イングリッシュ・ナショナル・バレエ:くるみ割り人形2010/12/12 23:59

2010.12.12 London Coliseum (London)
English National Ballet
Gavin Sutherland / The Orchestra of English National Ballet
Wayne Eagling (Choreography), Peter Farmer (Design)
Daria Klimentova (Clara), Vadim Muntagirov (Nephew)
Junor Souza (Nutcracker), Fabian Reimair (Drosselmeyer)
1. Tchaikovsky: The Nutcracker

2004年から毎年12月には欠かさず娘に見せてやっている「くるみ割り人形」、今年はロイヤルバレエが上演しないので、イングリッシュ・ナショナル・バレエのほうを見に行きました。設立60周年記念の新プロダクションで、ENBとしては10作目の「くるみ割り人形」になるそうです。振り付け師はロイヤルバレエ往年の名ダンサー、ウェイン・イーグリング。我が家ではアレッサンドラ・フェリと共演した「ロメオとジュリエット」DVDが妻のヘヴィーローテーションであるため、もう何度見たかわからない人であります。なお、カーテンコールで出てきてくれるかと期待したのですが結局登場せず、現在の姿を拝見できなかったのが残念でした。

ENBでは前の2作の「くるみ割り」がモダンテイストな演出だったためか、今回は記念イヤーといいうこともあり、トラディショナルに立ち戻ることが非常に意識されて作られています。ストーリーに逸脱は一切なく、非常にオーソドックス、別の見方ではどこかで見たようなデジャヴ・シーンが連続します。読み替えとはいかないまでも、何か斬新なアイデアが盛り込まれているようなことはありませんでしたが、その分安心して見ていられますので、奇をてらったモダン演出に予期せず出くわすのがいやな方にはたいへんオススメです。

第2幕では主役のクララと、ドロッセルマイヤーのいとこ(ロイヤルバレエのピーター・ライト版ではこの人が呪いをかけられてくるみ割り人形になってしまっているのですが)がそのままおとぎの国の王子、王女となって、金平糖の精の踊りなどを踊ります。最後はクララがベッドで目覚めるという「夢オチ」パターンですが、弟のフレディも夢の中に一緒に登場してネズミと戦ったりしていますので、目覚めて「僕も夢で見たよ」なんてことを語り合っているのが新鮮でした。二人で外に出てドロッセルマイヤーおじさんを探しつつも、「さぶー」と凍えて中に入り、そのまま音楽は消え入るようにディミヌエンドして終わりました。こんなのあり?帰宅してスコアを確認しましたが、やはり聴き慣れたティンパニのロールでガツンと終わるのが通常だと思います。エンディングにこのような別バージョンがあるのでしたっけ?もしかしたら演出家によるスコアの改変なのでしょうか?ご存知の方、教えてください。

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