける極上の音楽は、贅沢の極みですね。またオペラのほうも見たくなってきます。ヤンソンス、やっぱり体調悪かったのか、終演後は息が上がって、肩で息をしてしていました。そのせいか、今日はアンコールはなし。後で教えてもらった情報によると、ヤンソンスはやはり風邪で体調不良だったそうで、翌日のマスタークラスはキャンセルしたそうです。妻の知人はキャンセルを知らずに出かけていって無駄足を踏んだそうで、嘆きのメールが飛んできていました…。

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