ナショナル・ギャラリー:特別展「ミラノ宮廷画家のレオナルド・ダ・ヴィンチ」2012/01/04 23:59


噂の「レオナルド・ダ・ヴィンチ特別展」を家族揃って見てきました。守屋さんのブログで「前売りチケットが残り少ない」という情報を見なかったら、危うく買いそびれていたところです。感謝!>守屋さん

平日の16時30分からのスリップでしたので、閉館まで1時間半、特別展だけならまあ余裕だろうとたかをくくっていたら、とにかく人が多い!特に最初の2部屋の混み具合は異常で、むかし日本で見た「MoMA展」や「バーンズコレクション」などの超人気展覧会を思い出しました。順番を待って素描の一つ一つまでじっくり見ていたらとても最後までたどり着けないと思ったので、必見の油絵だけは何とか目に焼き付けて、あとは流しました。それでも2階の「最後の晩餐」に行き着いたのはもう5時40分。スタッフがしきりに「もうすぐ閉館です。ショップはまもなく閉まります。」と退場を促す中、あわただしく一通り何とか見れましたが、おかげで画集を買いそびれたので、後日また買いに行きます。

肝心の内容ですが、月並みな表現ながら精緻な筆による人肌や動物(テン)の皮膚の表現は、目を捕らえて放さない吸引力がありました。ルーブルの「岩窟の聖母」は、行くといつも隣の「聖ヨハネ」のほうに目を奪われてしまって、実はあまりじっくり見たことがなく、ナショナルギャラリー所蔵のと基本的には同じ絵だと思っていたのですが、両者の違いをリアルタイムで比較できるこの機会は本当に貴重なものです。背景や人肌の色合いの違い(修復技術の違いが大きいらしいですが)から、受ける印象は両者でずいぶんと変わってきますし、じっくり見ていると聖母の手はけっこう異形で、聖なるものとは対極の空恐ろしさすら感じてしまいました。

これまた守屋さんのお勧めで持参したオペラグラスは、人ごみの中、「岩窟の聖母」や「最後の晩餐」の模写をじっくり見るのに非常に重宝しました。重ね重ね、感謝です。