ブダペストのレストラン2題:KehliとBorsso2011/11/10 23:59

話は前後しますが、前述の通り一年ぶりにブダペストへ旅行してました。

まずは前回行けなかったハンガリー料理の老舗レストラン、Kehliへ。


1899年の開店以来、内装はほとんど変わっていないそうです。共産主義時代よりさらに前の、古き良きころのハンガリー。照明の影響で、私のカメラのオート設定ではどうしても黄色く写ってしまいますが(マニュアルモードでもうまく調整できず、面倒くさくて結局オートのままです)、ご勘弁を。


定番の名物料理、レバー団子のホットポット(スープ)と牛の骨髄。前々回行ったときは骨髄が生煮えで「ケーリー、お前もか」とがっかりしたのですが、今回はそんなことはなく、良い味の出たコンソメスープ、とろりと濃厚な骨髄を懐かしく堪能させてもらいました。


ハンガリーじゃないと高くてなかなか頼む気にならない、フォアグラのソテー、焼きリンゴとマッシュポテト添え。大きな切り身が3つは見た目以上にお腹にずっしり来ます。


妻はビーフステーキのフォアグラ乗せ、リヨン風フライドオニオン添えを選択。この取り合わせはたいへん美味く、我々みたいに胃袋がハンガリー化してしまった人だけじゃなく、日本からのお客さんにもオススメですが、全部たいらげたら相当なカロリーになるのは必至ですのでご注意ください(まあ、たいらげる日本人を見たことがあまりありませんが)。


デザートは秋の風物詩、栗のピューレ。栗をつぶして味を整えピューレにし、生クリームを乗せただけのシンプルなスイーツですが、これぞ自然の恵み、素朴な味わいにほっとします。日本でもイギリスでも栗の季節には自宅で作れるのが高ポイントです。手間はかかりますが。


給仕のおばさん、ジプシー楽団のおじさんたちも皆昔のままで、故郷に帰ってきた気分でほっとします。よく見るとお客は常連というよりは国内外の観光客が多いですが、それにしてもこのアットホームな雰囲気は、このレストランの長い伝統のなせる技だと思います。


所変わって、別の日、Borssó Bistroという創作モダン・ハンガリアンのお店で友人とランチ。ここに来るのは2回目ですが、繁華街からちょっと離れて、知る人ぞ知るという感じの、しかし雰囲気の良いお洒落なプチレストランです。


この日のランチメニューはポテト肉詰めということで、トルトット・パプリカ(ハンガリー家庭料理のパプリカ肉詰め、トマトソース煮込み)のようなものを想像したのですが、出てきたのは果たして、ずいぶんと洗練されたクリームソースのかわいらしい一品。中身はホルトバージ・パラチンタと同様のチキンのほぐし肉でした。


男性だと量的には物足りませんが、夜が控えているのでランチは軽く済ませたいときなどには(それでなくともハンガリー料理はヘヴィーなので)ちょうどよいのではないでしょうか?もちろん味は洗練されてますし、夜は夜でワインも豊富に置いてあるので、ちょっと気取ったひとときにも最適かも。